メカニカルディスクブレーキ BR-M545調整方法 覚書 | RT's blog side.C

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メカニカルディスクブレーキ BR-M545

もうデッドストック品。500番台なのでDEOREグレード?

ワイヤーでピストンを操作する機械式(メカニカル)ディスクブレーキ。

非ピストン側(上から見て右、ホイールハブ側)だけでなく、ピストン側(上から見て左)のパッドの位置調整が可能。

ピストンは片方(上から見て左)だけ。

ピストンに押された左パッドがディスクローターを押し込み、

初期調整位置から可動しない右パッド(実際は左パッドに押されて歪んだディスクローターにより若干動く)とでディスクローターを挟み込んでブレーキがかかる仕組み。

調整にあたってのキモは…

左パッドのみローターを押し、右パッドは不動。

ローターはブレーキ時に右側に歪む。

廉価版(BR-M416等)と違って左パッド位置調整が可能なため、ブレーキレバーの『遊び』の設定が容易。

 

参考になるYoutube動画です。

 

調整手順

①左右パッド間隔を最大に開いた状態でキャリパーを仮装着し、左右パッド間中央にローターが位置する状態で固定可能かどうか?をチェック

無理があるならディスク台座のフェイシング精度が悪い等の原因が必ずあるはず…

今回は上手くポジションが出なかったため、フレームのディスク台座とディスクマウントアダプターに1mm厚ステンレスワッシャー(黒)を挟み込んで修正することにしました。

 

②ディスクマウントアダプターのキャリパー取付けボルト2本を規定トルク(6-8Nm)で本締め

 

③(ブレーキ時にディスクローターが右側に歪むのを見越して)キャリパーの左右パッド間センターはロータースリットのセンターより僅かに左(ピストン側)寄りに設定

パッド間隔は1.5mmアーレンキーが抵抗なく入り、2mmアーレンキーは入らない様に設定。(ローター厚=1.5mmのため)

 

④ローターを左右パッドで挟み込んだ状態で、キャリパーとディスクマウントアダプターのネジ穴との位置合わせを行い、キャリパー固定ボルトに遊びがある状態で仮止めします。

 

⑤ブレーキワイヤーをキャリパーに通し、ピストンが初期位置の状態で、インナーケーブルを思い切り引っ張りつつ、ケーブル固定ボルトを締めます。

 

ブレーキレバーを握りながら、キャリパー固定ボルトを規定トルク(6-8Nm)で本締め。

 

⑦新品ワイヤーの場合、ブレーキレバーをグリップにつくまで約10回ほど握り”初期伸び”を取ります。

その後、インナーケーブルを思い切り引っ張りつつ、ケーブル固定ボルトを規定トルク(6-8Nm)で本締め。
(写真は前ブレーキ)

 

3mmアーレンキーで左パッド調整ネジのみを全開にする。

3mmアーレンキーで右パッド調整ネジ1クリック分開く→ブレーキレバー握る・離す→ホイール空転させ、ローターと右パッドの擦過音を確認→擦過音が続くなら右パッド調整ネジ1クリック分開く→ブレーキレバー握る・離す→ホイール空転・擦過音を確認を繰り返し、擦過音がせずに目視でもローターと右パッドがギリギリ接触しない位置を決定する

⑨目視で左パッドとローターがギリギリ接触しない位置まで左パッド調整ネジを閉める→ブレーキレバー握る・離す→ホイール空転させ、ローターと右パッドの擦過音を確認→擦過音がしないなら、さらに左パッド調整ネジ1クリック分閉める→ブレーキレバー握る・離す→ホイール空転・擦過音を確認を繰り返し、擦過音を確認できた状態から左パッド調整ネジ1クリック分開き→ブレーキレバー握る・離す→ホイール空転・擦過音がしない事を確認。擦過音がせずに目視でもローターと左パッドがギリギリ接触しない位置を決定する。

下からライトアップしてますのでローター~パッド間隔が実際より大きく見えています。これで擦過音が全くしない状態です。

 

⑩ブレーキの『遊び(効きしろ)』をブレーキレバーを15mm引いた状態で設定するために段ボールを使って位置決め。

ブレーキレバーを15mm引いた状態で初めて『引きずり(パッドとローターによる大きな摩擦が発生し、ホイールの空転が僅かな間しか持続しない状態)』が発生する様に3mmアーレンキーでロータ~左パッド間隔を徐々に開けて調整する。

ブレーキレバー側の調整ボルトは一切使用しません!

因みに15mmという数字はローラーブレーキの説明書から参照です。

 

⑪固定ボルトが緩まない様にスナップリングを前後各3箇所にはめ込む。

DAHON Horizeではディスク台座の形状が原因で、後ブレーキには2箇所しかスナップリングがセット出来ませんでした。

 

⑫インナーワイヤーをケーブル固定ボルト後端より20mm以内でカットし、エンドキャップを被せる。

完成です

説明書に有る”ローターとのクリアランスが0.2~ 0.4mmになるようにパッド調整ネジを締め込みます”なんて記述には従わず、目と耳でローターとパッド間の最適位置を決める方法になります。