ラニとマカリイ。 | Mela☆山の中に住む犬。

Mela☆山の中に住む犬。

山の中に住む7匹の野犬家族。その出逢いから始まる保護活動の足跡。

6月初め…
川(大きな用水路)に落ちた犬が、市役所により保護されました。
赤い首輪にナスカンだけがついているオスの柴の老犬。
左後脚を怪我しているとのことで、市役所での保管はせず、そのままセンターへ運ばれました。
それがマカリイ。
 
当初、外飼いの犬のリードが壊れて逃げ出したものと思い、保護場所付近で聞き込みを行いました。
近隣の皆様は快く情報提供してくださり、情報の拡散もしてくださいまいしたが、マカリイに心当たりはなく…
飼い主に繋がる情報は得られませんでした。
 
数日後。
マカリイの公示が切れ、処分対象となることを懸念していた矢先、マカリイと全く同じ状況で、同じ特徴の犬が見つかりました。
用水路の中を一晩中歩き続けているうようだとの通報により市役所に保護されたのがラニ。
性別こそ違えど、赤い首輪にナスカンだけがぶら下がった柴の老犬。
保護された場所は、マカリイの保護場所の下流の用水路。
写真はラニがしていた首輪です。
 
ここからは想像でしかありませんが…
ラニとマカリイは同じ飼い主の元で暮らしていた母子ではないかと思われます。
特徴、状況から考え、2頭同時に山の中の用水路に遺棄。
その際、足を怪我したマカリイはあまり動けず上流に留まり、痴呆気味でただひたすらに歩き続けたラニは下流で発見された…のではないかと。
そして、顔立ちが似ていることから血縁の疑いがあり、ラニの方が少しばかり年上に見えることから、ラニが母親で、マカリイが子供ではないかと思っています。
 
ここまで一緒に暮らしていた犬をなぜ捨てる?!
 
いつも憤りとともに感じる疑問ですが、捨てたのは飼い主ではないのかもしれません…
昨今多いのは、飼い主がペットより先に亡くなり、残されたペットを持て余す家族や周囲の者による遺棄や処分場への持ち込み。
 
ラニは痴呆気味の老犬。
マカリイは、他人には一切触れさせない咬み犬。
 
そもそも飼うつもりもない犬の世話をしなくてはならなくなった際、扱いの難しい犬は、遺棄や処分という選択をされてしまうことがあります。
そういう選択をさせないためにも、“里親さまを探す”という選択肢が、当たり前に、どんな方にも思い浮かび、それ以外はない選択の道となるよう、保護活動者、愛犬家の方々、動物の命を重んじることのできるすべての皆様で、遺棄や処分という選択がなくなる世の中になるよう頑張れたらと思います。
 
遺棄や処分を考えている方に出会いましたら、ただただ糾弾し、反対するのではなく、その方が何故その選択をしようとしているのか、“里親さまを探す”という選択肢もあるということを教えてあげてください。
 
ラニ♀
 
ふらふらの体で、出口のない用水路を何日も彷徨っていたと思われます。

 

 

マカリイ♂
 

 

 

 

人間が触れることを一切許さないため、足の治療もできません。

忌々しい首輪を外してあげたくても外せない…そんな状況です。