私がはじめてアルに会った日。
アルのことは、行政の迷い犬の公示を見て知りました。
アルと会って感じたこと。
ひとが好き。
そう感じました。
写真を見て、見るからに老犬。
大事にされていたとは思えない。
=飼い主は現れないのではないか、と。
口の中を見て驚きました。
歯が平らに削られている。
犬歯のみではなく、奥歯まで…全て。
攻撃性の強い犬に、犬歯を削る処置をすることがあるけれど…
初対面の人間に口の中まで触らせるような穏やかなコに…何故???
耳は酷い状態。
両耳とも。
痒くて…痒くて……
触るとうめき声が漏れます。
頭を振れば、耳の中から真っ黒い塊が飛んできます。
大事にされていたとは、到底思えない。
でも、ひとが好き。
私が帰ろうとすると、寂しそうに鳴きました。
家族が迎えに来てくれると待っていた。
残念ながら、彼に家族は現れませんでした。
公示期間終了後、センターに移送。
迎えに行くから、待っててね。
一週間後。8月31日sat。
約束通り、センターに迎えに行きました。
笑顔で出迎えてくれるアル。
センターの職員さんのケアで、見違えるほど、明るい犬になっていました。
名前はアル。
ハワイ語で、“協力する”という意味。
ここ最近、老犬の収容が相次いでいます。
飼い主の現れない老犬。
本当は、みんな引き取りたい。
それができない自分に苛立ちを感じます。
探さない飼い主にも苛立ちを感じますが、そんな飼い主の元に戻したいとは到底思えない。
これは私の我儘ですが…
私ひとりでできることなど、極々僅か…
老犬だから何?
若くても、年老いていても、彼らの魅力は変わらない。
優しくて、ひとが好き。
それだけで充分。
アルはひとが大好き。
今こうしてパソコンに向かう私の傍らに、ぴったり寄り添っています。
可愛いアル。
アルがずっと寄り添える家族を探します。
里親さま募集中。