~今日のお天気です~ 観測人生30年 気象衛星ひまわり | 宇宙(そら)を見ながら「旅」するmomoの日記。 

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この国を 台風災害から守るため建設された「防災の要」 富士気象レーダー

宇宙(そら)を見ながら「旅」するmomoの生涯日記。   富士山測候所


1999年、気象衛星の登場と2か所のレーダーの新設により その役割を終えることになりました。





わたし達を天災から守る やさしい

その瞳をもつ 花が咲く場所

高度36000キロ上空


その伝統と使命を 継ぐもの

気象衛星「ひまわり」






1977年(昭和52)7月。


宇宙(そら)を見ながら「旅」するmomoの生涯日記。   ←※デルタ2000型シリーズ

デルタ2914型ロケットによって打ち上げられる衛星。

ケネディ宇宙センターであげられたロケットと同時に沸き起こる 人々の歓喜の声。

その場にいた、米国のエンジニア

そして、地球の裏側からも。


地球の裏側・・・この瞬間を、心待ちにしていた「日本」という国の人たち。


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日本で初めての気象衛星「ひまわり1号」(GMS-1)の誕生でした。


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「ひまわり」は

宇宙開発事業団(NASDA)/現JAXA気象庁が開発した気象観測(静止)衛星です。


36000キロ上空(宇宙空間)から、地球を観測することで

誰も邪魔することなく、されることもなく。

より鮮明で広範囲の気候状況、台風災害等に対しての迅速な対応ができるようになりました。


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地球大気観測計画(GARP)という、国際的な計画に基づいた仕事も担った衛星「ひまわり」

その気象情報は、今でも多くの国々で提供、情報交換されています。



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気象衛星「ひまわり」 この衛星一台で地球の半面分の画像撮影も可能となりました。


ただし、北極から南極まで約2500枚の撮影画像をつなぎ合わせて、

やっとひと画像になるので

どうしても、すべての画像が撮影されるまで25分かかってしまいます。


25分の時差画像になりますが、

衛星ひとつでこの観測範囲は、日本に新たな気象観測の扉を開きました。



「”気象衛星ひまわり”の映像です。」


テレビの天気予報で、よく聞かれいたこのフレーズ

日本で一番、なじみのある人工衛星ではないでしょうか?


宇宙(そら)を見ながら「旅」するmomoの生涯日記。 

24時間、365日。   休まず止まらず、映像やデータを送ってくれる頼もしい衛星です。


私達のを見守り、常に地球に向かって顔を向ける「彼女」

名前(愛称)も

太陽に向かって咲く「ひまわり」ヒマワリという

親しみのある、温かな名前がつけられました。


今では、呼ばれることの少なくなった その名前。

それでも、彼女たちは仕事を続けます。

休みなく、目立つことなく。


毎日。


「ひまわり」には3つのセンサーが搭載されています。

可視センサ ・・・雲の形や明るさを観測

熱赤外センサ ・・・雲や海、陸の温度観測

中間赤外センサ ・・・目に見えない大気中の水蒸気の分布を観測


それらのセンサーを組み合わせることによって、

雲の厚みや風向き、風速を予想でき天気予報に役立てられます。



ひと昔前、台風日本に上陸してからでなければ対応できませんでした。


今では、台風が生まれる瞬間まで見ることができるのです。

いつ、どこから、どういった経路で日本に上陸するか・・・防災対策をする時間は確然と広がっています。


それを可能にした気象衛星「ひまわり」の働きは、きっと勲章ものでしょう。


2号機以降、「ひまわり」は種子島宇宙センターから打ち上げられることになりました。

これから何世代も、

人工衛星「ひまわり」一族の子孫による バトン渡しが 繰り広げられることになります。


宇宙(そら)を見ながら「旅」するmomoの生涯日記。   「ひまわり」運用年表 気象庁HPより



正式名称 静止気象衛星GMS(Geostationary Meteorological Satellite)

日本の気象衛星「ひまわり」シリーズでは GMSが主流でした。
宇宙(そら)を見ながら「旅」するmomoの生涯日記。  ※GMSシリーズ(ひまわり5号)

重量 約290~350kg 直径 約2m 設計寿命は3~5年


この「きのこ」のような、「コマ」のような独特なかたち。

ひまわり1~5号まで、ヒューズ社のGMSが主体となって、日本の気象観測を支えてきました。

宇宙空間で、姿勢が崩れないように

スピン安定方式(機体をコマのように回転)で、機体を安定維持しています。


その速度は毎分100回転。


寿命が近づくと次の後継機を打ち上げる

打ち上げられた後継機が稼動しているときは、役目を終えた衛星がサポートになる

次、新しい衛星が打ち上げられたら、サポート衛星は就航。廃棄となります。


それを絶えず繰りかえすことで、

常に見守る眼を絶やさないことで

日本は自然の猛威から守られてきたのです。



しかし、同じ衛星を量産するだけではいけません。

徐々に、衛星自身に求められる機能が追加されていきます。



もはや、気象観測「だけ」の衛星は時代遅れ

人工衛星達は より、高性能多機能であることが求められたのです。




やがて、日本にも 新しい人工衛星がやってきました。


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MTSATMulti-functional Transport Satellite


MTSATSSL(米スペースシステムズ・ローラル)社による 運輸目的衛星 です。

全長33m 重量3.3トン 三軸制御(3つのリアクションホイール使用)方式


気象観測だけではなく、航空管制機能を持っていることが 大きな特徴。

寿命も気象観測5年、航空管制10年という

安くて(?)高機能、長く使えると、いい条件がそろっているのもこの衛星に移行した理由のひとつ。


※気象庁からの衛星購入予算が不足しており、航空管制システムを導入することで

 運輸省(国土交通省)からも、資金を援助してもらいMTSATを購入した経緯がある。




より、便利になっていく生活。

進化していく人工衛星達。


気象衛星「ひまわり」5号を最後に、

後継機である新たな気象衛星MT-SAT(エムティーサット)は「みらい」と名づけられました。


1999年、11月。

H-Ⅱロケット8号機に搭載された「みらい」は宇宙へ飛び立ちました。


宇宙(そら)を見ながら「旅」するmomoの生涯日記。 

サポート衛星として待機していた「ひまわり」4号は引退

稼働中であった「ひまわり」5号は「みらい」サポートとして・・・新たな時代が始まる




はずでした。




突然、ロケットに異常が起こります。

1段目エンジンの故障により、宇宙の目標地点まで飛べなくなったH-Ⅱロケットは

そのまま地上の司令により、爆破。

太平洋の海へ消えていってしまいました。


気象衛星「みらい」と共に・・・





それから、JAXA/NASDA気象庁国土交通省
新たな人工衛星の取得ロケットの原因究明に奮闘することとなります。


惜しくも来年、2000年を迎える年。

世間では2000年問題で、ちょっとした騒ぎになっていましたが

まさに、その時。

日本の空の安全が、危機的状況になっていたのです。



日本の防災の砦・気象衛星「ひまわり」


衛星と人間達の闘い始まりました。    寿命運用との闘いです。


運用寿命を超えた5号機と、

今まで、順調すぎて サポート稼働することなくそばで見守っていた4号機


宇宙(そら)を見ながら「旅」するmomoの生涯日記。 

もちろん、余力はありましたが どちらも運用年数を超えた衛星。


いつ、寿命が尽きるか誰にも分かりません。



いえ、尽きることは許されませんでした。

衛星「ひまわり」が停止することは、富士レーダー建設前の悪夢に晒されることになります。


天災によって、多くの命が犠牲になったあの時代に…





2005年 2月

種子島宇宙センター


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H-ⅡAロケット7号機が宇宙(そら)を目指します。

搭乗衛星はMTSAT-1R
宇宙(そら)を見ながら「旅」するmomoの生涯日記。   MTSAT-1R

運用多目的衛星1号
気象衛星「ひまわり」 6号機です。



ロケット打ち上げ成功。


管制室は

割れんばかりの拍手と歓声、涙を目にためて喜び合う彼らの姿。


「これが失敗していれば、日本の宇宙開発の未来が失われる」 

とまで言われた瀬戸際で、

ロケットと人工衛星を支えた人達の待ちに待った歓喜の瞬間。


まるで「ひまわり」が誕生した日のように。


MTSAT-1R分離の瞬間。
宇宙(そら)を見ながら「旅」するmomoの生涯日記。 

「ひまわり」6号は無事 軌道投入にも成功

地球を観測するための、準備をすることになります。


そのそばで、静かに寄りそう衛星「ひまわり」5号

助っ人にやってきていた、アメリカのゴーズ9号(パシフィック・ゴーズ)


遠くでは、ついに寿命を迎えた衛星「ひまわり」4号が眠っています。



多くの人達が、

プロジェクトの人たちが 「ひまわり」6号を待っていたのです。




これからも

ずっと続いていく気象衛星「ひまわり」達の 観測人生。

受け継がれるバトン。


世代を変えて、姿を変えた今も

その観測データが、私達の明日を支えています。


宇宙(そら)を見ながら「旅」するmomoの生涯日記。   「ひまわり」6号の映像。


現在(2011年)、 「ひまわり」7号機(MTSAT-2)が稼働中。

もちろん

「ひまわり」6号機はサポートとして、私達の上空で今も見守っています。



― 気象観測一筋 33年 その統と誇りを胸に ―



ありがとう 「ひまわり」

そして

これからも よろしくお願いします 「ひまわり」



宇宙(そら)を見ながら「旅」するmomoの日記。 

防災、減災が求められている今の日本。

それは、自然のバランスが崩れている現代では

世界規模の課題かもしれません。


こんな機械(メカ)がこの国で頑張っていますよ・・・と

少しでも知っていただけたら幸いです。

私もまだまだ勉強中(笑)


まだまだ、いろんな逸話がある日本の気象衛星達。
ひまわり4号5号ゴーズ9号

そしてひまわり6号のお話は また余談として・・・UPできたらいいなぁ




富士レーダーの過去記事

http://ameblo.jp/red-moon-momo/entry-10459912164.html


JAXA/気象衛星ひまわり↓

http://www.jaxa.jp/projects/sat/gms/index_j.html

http://spaceinfo.jaxa.jp/ja/kaihatu_eisei_gms_5.html


気象庁HP

http://www.jma.go.jp/jma/index.html


気象庁 気象衛星シリーズ

http://www.data.jma.go.jp/obd/sat/data/web/satenkaku.html


「衛星萌図鑑」しきしまさんHP

http://teardrop.weblogs.jp/10/