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※以下ネタばれ注意
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ー希望とは虚妄か。
絶望がそうであるように。
すべてを奪う死神が、立ちふさがるー…!
(四方)ぐ…がッ…ぺッ!!
(ト-カ)四方さんッ!!
…………
有馬により首元を切られた四方。
マスクの中で血を吐き出し、有馬の方に振り向き直します。
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(ト-カ)【びよーんやって おとうさん びよーん】
(アラタ)【よーし】
(アヤト)【おかあさん 僕も】
(ヒカリ)【アンタじゃ腕抜けるよ】
【よいしょー】
【よいしょー】
【もう一回もう一回!】
【もう一回?】
【よーしいくぞー…】
路地裏を歩く霧嶋家族。
幸せそうなその空間を裂くかのように、ある人物が現れます。
【…?おとうさんおかあさん?】
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(四方)【ー……死んだ?】
(アラタ)【……ごめん】
【…彼女を…守れなかった…】
妻、ヒカリを亡くし、
その弟である四方蓮示に、アラタは涙を流し頭を下げています。
【僕が弱かったせいで 僕が…】
【……ッッ】
【……自分で責めて楽になろうとするな…ッッ!!】
弱々しく謝罪の言葉を口にするアラタの首元を鷲掴み、四方は声を荒らげます。
【……そうだ…】
【霧嶋…お前のせいだ…】
【お前が姉さんをッッ!!】
【…………】
【お前が…ッ】
【お前が死ねば良かったんだ!!!】
四方は声を張り上げると、
アラタを突き放しその場を去っていきました。
…頭では霧嶋に非はないと分かっていた
子供のため姉さんを置いて去った霧嶋に…俺は…
【……ッ】
【…そ…くそっ くそ…… ………】
自らを責め立てるように四方は壁を殴りつけ、思いつめていました。
……だれかを責めて楽になろうとしていたのは
俺の方だ
俺は…無力だー
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喫茶店、あんていくにて、
ウエイターとして仕事をこなしていた四方は、持っていたカップを落とし割ってしまいます。
(四方)【……】
(芳村)【…ああ四方くん いいんだよ】
【………俺は
迷惑ばかりかけている…】
【……古間のように気さくでも
入見みたいに器用でもない…】
【……芳村さん…悪い
俺 店には向いていない…】
【…………君のコーヒーはおいしいよ】
ポツリと言葉を吐き出す四方に、
芳村は応えるように優しく問いだします。
【……】
【……姉弟のことが気になるのかい?ー】
四方は椅子に座り、静かに思いのうちを話し始めました。
【ー…アイツらは…姉さんと似ているんだ】
【…子供が出来てからは鳴りを潜めたが
姉さんも昔荒んだ心のまま人を殺し喰らっていたから
最期はそのツケが回ってきたように思う…】
【……俺は…
二人には親たちのようになってほしくない】
【霧嶋は
アイツらを守るために力を求めて"喰種"も人も食い漁り
そのせいで"白鳩"に目をつけられた】
【力が仇になったんだ…】
父である、アラタでさえも亡くした
トーカとアヤトのことを、四方はずっと考え続けていたようでした。
【……"だれかを守る"というのは本当に難しい】
【どんなに気持ちが強くても…】
【……アラタくんのように
ただしいと思ったことが裏目に出ることもある…】
【…芳村さん】
四方は芳村の方に向き直り、
トーカをあんていくで引き取ってくれるように頼みます。
【トーカを雇ってくれないか…?】
【血にまみれる"喰種"の世界じゃなく…
平穏なヒトの世界でひっそりと生きて欲しい…】
【……名乗りでればどうだい?】
【君は彼らの…
トーカちゃんとアヤトくんの叔父だろう?】
店長は複雑な表情を浮かべながら、四方に訴えかけました。
【……私は自分の娘をこの手でもういちど抱きしめたい…】
【…「V」が彼女を追ってさえいなければ…】
【……俺は、
誰かを導けるほど器用じゃない…】
【遠くから見守るので精一杯だー】
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(アヤト)へたばってんじゃねえぞ!!オッサンッ
有馬の攻撃を避けきれなかった四方の目の前に、庇うべくアヤトが現れます。
ぐ がっ
(ト-カ)ッ!
アヤトとトーカは果敢に有馬に向かっていくものの、
有馬に弾き飛ばされ双方とも傷を負ってしまいます。
(四方)俺から全てを奪うか…
……有馬…
姉さんも…俺の希望も…
……
四方は佇む有馬の姿を見て、
血をこぼしながら立ち上がりました。
……"希望"…?
……そうだな…
失っていくしかないこの世界で…
唯一の望みは"つながること"
植えた種子が花を咲かせること
…花がまた種子をおとすこと
注いだコーヒーを
美味しいと喜んでもらえること
血のつながったあいらを通して…
…ふたたび姉さんに会えるということ
自分の行動が 生きた時間が
無意味じゃなかったと思えること
……「希望」とは、それだ
四方はマスクをはずすと、
赫子を用い、有馬へと攻撃を繰り出しました。
…!!…四方さんッ…!?
……
次こそー
守るぞ、俺は
(有馬)…
ッ!!
しかし、四方の攻撃は
有馬のクインケ、ナルカミによって跳ね返され、
雷のような光が四方へと反射していきました。
…!
……ー
(ヒカリ)【蓮示っ】
ねえさんー
トーカの悲鳴が響くなか、
逃げることもできず立ちすくんでいた四方の前に、庇うように人影が立ちふさがります。
悲しみの雷鳴の連鎖を、断つー…!
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ネタばれ終わります
閲覧ありがとうございました
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※以下感想
木曜日に更新の予定が、
すっかり寝落ちしてしまい遅くなってしまいました。
すみません……。
ひぃ~
これが公式からの供給過多ってやつですか。
霧嶋家いいぞ~~思ってもみないところで霧嶋家について掘り下げられて、ここ最近、気が気でない……
前までは、どうしてアラタがCCGに目をつけられて、
「骸拾い」なんて呼ばれて、今でもなおクインケとして重宝されてるのか不思議だったんですけど、
今回で少しすっきりしたというか。
愛した人を無くしたために、
愛する人を守るために、
"喰種"としての力を求めたアラタ……。
その結果として得られたものは、悲しくとも自らの死と、守らなければならなかった者達との別れ。
やっぱ、そこはかとな~く
カネキさんと似てるんですよね。
アヤトだって、
半殺し戦のときの発言でも、
クソ親父思い出して胸糞悪すぎなんだよッ…!!
少なからずカネキさんにアラタの面影を感じてたようだし、
『ハンパ野郎』っていう繰り返された言葉も、
お母さんも姉も自分も守れなかったアラタに、カネキさんを通して苦し紛れに言ってるように感じてきました。ホロリ
でも、一番、
"アラタ"という人物に執着してたのはトーカちゃだと思うんです。
執着って言い方はおかしいのかもしれないですけど……。
『一人にしないから』っていう亡き父の言葉と想いを埋めてくれたのは
『しないよ』っていうカネキさんの言葉と行動だったわけで、
父・アラタから得られなかったものを、トーカちゃはカネキさんから一瞬でも得ていたんです。
トーカちゃがカネキさんについていこうとしたのも、
『一人にしない』ということを実現させてくれるような相手だったから。
でも、拒否されてカネキさんがあんていくを離れたことによって、
その言葉もまがい物になってしまって、
トーカちゃにとったら、カネキさんはアラタと形は違えども同じ行動をとった事になってしまったわけなんですよね。
その結果、
トーカちゃがカネキさんに対してぶつけた想いは、12巻で思う存分現れてますし。
うーん、まぁアラタの目的とカネキさんの目的には少し違いがあるんですけど(笑)
それでも2人とも結局、
自分の周りを守るため己を犠牲にするあまり、何にも守れてない、ことには繋がるんですね。
その結果、自分を失ってしまった……。
芳村店長の言う通り、
ただしいと思ったことが裏目に出ることもある…
だなんて、カネキさんのまんまだと思うし、
トーカちゃもアヤトも"金木研"に父親を重ねてたんだと、私は思います。
四方さんだって、
あんていくを離れて、喰種としての道を歩み始めたカネキさんを異様に心配してたのは、
元は違えども、アラタのように己を滅ぼし、力を仇にしてほしくないと思ってたからなのかなと思ったり。
四方さんは、
誰かを導けるほど器用じゃない…
だなんて言ってたけど、
実際、12巻で、カネキさんは四方さんの言葉で救われてますしね。
要するに、
カネキさんは霧嶋家にとって異様な存在感があって、過去を顧みるきっかけだと思うんです!
トーカちゃがカネキさんを心配するのも、
四方さんがカネキさんを影で支えるのも、
アヤトがカネキさんに嫌悪感を示すのも、
全部全部アラタが関わって、アラタとカネキさんは霧嶋家に影響を与えてる要人物なんですよね。
要するに要するに、
霧嶋家最高なんだよなァ!!!!!!!!
って言いたかっただけなんです。
長々書いて本当にすみません。
それでは、本編感想……
っていうほど霧嶋家以外で今回書ける内容がない…
とりあえず有馬さん強すぎて、
逆に早くどうにかなってほしい気がしてきた、って感じです(笑)
そろそろ傷一つつけられてもいいんじゃ?
クインケは傷つけられてるようですけど。
そして、最後ですね~
これは琲世かな?たぶん琲世。
ここで琲世か~、トーカちゃが気になる。
『次号;死神との、対峙。』
ってなってるんで、次回もコクリアかもですね。
そろそろ流島にいってもいいんじゃないかと思いますが、
個人的に霧嶋家アツすぎるのでなんでもいいです……()
それでは今回はここまで。
閲覧ありがとうございました!