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この実験で証明したいのは、お金がなくても「生き延びられること」ではなく「豊かに暮らせること」だ――「僕はお金を一銭も使わずに生きることにした。1年経ったが、暮らしは快適だ」1年間お金を使わずに生活する実験をした29歳の若者の記事がイギリスのテレビや新聞で紹介されるや、世界中から取材が殺到し、大きな反響を呼んだ。著者は、不用品交換で入手したトレーラーハウスに太陽光発電パネルをとりつけて暮らし、半自給自足の生活を営む。手作りのロケットストーブで調理し、歯磨き粉や石鹸などの生活用品は、イカの甲を乾燥させたものや植物、廃材などから手作りする。衣類は不要品交換会を主催し、移動手段は自転車。本書は、彼の1年間の金なし生活をユーモラスな筆致で綴った体験記である。貨幣経済を根源から問い直し、真の「幸福」とは「自由」とは何かを問いかけてくる、現代の『森の生活』。

◆冒頭のあらすじ
時は2008年11月28日の夕方。メディアの取材やインタビューで「明日からの1年間お金を一切使わない」と宣言して回った直後、ぼくの唯一の足の自転車が壊れた! 明日は150人分のコース料理(もちろん無料)をふるまうことになっているのに、食材集めすら済んでいない有様だ。先が思いやられるなあ。そもそも、どうしてこんな突飛なことを始めたかというと……

出版社からのコメント
究極の節約生活の本ではありません。著者は、自然と共にある生活から消費社会を見つめ直し、「分かち合い(シェア)」をベースにした新しい社会のあり方を提案、人間同士の絆とコミュニティの再生をめざしています。「食」や「エネルギー」を自給する暮らしに関心が集まり、人々が自分にとっての「豊かさ」とは何かを問い直しはじめている現在、多くの方に読んでいただきたい一冊です。

内容(「BOOK」データベースより)
イギリスで1年間お金を使わずに生活する実験をした29歳の若者がメディアで紹介されるや、世界中から取材が殺到し、大きな反響を呼んだ。貨幣経済を根源から問い直し、真の「幸福」とは、「自由」とは何かを問いかけてくる、現代の『森の生活』。

著者について
マーク・ボイル:1979年、アイルランド生まれ。大学で経済学を学んだ後、渡英。オーガニック食品業界を経て、2007年、ブリストルでフリーエコノミー(無銭経済)運動を創始。2008年の「国際無買デー」から1年間お金を一切使わずに暮らす実験を決行すると、世界中から取材が殺到し、大きな反響を呼んだ。現在は、「地域社会の中での自給」をめざし、お金がいらない暮らしのモデルビレッジを設立準備中。
彼の主宰する、フリーエコノミー・コミュニティーのウェブサイト(justfortheloveofit.org)には、160カ国34,843人が参加し、461,766種類のスキルと、95,088個の道具と554箇所の空間をシェアしている(2011年10月末現在)。

吉田奈緒子:1968年生まれ。東京外国語大学インド・パーキスターン語学科卒。英国エセックス大学修士課程(社会言語学専攻)修了。現在、千葉・南房総で「半農半翻訳」の生活を送っている。





週に1日は1円も使わない生活をしてるけれど、それが毎日となると難しい。今の内に無人島でも買っておいて、近い将来はお金のない世界に住んでみたい。

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20年前に出会った本「ジョンシーモア 自給自足の本」はマイバイブル。

ジョン・シーモアは、英国人でみずから25万平方メートルの農場を経営し自給自足生活を実践している人物で、イギリスの古い時代の暮らしと道具の研究者でもあり、その著作もある。この本は、人間を自然の一部と捉え、自然の大循環の中でそのシステムを壊すことなく人間と動物と植物とが共存することの重要性を説くとともに、自然界のバランスを人間が崩すと必ずその報いが来ると警告している。

この本の中にはカントリーライフに必要なすべての情報が入っているといっても過言でないほど人間が環境を破壊する工業生産品に頼らずにしかもより豊かに生きるための知恵がぎっしりと詰まっている。これはどうしたら良いのかと思った時に開くと必ず解答がある頼りになる1冊である。またイラストも豊富で楽しくかつ分かり易い。訳者はアリスファームの宇土・藤門夫妻である.カントリーライフのバイブルと言って良い。