続いては、皆様お待ちかね、あのスーパーヒーローの入場です!どうぞ!」
リングに~
いーなづま
は~しり~
聞き慣れた曲。
みな心を踊らせる。
わたしは
(ドジで)
強い
(つもり)
かつての彼の姿。
ああ~心に~
あ~いがな~けーれば~
スーパーヒーローじゃ~
ないのさ~
ドジ超人と馬鹿にされても、心に愛が無かったことはない。
それどころか、たくさんの人、超人に「愛」を教えた。
彼の名は。
キン肉マ~ン
GOファイト!
ふゅー!
ワァァァァーー!
会場がわく。
わかないはずがなかった。
数々の悪行超人を破り、地球を護り続けてきた正義超人の中心ともいうべき人物。
今はキン肉星の大王となった彼は、この大会のために戻ってきた。
観客には、興奮のあまり涙を流す者もいた。
それは観客だけに限らなかった。
超人達は、笑い、静かに涙を。
キン肉マンの目。
いつものふざけた入場ではない。
決意と威厳。
彼を包む。
彼が大会でどんな結果を残すのか。
何をもたらすのか。
何を得るのか。
アナ「続きましては、一般応募の中から、見事予選会で優勝した超人です!
どんな闘いを魅せてくれるのか、見ものであります!どうぞ!」
??「グオゴゴゴーーーー!!!!!」
会場がざわつく。
彼を知らない者はいた。
だが。
彼を知っている者の方が多かったのだ。
「記録より記憶に残る超人」。
彼にぴったりだろう。
王位争奪戦に出場。
強力チーム所属。
試合、瞬殺。
ゴングも鳴らされていなかったため、記録には残っていない。
だが。
彼の姿は、たくさんの人々に衝撃を残した。
そんな彼が今、名だたる超人達と同じラインに立っている。
ジェロニモ、ウルフマン達を抑えて優勝を果たした彼は、気合の声をあげた。
以前聴いたものより、格段に大きく勇ましいものだった。
彼の名は、レオパルドン。
そして、王位争奪戦で彼を殺したマンモスマンは、同じ大会に出場している。
「偶然?
必然?」
強いていえば、「運命」だろう。
彼の努力による出場。
「偶然」でも「必然」でもない。
正しくは「運命」でもない。
努力の結果なのだ。
倒された彼の眼には復讐の炎が、小さく燃えていた。
今は火焔と化し、マンモスマンを包み込もうとしている。
それぞれの想い。
闘う理由。
最強、自分、完璧、復讐。
思いのまま闘え。
焔を燃やせ。
情熱を宿せ。
満足するまで闘うがいい。
最強を決める戦いは、もうすぐ幕を開こうとしている。
己の力で道を開け。
役者は、
揃った…………!!