スキンケア化粧品の『合成界面活性剤』って…危険?  | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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美容系のHPなどでは


「合成界面活性剤はとにかく危険!!」


みたいなことをよく言っていますよね。





「合成界面活性剤」


とGoogle検索をかけるだけで


わんさかわんさか出てきます。




例えば


・合成界面活性剤入りのシャンプーはハゲる

・合成界面活性剤で乳化した化粧品は皮膚を破壊する

・合成界面活性剤は皮膚から浸透・体内に蓄積して癌などを引き起こす

・合成界面活性剤を塗布したネズミの肌が爛れた


などなど・・・



あげたらキリがない程

合成界面活性剤って嫌われてますよね…(^_^;)


そのおかげで

「合成界面活性剤が入っている化粧品は使わない!!」

と心に決めてしまっている人もたくさんいらっしゃいますね。




で、

それは実際のところどうなのか?


この類の質問は本当に多いので、


今日はこの問題について少し詳しく取り上げてみたいと思います。




◎「合成界面活性剤」とは?


そもそも「合成界面活性剤」ってなんなの?

という疑問があると思います。



一部のホームページなどでは、


「石けん⇔合成界面活性剤」


みたいな感じで紹介されている場合もありますが、



実際のところ、

これはいろんな意味で間違えています。





まず「界面活性剤」については


界面活性剤とは?~誰も知らない「界面活性剤」~

シャンプーとリンス ~アニオン界面活性剤とカチオン界面活性剤~

目にしみないシャンプー? 両イオン界面活性剤とノニオン界面活性剤


この辺の記事で予習してもらえると助かるのですが、


基本的に「4つの種類」があります。


・陰イオン界面活性剤(洗剤)

・陽イオン界面活性剤(柔軟剤)

・両イオン界面活性剤(主に洗剤)

・非イオン界面活性剤(乳化剤・洗剤)




このうちよく比較されている

「石けん」と「合成洗剤」というのは、

あくまで陰イオン界面活性剤の一種でしかありません。




実際のところ合成界面活性剤というのは

この上の4つの種類全てにまたがっています
から、



陰イオン界面活性剤の石けんとだけ比較するのはおかしな話なのです。




界面活性剤は水と油を混ぜ合わせる性質を持った

非常に応用価値のある化学物質です。

僕たちの身の回りでは、

洗剤だけでなく様々な日用品や食品に応用されています。




界面活性剤がなくなれば、

現在の僕たちの高い生活水準は維持出来ないでしょう。



そしてここで朗報があるのですが、

現在活用されている界面活性剤のほとんどは、

化学合成して得られた「合成界面活性剤」です。




僕達は知らず知らずのうちに、

合成界面活性剤に囲まれて生活しているのです。





◎化粧品配合の『合成界面活性剤』は危険?




美容関連でよく言われるのは

「合成界面活性剤が皮膚を壊す」

という話ですよね。




スキンケア化粧品に含まれる合成界面活性剤は

皮膚上に長く留まるため時間をかけて皮膚を冒す・・・




みたいな話を聞いたことがある人はいませんか?



確かに長時間合成界面活性剤を塗布しておいたら

ネズミの皮膚が大変なことに!!

みたいなことやってるHPもありましたね。



あれを考えたらつけっぱなしの化粧品って大変なんじゃ?

という気にもなりますね。




化粧品というのは基本的に

水と油を界面活性剤で混ぜ込んだものです。



ですから基礎化粧品にも当たり前のように界面活性剤が入っています。





じゃあそういった基礎化粧品は本当に危険なのか?



答えは当然「NO!」です。






まずスキンケア化粧品に配合される界面活性剤は、

極微量にしか配合されていません。



素肌しずく ぷるっとしずく化粧水

【成分】水、グリセリン、BG、ジグリセリン、プラセンタエキス、加水分解ヒアルロン酸、加水分解ヒアルロン酸アルキル(C12-13)グリセリル、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム、加水分解コラーゲン、水溶性コラーゲン、セラミド2、ユビキノン、水溶性プロテオグリカン、ペンチレングリコール、(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー、キシリトール、メチルパラベン、エチルヘキシルグリセリン、クエン酸Na、PEG-20、ポリソルベート20、クエン酸、PPG-4セテス-20、フェノキシエタノール、DPG、水添レシチン


例えば↑の化粧水であれば

PEG-20ポリソルベート20は非イオン系の合成界面活性剤の一種ですが、

配合成分順から見るともはや入っていないくらい少ないですね。



こんな極微量の界面活性剤が皮膚の脂質を溶かし出して、

どんどん細胞を壊していくなんて・・・


それはちょっと無理でしょう(^_^;)



かのネズミさんは本当にかわいそうですが、

かなり高濃度の洗剤を塗布されているので結果あんなことになります。


少なくとも10%以上の配合でなければ長期塗布でも全く問題ない

と考えるべきです。




さらに基礎化粧品に用いられる界面活性剤は

「非イオン界面活性剤」

と呼ばれるものです。


これは主に洗剤として利用される

「陰イオン界面活性剤」

とは性質がかなり異なっています。



非イオン界面活性剤は分子量が大変大きく、

皮膚浸透できる分子量(少なくとも500未満)のものはほとんどありません。





トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル

みたいなかっこいい名前の合成界面活性剤が多いですが、


これについている「20」などの数字は、

親水性を増強する為にくっつけた「オキシエチレン」の数を表しています。


オキシエチレン(エチレングリコール)は一つだけでも分子量44ですから、

20個もついていればこの部分だけでも800以上の分子量を持ちます。



~PEG‐150~なんていうのもたくさんありますが、

どのくらいの大きさなのかちょっと想像できませんね…(苦笑)


こんなに巨大な界面活性剤が皮膚の中に入るなど絶対にありえません。




そのため、

これらの非イオン界面活性剤は毒性が大変小さく、

アイスや乳飲料の食品添加物にも使われるほどです。



極少量配合で高い乳化力を示すという性質も大変重宝されていますね。





◎洗剤の「合成界面活性剤」は・・・



確かに「洗剤」が影響して肌荒れなどを起こすというのはありえます。

実際に多くの洗剤は皮膚を刺激する性質が確認されています。



ただこれは洗剤に配合される界面活性剤の濃度がとても高いからです。


シャンプーやボディソープなどで言えば、

全成分の20%~30%程度が界面活性剤です。


これだけの濃度の界面活性剤ですから、

敏感肌には刺激になるのはある意味当然です。



これはよく合成界面活性剤と比較される「石けん」ですら全く同じことで、

どんなものであっても

洗剤として界面活性剤を用いれば少なからずの刺激がついてくる


というのは誰もが知っておく必要があるでしょう。



ちなみに「洗剤がなぜ刺激になるのか」

という話は

化粧品成分における「安全性」と「刺激性」について


にて少し書いています。


決して界面活性味が皮膚に浸透して細胞を壊すから…

ではありませんので安心してください(^_^;)





まぁ最近では

皮膚に対して刺激になりにくい合成洗剤もたくさん開発されています。


アミノ酸系洗剤や両イオン・非イオン界面活性剤などは

その一例ということになりますね。






◎『合成=悪』は大間違い!



僕が常に言い続けていることですが、

合成物質であればなんでもかんでも悪いもの

という考え方はすぐに改めるべきです。


合成して人工に手を加えるからこそ、

優れた性質を持った物質を低コストで量産できます。




天然の物質が身体に良い

なんていうのは夢物語で、


実際には医療の分野でもなんでも

利用されるのは必ず人の手が加えられたものです。


これは

天然物質よりも合成物質の方が「安全」だから

に他なりません。




例えば

合成界面活性剤でなければ

「天然界面活性剤」

と呼ばれるものも当然存在します。



有名なものであれば

卵黄に含まれる「レシチン」などが挙げられますが、

実際に化粧品などで利用されている天然界面活性剤は

このレシチンくらいです。


これはなぜでしょうか。



天然界面活性剤がレシチンしか見つかっていないから?

いえ、違います。



それは、

その他の天然界面活性剤が

毒性が強かったりして身近に活用できるものではないからです




じゃがいもに含まれる

「ソラニン」

と呼ばれる物質は天然界面活性剤の一種ですが、

強い神経毒があることがよく知られています。



もちろんすべてが毒性があるとは言いませんが、


こういう事例を考えれば

「合成だから」とか「天然だから」とかいう概念は全く通用しない

ということを分かっていただけると思います。







合成界面活性剤をバッシングするのは

その裏にビジネスが絡んでいるからで、


大昔にあった『経皮毒』関連の事件の成り立ちとなんら変わらないものです。

経皮毒の真実を徹底究明!



逆に言えばもし化粧品の販売を行うサイトで、

過剰に合成界面活性剤や合成ポリマーなんかを悪く言っているようであれば、


そのメーカーはあまり信用できるメーカーとは言えません。



なぜ彼らがこんなにも合成物質を悪く言うのか、、


それは

我々の深層心理に潜む「恐怖心」を餌にして、

不当に利益を得ようとしているから、、ということです。






洗剤がダメならポリマー、ポリマーがダメなら乳化剤…


まったく、怪しい情報を次から次へと蔓延させるのは

もうそろそろやめにしてもらいたいところですね…(ーー;)






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