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→『ノンシリコンシャンプー』と『シリコンインシャンプー』について
→資生堂 知ってなるほど化粧品 シリコーンについて
ダメージを受けて軋みや絡まりが気になる髪に、
シリコーン配合のシャンプーは効果的なのか?
今日はこのお話をしておこうと思います(^^)
シリコーンは摩擦軽減などの効果があるため、
ダメージの進行した髪にも効果的である…
とするのは
シリコンインシャンプーを主力として売り出している
大きなメーカーの主張ですね。
確かに髪へのダメージソースの中で「摩擦」というのはかなり重大です。
上手にシャンプーやブラッシングが出来ないと
髪へのダメージはどんどん蓄積していきます。
そういう意味でシャンプー中の髪の摩擦を抑える
「シリコーン」は、
ある意味ダメージヘアにとって
ダメージ抑制のために有効だと考えてもおかしくないのではないでしょうか?
しかし、
かずのすけはこの主張は間違っていると考えます。
もし市販の安価なシリコンインシャンプーが
毛髪のダメージ抑制に効果的だとするならば、
世の中にダメージヘアを気にする人はほとんど生まれないはずです。
髪へのダメージソースとして摩擦刺激は確かに重要ですが
もしもそのダメージ要因よりももっと大きい何かを、
シリコンインシャンプーが持っていたとしたら…
その主張は何の意味も成さないでしょう。
◎シリコンインシャンプーの問題点
まず、
シリコンインシャンプーの最も大きな問題点は何だったでしょうか。
それは主成分の洗剤が低品質であることでしたね。
→『ノンシリコンシャンプー』と『シリコンインシャンプー』について
この際シリコーンなどは何の問題でもありません。
シリコーンを入れているということは
洗剤が強力なマイナス電荷を持っており
そのままだと洗浄中後に強い摩擦を生じてしまうのです。
そのようなマイナス電荷をあまり持っていない洗剤であれば
わざわざシリコーンなど配合する必要はありません。
「強力なマイナス電荷を持つ洗剤」
というのは
・ラウリル硫酸Na
・ラウリルベンゼンスルホン酸Na
・ラウレス硫酸Na
・オレフィン(C14-16)スルホン酸Na
などの強電離性の親水基構造を持つ洗剤郡です。
シリコンインシャンプー=これらの洗剤を使用している可能性大
だからこそ、
シリコンインシャンプーはあまり良くないシャンプーだと評価されます。
◎髪がダメージする最も大きな要因
摩擦刺激よりも重大なダメージソースは、
「パーマ」「カラー」「縮毛矯正」
などの薬剤処理です。
これらの処理を行うと毛髪の化学構造が破壊されたり、
微量では有りますが処理剤が毛髪中に残留することが考えられます。
→パーマ/縮毛矯正のダメージ
この結果パーマやカラーを頻繁にすると
毛髪のダメージはどんどん深刻化していきます。
真にダメージヘアのダメージを抑制するためには、
摩擦刺激だけでなくこれらのダメージ要因を取り去らなければなりません。
しかし
シリコンインシャンプーはそのような効果を持たないだけでなく、
弱った毛髪にはダメージをむしろ加速させる可能性があるのです。
◎強力な洗剤は毛髪のダメージを促進する?
詳しい話は近いうちにケミカル雑学でしようかなぁと思いますが、
実は、
強力なマイナス電荷を持った界面活性剤は
パーマやカラーなどを行って
残留した還元剤やアルカリ剤が髪を侵食するのを助長します。
これは特にラウリル硫酸ナトリウムなどの
強力なアニオン界面活性剤に顕著に見られる性質で、
かずのすけが独自に行なった研究で明らかになっています。
(詳細はまた後日)
界面活性剤は
一般的な使用では髪を溶かすなどほとんど不可能ですが、
→界面活性剤は髪や皮膚を溶かすのか?
毛髪に還元剤やアルカリ剤、たんぱく質変性剤などを作用させると
有意に毛髪の可溶化を促進してしまいます。
この性質は界面活性剤の親水基構造が強電離性のものほど強いため、
先ほど紹介した
・ラウリル硫酸Na
・ラウリルベンゼンスルホン酸Na
・ラウレス硫酸Na
・オレフィン(C14-16)スルホン酸Na
などの強電離性の洗剤を配合したシャンプーでは、
カラー・パーマなどを行った髪に対して
ダメージを促進する危険性がある
と言えるのです。
※
パーマ剤等の還元剤によって一度ジスルフィド結合を切断された毛髪は、
ケラチンのイオン結合を切断できる界面活性剤と
水素結合を切断できる尿素などの変性剤を作用させることで
意図的に分散(可溶化)させることが可能です。
この技術は工業的にケラチンフィルムなどを生成する際に応用されています。
◎シリコンインシャンプーはダメージヘアには向かない!
結論として、
強力なアニオン界面活性剤を配合している可能性が高い
『シリコンインシャンプー』は、
パーマなどを行ってダメージを受けた毛髪には適さない
と言えます。
洗剤として用いられているアニオン界面活性剤でも、
アミノ酸系界面活性剤や酸性せっけんなど
アニオンが弱い界面活性剤の場合は
この可溶化促進はほとんど得られないため、
ダメージヘアに使用しても大きな問題にはなりません。
また正味の電荷を持たない
両性界面活性剤や非イオン界面活性剤でも、
このような作用は見られません。
なぜこれらの界面活性剤が「低刺激」と言われるのかというと、
このような裏事情があるのですね…(^_^;)
強力なアニオン界面活性剤を用いたシャンプーの場合、
ダメージヘアへの摩擦刺激を考えれば
シリコーンを配合したほうがまだまともとは言えます。
ですが
それはあくまで同じ洗剤を用いた場合の話です。
洗剤を低刺激の洗剤に変えてしまえば、
はじめから摩擦はほとんど生じないためシリコーンの配合も必要なく
残留薬剤のダメージを促進することもありません。
さらにシャンプー剤を弱酸性に調整し、
毛髪に残留した還元剤やアルカリ剤などを失活させる成分などを配合すれば、
もしパーマやカラーを行っても
ダメージの進行を極限まで抑えることが出来ます。
→パーマ/縮毛矯正後の正しいヘアケア法
大きなメーカーが最近
『ダメージ毛にはシリコーンを!』
みたいな宣伝を始めたのがすごく気になりますが、
実際には
シリコンインシャンプーがダメージ毛に有効
と言うのはかなりの暴論だと思います。
(まぁトリートメントにシリコーンを入れて、
質感や見た目ををごまかす分には効果的とも言えますが)
そんな宣伝文句をグチグチと考えている暇があるなら
もう少し良い洗剤を使ったシャンプーを
さっさと開発して安値で提供して欲しいところですね(^_^;)
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