洗剤の『ケラチン可溶化促進』について① | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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シリコンインシャンプーはダメージヘア用?


先日書いた記事に関して、

もう少し難しい内容のお話をしておきたいと思います。



単純にいえば、



「洗剤によって毛髪がダメージを受けることはありえるのか?」



という話ですね。



実はこれはかずのすけが昨年まで行ってきた研究でして、


ただまだ論文の公開をしていないので

完璧に詳しい話は出来ないのですが…



記事を何回かに分けて、

出来るだけ簡単に説明していきたいと思います(^_^;)




◎弱いタンパク質は界面活性剤で『変性』する


界面活性剤のタンパク質変性作用


でも見られるように、



『卵白』に含まれる「アルブミン」というタンパク質は


SDS(ラウリル硫酸Na)などのアニオン界面活性剤

を加えることで白色の沈殿を生成します。




対してAEなどの非イオン界面活性剤ではその変性は極微です。





この時点で、

アニオン界面活性剤と非イオン界面活性剤では

タンパク質に与える影響が異なっている
ことに気がつきますね。


つまり

イオン(電荷)を強く持つ界面活性剤は

より強いタンパク質変性作用を持ち、


電荷を持たない界面活性剤はタンパク質変性作用も弱い
と言えます。




◎毛髪(ケラチン)のような強力なタンパク質にはほとんど影響無し?



しかし『毛髪』を構成するタンパク質は、

「ケラチン」と呼ばれる非常に強靭で巨大なタンパク質です。



ケラチンは分子内に多種の結合を持っており、

↓ケラチンの分子内結合の種類




特に『ジスルフィド(-S-S-)結合』という結合はケラチンに特有の結合で


ケラチンはこの結合を分子内に大量に持つことで

非常に硬いタンパク質を構成しています。



そのため、

ただの毛髪に先ほどのように界面活性剤を処理しても




このように変性作用はほとんど見られないのです。




なるほど、

ではラウリル硫酸Naのような強力な電荷を持ったアニオン界面活性剤でも

実際の影響はほとんど観測出来ないのですから


毛髪の洗浄には特に問題は無いと判断できるかもしれませんね。





◎『短期試験』では影響は見られないけど・・・


しかし、

洗剤は毎日、何週間・何ヶ月・数年と使用するわけですから


実際の影響を見るのであればそれだけの長期試験が必要です。



上の実験は浸漬したその時の状況を比較しているので


実際に何週間も何ヶ月も経ったあとの状態は分かりません。




しかしかずのすけは大学生ですから

卒論を書く時間は限られていました(^_^;)



そのため短時間で長期的な影響を観測するためには、


車の耐久性試験のように


毛髪の状態をわざと弱らせ、

その状態で界面活性剤を作用させる


という実験方法を選ぶ必要があったのです。




そのために僕が取った方法が

『パーマ剤』

を使用するという方法でした。



洗剤の『ケラチン可溶化促進』について②







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