「トリートメントの要らないシャンプー」今昔 | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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「トリートメントの要らないシャンプー」

ってありますよね。


一般的には「リンスインシャンプー」なんかが有名ですが、

最近では特にリンスインというわけではないにも関わらず

トリートメント不要!

と広告しているシャンプーも少なくありません。



今日は

「トリートメントの要らないシャンプー」

の今と昔のお話をささっとしておきたいと思います(^^)





◎シャンプーにトリートメントが要る理由


シャンプーは

「陰イオン界面活性剤」

がメインで配合されています。


陰イオン界面活性剤は髪の毛にマイナスの電荷を与える性質があります。

マイナスの電荷を帯びた髪の毛はマイナスに帯電するため、

静電気が生じてゴワつきなどが生まれてしまいます。


なのでこの静電気を中和するために、

プラスの電荷を与える

「陽イオン界面活性剤」

をベースに配合したトリートメントを使うことで、

髪の毛のゴワつきを解消できるということです。


この詳しい内容についてはこちらで解説しています。
シャンプーとリンス ~アニオン界面活性剤とカチオン界面活性剤~



マイナス+プラスで=ゼロ

ということで、


シャンプー×トリートメントは基本的にはセットで考えるものです。



◎昔の「トリートメントが要らないシャンプー」は…


これは、

↑で紹介している記事でも解説している

『リンスインシャンプー』

です。

 

 




「リンス」

とは最近はあんまり言わないのですが、

これは簡単に言えば今で言うトリートメントと同じものと考えて結構かと思います。



ただ陰イオン界面活性剤はマイナスの電荷、

陽イオン界面活性剤はプラスの電荷、

ということは、

足せば電荷がゼロになって効果を失うということです。


しかし

リンスインシャンプーはしっかり洗浄も出来るわけですから、

単純に二つの界面活性剤を混ぜたものというわけではありません。



これも↑の記事で簡単に説明してますが、


リンスインシャンプーでは

「カチオン化ポリマー」

というカチオン界面活性剤を配合してトリートメント不要でサラサラを演出しています。



今では「ポリクオタニウム-○」と表示されている成分ですね。


これは分子量が大きく水を加えた際に効果を発揮するまでに時間がかかるカチオンのため、

シャンプーと一緒に入れても洗剤の効果を邪魔しにくいと考えられています。


詳しくは→ポリクオタニウム-10(カチオン化セルロース)について


ただ時間差のカチオン効果っていうのは結構不安定なものでして、

毎回毎回時間差でうまくカチオンが発生するわけでもありませんし

カチポリが多すぎる逆にごわつくこともあるので…


最近は市場からは淘汰されつつありますね(^_^;)




最近のトリートメント要らずのシャンプーはもう少し進化してます。





◎最近の「トリートメントが要らないシャンプー」は…


これには大きく分けて二種類が考えられます。




①両イオン界面活性剤ベースのシャンプー

②アミノ酸系シャンプー


になります。



◎両イオン系シャンプーはトリートメントが要らない?


 

 


あくま静電気の話をするのであれば、

両イオン系シャンプーはトリートメントが必要ありません。



というのも『両イオン界面活性剤』というのは、

溶液のpHなどに合わせて性状を変化させる界面活性剤です。


そのため、

それ自身が率先して電荷を帯びることはありません。


つまり両イオン界面活性剤
(コカミドプロピルベタインやココアンホ酢酸Naなど)

が主洗浄剤として配合されているシャンプーは、

それ自身が電荷を帯びることがないため毛髪に静電気を与えず、

極論を言えばトリートメントをする必要が無いということになります。




◎アミノ酸系シャンプーはトリートメントが要らない?


 

 



アミノ酸系シャンプーに配合されている

『アミノ酸系界面活性剤』

は、

分類上は陰イオン界面活性剤の一種です。



ですからマイナスに帯電して、

洗髪後は毛髪にマイナスの静電気をまとわせる性質が有るはずですね。



ですが、

アミノ酸系界面活性剤には一般的に使用される

陰イオン界面活性剤(ラウレスやオレフィンなど)と比較して、


与えるマイナスの電荷が弱いという性質があります。



陰イオン界面活性剤は洗浄力が強いほど与える電荷が大きく、

静電気によるごわつきも大きくなります。


しかしアミノ酸系洗剤は洗浄力が低く与える電荷が弱いため、

洗い上がりには微妙にゴワつきも感じますが


直ぐに空気中の静電気と電荷を交換して中和されるため

乾燥したことにはそれほど強いごわつきは生じなくなります。



厳密にはマイナス寄りではありますが、

例えばアウトバストリートメントなどで仕上がりを少し調整すれば

十分トリートメントが不必要な仕上がりを演出することも可能でしょう。





◎もちろん質感をさらに良くしたい場合にはトリートメントをするべき


シャンプーというのはあくまで洗剤なので、

いかに

「シャンプーだけでサラサラ」

と言っても限界があります。



洗剤が髪の油分をとりすぎれば、

静電気が無くても髪は当然ごわつきますし


ダメージが強い髪であれば、

髪の損傷による摩擦が生じてサラサラの質感が得られない場合もあります。



その場合にはやはりトリートメントをプラスして、

毛髪の補修や保護を適宜行うのが良いと思います。



勘違いしてはいけないのは、

『トリートメントが要らない=シャンプーにトリートメント効果がある』

と思い込まないことです。



シャンプーはどこまで行っても洗剤ですから、

洗剤以上の効果を求める辺にべたついたり重たくなったりと

あまり良いことはありません。


『トリートメント要らずのシャンプー』というのは単に

「毛髪にごわつきが生じにくい」

ということであり、


それ以上の効果は基本的にはあまり求めるべきでは無いと思います。



もちろん機能的な効能を持ったシャンプーもあるにはありますが、

やはり『コンディショニング』という視点で見れば


トリートメントに勝るシャンプーは存在しないと考えたほうが良さそうですね。




というわけで簡単ですが

今日はこのあたりにしておきます!



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