月刊美術報知 2025年2月号

 本記事はTwitterの菁山房 琳阿弥陁佛(@ogatakourinpa)の#琳華集でのツイートの内、行った展覧会についての感想の呟きを手短にまとめたものである。

 

2025年2月に行った展覧会

 

雛人形―目出度い 愛でたい ひなまつり―@鎌倉国宝館 2/4火

 

総合文化展@東京国立博物館本館 2/16日

 いわゆる常設展の定点観測である。特別展や企画展だけが展示ではない。常設展も展示替えで定期的に変化しているのである。下村観山「春雨」(大正5・1916年)は映画然とした空間。国宝室では和歌体十種と同断簡をじっくりとみた。さっとみて国学院大学博にいこうかと思ったら、意外と読めてしまい時間をとかしてしまった。新薬師寺仏涅槃図もじっくり。本館北側から出て庭園を巡って退出。

 

千変万化―革新期の古伊万里―@戸栗美術館 2/23日

 戸栗美は初訪。友達を伴って。建物は一昔前の建物という感じで、中庭を臨むホテルの待合室のような空間が好ましい。ちょうど松岡美のような空間であった。恐らく以前公衆電話が置いてあったのだろうと思しい狭い部屋があるのも古めかしさが残っていてよかった。キャプションでは器に施されて文様の名前など丁寧に記述されており、勉強になった。

 

女学生がみた近代の鎌倉―田辺新之助と鎌倉女学校―@鎌倉歴史文化交流館 2/28金

 現鎌倉女学院の創設者で漢詩人松坡としても有名な田辺新之助の功績、松方正義、陸奥広吉との交流、女学校の経営などについて。図録が欲しくなったが閉館ギリギリまでみたために買うタイミングを失ってしまった。

 

 ここのところ軽めに展覧会を回ってばかりである。雛人形展、鎌倉女学校展は鎌倉に用があったついでにいったもので(後者はいきたいとは思っていたが)、古伊万里展は友人に誘われてのものである。来月は大覚寺展が閉幕を迎えるなど会期末ラッシュが始まるのでぼちぼち早めに消化してゆこう。

 ちなみに7金に某寺で文化財調査をしたこと、17月にAurora単独来日公演What Happened To The Earth ?@東京ガーデンシアターに参戦したことを記録しておく。オーロラ公演は最新アルバム「What Happened To The Heart ?」の世界ツアー。前座は水曜日のカンパネラ、アンコールで新しい学校のリーダーズがサプライズ出演。激しい曲調はパワフルに舞い踊り、静かな曲はしっとりと歌い上げる。光に包まれて立つ姿が神々しかった。最後の曲「cure for me 」では日本語で「あなたたちはそのままで完璧です」と叫んでいた。正しく彼女の一貫したメッセージである。

 

行きたかった、話題になっていた展覧会

 

運慶 女人の作善と鎌倉幕府@金沢文庫 11/29金~2/2日

古筆切 わかちあう名筆の美@根津美術館 12/21土~2/9日

文永の役750年Part2絵詞に探るモンゴル襲来―『蒙古襲来絵詞』の世界―@国学院大学博物館 11/30土~2/16日

 

 運慶展は他のタスクが立て込んでしまってゆけなかった。だとしてもゆかねばならないのだが、まあでも、ここで運慶展は何度か開催されており、食傷気味ではあったので…。16日は東博本館の後に蒙古展にゆこうかと思っていたが、和歌体十種を読んでいたら時間が経ってしまって蒙古展は諦めた次第。和歌体十種を読んだら、根津美の古筆切展をみられなかったのも、まあいいかなと思えてしまった。結果オーライである。