令和4年1月1日に突然の九州ハニーズ発足発表からちょうど100日目の4月10日(日)は忘れられない1日となった。

 

一つ目は月1回以上(+オンライン等)で指導をさせて頂いている某チームが公式大会2回戦を突破したこと。公式戦2回戦突破はチーム史上初の出来事。『勝利することが目標だが目的ではない』と言う考えを共有できる大人(指導者)が関わっているチームで、その理念に賛同し関わらせて頂いている。個の力もチームの力も伸び代が多く、更に過去の野球経験も乏しい選手が多い彼ら。それでも、純粋に、野球を愛し、一生懸命に学ぼうとし、努力をするチームだ。応援したくなるチームだ。出来なかったことが出来る様になる喜びや、知らなかったことを知った時の興奮を彼らの表情から感じることが出来る。これは指導者として素直に嬉しい。

 

これまでも、試合に勝てなくとも「勝つための努力」を評価してきた。しかし、やはり「勝ちに勝る価値はなし」。勝利という成功体験は彼らに大きな自信を与えてくれるだろう。これまで、悔しさを噛み締めてきた彼らだけに喜び感動もひとしおだろう。「こうすれば勝てる!」と言う成功体験は人生においても価値ある経験となったはずだ。成長!次戦も自信を持って戦って欲しい。

 

 

二つ目は今年発足されたばかりの社会人女子野球チーム【九州ハニーズ】の決起会実施。午前中の部(記念試合)と午後の部(決起記念トークショー)の2部制で行われた。

この日、初めてハニーズのユニフォームがお披露目。

試合ではセカンドユニフォームを着用。ハニーズを支援してくださるスポンサーのロゴの入ったユニフォームには誇りと使命感と責任感が溢れる。選手達の表情も明るく気のせいかいつもより動きが良い。戦闘服をまとい心もいよいよplayballと言ったところか。

 

僭越ながら、投手コーチ(兼トレーニングコーチ)をする事となった私のユニフォームはこちら。(RYOKAN53)。

 

知っている人はかなりコアなファンだろう。2002年まで在籍をした千葉ロッテマリーンズ時代の登録名と背番号。戦いの舞台では実に20年ぶりに身につけることになる。20年ぶりにこの登録名と番号にしたのは…、長くなるのでまたいつか話そう。

 

とにかく、多くの方の応援支援のもとに彼女達は野球を続けることができる。そして、使命感のもとに女子野球界発展のためのミッションをクリアしていかなくてはならない。

 

記念試合は筑紫地区の中学硬式野球チームの協力のもとに行われた。

「女子野球?どんなもんかいな?」と感じていたに違いない。(私も実際に彼女達のプレーを見るまではそうだった)。が、先発の新人・百田陽菜(神戸弘陵)が6回完投。女子野球界のスーパースター川端友紀選手の右中間への大きなスリーベースヒット。ライトゴロの神こと楢岡美和選手はライト前ヒットを見事なクラブ捌きとスムーズなスローイングでライトゴロに仕留めた。投げる、打つ、守る、走る、とハニーズ選手個々の個性がしっかり出せた試合に中学生達は驚きと良い刺激を受けたようだ。プレーだけでなく声掛けや試合前の準備、シートノックなど野球人として中学生達のお手本となってくれていると嬉しい。

 

観客からもプレーに対して驚きの歓声があがり、多くの来場者から「いやいや、驚きました」「上手すぎで引きましたw」「おもしろい!」と感想をもらった。スポンサーになりたいと言う声も複数頂いた。球場に来て彼女達のプレーを観てもらえれば感動してもらうことができる。観ている人たちに勇気と感動を与える事が彼女達がプレーする価値なのだ。

 

午後の部は大野城市の施設まどかぴあにてトークショーが開催。

ここではファーストユニフォームであるゴールドを基調としたユニフォームのお披露目。選手達の紹介やミニゲームなども行われた。ファンとの距離も近く、スポンサー関係者もハニーズの勝ちや役割、可能性をイメージしてもらえたのではないだろうか。川端、楢岡のダブルMCにより終始和やかな雰囲気でイベントは終了。

 

ここまで九州ハニーズの100日。

川端選手、楢岡選手の志の高さ、行動力、発信力には驚かされるばかりだ。それを親身にサポートする宮地克彦監督の献身的な姿勢にも頭が下がる。そして、そこに集まってきた選手それぞれにドラマがあり想いがある。九州ハニーズは歴史を作る。

 

 

決起会イベントも終了の頃。とんでもないニュースが飛び込んできた。

なんと、千葉ロッテマリーンズ佐々木朗希投手が28年ぶりの完全試合を達成。しかも19奪三振の日本タイ記録と13連続奪三振の日本新記録もぶら下げて。

 

天晴れ。

 

こんな日にユニフォームを着せてもらったこと。感謝しかない。