6日で最終日を迎える忠海の石風呂。
我が家も中々通えてなかったけど、昨日ようやく行ってきました。
それも、朝イチからガッツリと楽しむ予定で11時過ぎには到着。
これが最後の贅沢かと思うとちょっと切なかったけど、、目一杯楽しもうと張り切ってきました。
この日はいつもより少し遅い炊き出しだったみたいで、いやいやラッキーです。
今までヒジキを採りに朝方にお邪魔した時に一度見たきり、貴重な石風呂を炊く場面にご一緒させてもらえました。
ここ2週間はいつもの何倍もお客さんがいらっしゃるそうで、夕方には随分と風呂の温度が下がるんだそうです。
なので、この日は22束の枝木を燃やしてるそうです。
いい具合に炭になってきたら、火鉢と掛け湯の焚き場に熾きを移します。
こっちは掛け湯の方。
これが火鉢になる。
あつい方の部屋の扉は外してあります。
40〜50kgあるそうです。
稲村さんの身体がゴツいのも、うなずけますね。
待ってる間にお弁当食べたり、満潮だったので魚がたくさん泳いでるのを喜んで見たり。
風呂の中に敷くアマモは、海水を浸して準備されてました。
中の熾火を完全に綺麗にして、わずかに残った炭火と灰は水をかけて消して。
一番熱い場所にはスノコをひいていきます。
や、、この中に入ってるのを見た長男が、『熱くないの?』
と、聞きましたら
『熱いか熱くないかじゃなくて、、我慢できるかできんかなんじゃ』
頭が下がります。
そして、湿らせてムシロを弾いていきます。
この、大粒の汗と大きな息遣いで働く稲村さんの姿を見れただけでも、この日はこれで良かったなと思いました。
ムシロが全面に敷かれました。
そして、海水で湿らせたアマモを弾いていきます。
早くも蒸気が立ち昇ってます。
この、潮の香りがたまらんのですよね。
扉をつけて、、稲村さんは掃除してムシロや足拭きとなるドンゴロスを弾いてきます。
長年使い続けられた作業着も、、、あと数日。
こちらの休憩場所には、朝一番から沢山の人が待っておられて、風呂に入るにも順番待ちで列ができました。
やー、人の多さにビックリでした。
我々は昼前から夕方5時まで、風呂に入ったり、海で泳いだり、昼寝したり、火鉢や熾火で焼き芋焼いたりシシャモ焼いたのもらったりしながら、沢山の石風呂を惜しむ人たちと話をしながら過ごしました。
石風呂までの道には、先日の惜しむ会での岡田くんが撮った写真が飾られてました。
ホントに、、石風呂が大好きな沢山の人に見てもらえるので、これはとっても良いなと思いつつ帰路に。
冬になると薪を作り枝木を縛っていた山の暮らしと豊かなアマモの藻場があった海と、、そのどちらもが失われようとしている今、、石風呂だけが続けていけるハズはなかったのです。
今日まで石風呂が続いてきたのは、稲村夫妻の踏ん張り以外の何物でもなかったのでした。
ただただ感謝の気持ちしか。
でも、瀬戸内にこんな素敵な文化があったことは、、子供達の記憶にも少しは残っているかもしれないし、、語り繋いでいきたいと思います。
いつか、、またこの感動するほどに素晴らしい文化を、蘇らせれる日が来る事を願って。