マララ・ユスフザイさんは1997年生まれの16歳。
2012年10月、15歳のとき、パキスタン北西部のスワートで下校途中、銃で頭を撃たれ意識不明の重体となりました。
犯人は武装グループの男。マララさんは少女が学校へ行くことを禁止した武装グループを批判し、教育を受ける権利を主張し続けていました。
マララさんは奇跡的な回復をとげ、2013年7月12日には国連で演説を行います。

マララさんの国連演説から学校へ行く理由を考えた児童書を紹介します。
ぼくたちは なぜ、学校へ行くのか。: マララ・ユスフザイさんの国連演説から考える/ポプラ社

2013年11月発行

マララさんの演説は「銃ではなく、本とペンを。戦場ではなく、学校を。」と題され、石井光太さんにより抄訳されています。

石井さんは海外ルポをはじめとして貧困、医療、戦争、文化などをテーマに執筆されています。
絶対貧困―世界リアル貧困学講義 (新潮文庫)/新潮社

レンタルチャイルド: 神に弄ばれる貧しき子供たち (新潮文庫)/新潮社

遺体―震災、津波の果てに/新潮社

蛍の森/新潮社


世界には学校へ行けない子どもが大勢いる。マララさんの演説を聞いて、世界の子どもたちの姿を思い描きながら、いろいろなことを考えたという石井さんが、読者に語りかけるようにその考えを披露します。

日本では子どもたちは教育を受ける権利を持っている。おとなは子どもを学校へ行かせる義務がある。
ところが世界の開発途上国と呼ばれる国では、約15%の子どもが小学校へ行くことができまい。中学校へ通えるのは、わずか約50%…
なぜこんなことが起きるのか。それはおとなたちが子どもを学校に行かせないようにしたから。

これはすんなり理解できませんよね。
マララさんが生まれ育った町、スワート地方で起きた戦争のこと、武装グループの考え、インドやアフリカのウガンダの状況が語られます。

学校に行かせてもらえない子どもや、誘拐され兵士にさせられた子どもはどうするか。「まぼろしの物語」を作り上げ、それにすがりつくのです。

外国に限らず、日本にも同じことがある、と大阪に住む小学5年生のA君の様子も描かれています。

みんなはこの世の中がどうあってほしいだろう。

自分のことばで考え、
自分のことばで気持ちを伝えることを
少しずつでいい、
ためしてみてくれたら、うれしい。


問いかけや提案は子どもだけではなくおとなにも響きます。
子どもといっしょに考えてみませんか?

「なぜ学校へ行くのか」を読者とともに考えるこの本。美しい写真も石井さんによるものです。



にほんブログ村 マタニティーブログ マタニティーの豆知識へ
右矢印更新しましたきら【本のこと あれこれ】since 2004  物議をかもす結末…絵本『ふたごのたまご』
右矢印きょうのパン あしたのパン  2月8日のパン。─大雪…!【動画あり】