アイコンママブロネタ「子どもの悩み」からの投稿

子どもの将来は幸せなものであってほしい。親の願いはこれに尽きるのではないでしょうか。細川貂々(てんてん)さんの息子が小学1年生になり、まわりから聞こえてきたのはこんな声。
「男の子はこれから大変よー」
「良い大学でないと正社員になれないのよ」
「学歴ないと正社員になれないから、いつまでたっても年収200万円にも満たない生活で、いつもでたっても結婚もできないのよ」
学校がキライだったので、学校に興味がなく教育オンチというてんてんさんは悩みます。よし!わからないから聞きにいこう!とその道のプロに話を聞いたルポルタージュ・コミックをご案内します。
息子の将来、だいじょうぶ? 教育オンチが考える/平凡社

2015年4月発行

就職できない?
結婚できない?
家庭もてない?
名門お受験?
難関大学?
正社員?
……どこまでやれば、シアワセになれますか?

灘校、開成学園、Z会に東進ハイスクール、人工知能から格差、家庭問題 etc。
カネなし、ヒマなし、教育オンチ、三拍子揃った、てんてんさんが13人のプロと子どもたちから虚心に学び、考えた。スーパー主夫、ツレさんとのガチ対談も多数収録!

《目次》
第1の質問 「中学受験」てなに?
黒木景子さん(Z会東大進学教室主任)

第2の質問 「大学受験」ってどうなってますか?
市村秀二さん(株式会社ナガセ/東進ハイスクール広報部長)

第3の質問 塾に通わなくても大学に合格できるんですか?
宝槻泰伸さん(探究学舎塾長、『強烈なオヤジが高校も塾も通わせずに3人の息子を京都大学に放り込んだ話』著者)

第4の質問 灘校ってどんな学校?
大森秀治さん(灘中学校教頭)

第5の質問 開成ってどんな学校?
葛西太郎さん(開成学園)

第6の質問 男女の脳のしくみって本当にちがうんですか?
篠原菊紀さん(脳科学者)

第7の質問 4人の男の子を育ててみてどーですか?
木山直子さん(男児4人のママ)

第8の質問 「格差社会」と教育について
湯浅誠さん(法政大学教授)

第9の質問 ロボットと仕事の関係って?
新井紀子さん(「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトリーダー)

第10の質問 「発達障害」ってなんですか?
熊谷晋一郎さん(東京大学先端科学技術センター特任講師)

第11の質問 日本の「社会」ってどうなってるの?
本田由紀さん(教育社会学者、東京大学教授)

第12の質問 「家族」ってなに?
信田さよ子さん(臨床心理士)

第13の質問 「学校」ってなに?
映画「みんなの学校」

てんてんさんが聞いたプロからの具体的な話は、絵(図)で表記されていて、簡潔にとてもわかりやすくまとまっています。質問し、回答を得た後にてんてん×ツレ(ご存じの方も多いと思いますが、てんてんさんの夫で主夫、子育てメインパーソン)の対談があり、夫婦で感想を言い合いつつ考えを深めています。

中学受験をする際の塾の選び方、東大の良さ、京大とのちがい、中学受験しないで国公立、難関大学に入るためには? 親の子どもとの関わり方…さらに灘高、開成学園(どちらも男子校)はどんなところか知った後は、男女の脳の仕組みのちがいを知り、4人の男の子のおかあさんに話を聞く。

後半は社会的な分野に広がっていきます。格差社会、発達障害、社会で求められる能力、戦後の日本社会のかたちがバブル経済崩壊後、どのように変わったか。そして、最後にはいちばん身近で少人数の組織、家族のこと。昔の家族、現在の家族のちがい、父親の石像化、子育ての本質は?

こんなふうに連鎖している関心ごとは、特別に教育熱心な人ではなくとも、興味あるところではないでしょうか。ふむふむ、へえぇぇ、おもしろい!と読み進めました。

大阪市立大空小学校を取材した映画『みんなの学校』の紹介もあります。過去のご案内はこちら。
右矢印すべての子どもに居場所がある。ひとりひとりが作り、学ぶ小学校。映画『みんなの学校』

専門書を読む一歩手前の一冊としても最適。ゆるいようでちゃんとツボを押さえているいい本です。さらっと読めて、ハイ、おしまい!ではなく、じゃあわたしはどうしよう?と考えるきっかけになるこんな本が産後だからこそ読みたい本だとつくづく思います。(さらっと読んでハイおしまい、という本を求めるときもありますね。それはそれとして。)

さて、次にわたしが読みたいのはこちら。
社会を結びなおす――教育・仕事・家族の連携へ (岩波ブックレット)/岩波書店

生活クラブのカタログ「本の花束」で注文していたのが届いたところなのですが、この本に載っている本田由紀さんの著書なのです。こういう偶然は読書欲をぐんとアップアップさせてくれます。てんてんさんの図を参照しつつ読もうかな。


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