老人ホームのお仕事をさせていただくようになって5年目になりました。

 老人ホームの植栽や観葉植物、お花達を植えたり活けたりするのは、

 入居者の方やそのご家族に癒しの空間を楽しんでいただく為に、

 とても大切なことと思っています。

 でも、それだけではなく、ホームで働くスタッフさん、ホームを訪問下さるお客様、ホーム運営に係わって下さる業者さんに至るまで、

 ここに出入りして下さるすべての方に心地良さを感じて戴くことを沙羅の目標としています。


 エントランスに、お正月飾り用の孟宗竹の花入れに桃の節句のお花を入れてあります。


 桃の節句はとっくに終わっているのですが、

 咲き終わった花ガラを摘みながら、水を交換して見守っています。

 初めは、黄色のフリージャーも入れてありましたし、

 ソサエティーガーリックの薄紫のお花も沢山咲いていました。

 活けてから3週間が経ち、カスミソウも、今ではドライフラワーのようになっています。


 節句のお花としての役目は、もう終わっているのですが、

 まだ植物は、生き続けています。

 それが証拠に桃の枝から元気な葉っぱが次々に出ています。



 次にご紹介するのは、玄関脇の花壇まわりの写真です。

 左側に下枝の枯れたアカメの木(別名カナメ)があり、

 その下には、花壇があります。…ちょっと変わった景色です。


 実は、ここには、アカメが3本植えられていて、普通の植栽の垣根でした。

 それが3年前、突然2本のアカメが真茶色に変色して枯れ、残り1本の上部だけが残りました。

 その時、予算的なこともありましたが、

 そのまま囲って花壇を新設し、四季のお花を楽しむコーナーにしました。

 そして、全枯れを免れたアカメは、そのまま残すことにしました。

 「切ればいいのに!」…時々、そんな助言を戴くことがあります。

 でも、「絶対に切らないでください!」と、沙羅はお願いしています。
 
 傷んだ花や植栽をむやみに捨てたり切ったりしない理由は、ここが、老人ホームだからです。


 施設内で生活されている皆さんは、様々な人生でそれぞれのお花を咲かせた後、ここに入所されています。

 「安らかに最期を迎えられるその時まで、日々の暮らしの中でも、小さな花を咲かせ続けて戴きたい!」という沙羅の思いを、

 植物の姿を通してお伝えしたいと考えているからなのです。(*^_^*)


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