ウインターカップ2017結果 〜3回戦まで〜はこちら

 

ベスト8に残り3年ぶりにメインコートに戻ってきた大濠の準々決勝の相手は神奈川の厚木東でした。

 

【12/27:準々決勝】

福大大濠 98(33-16,24-14,24-19,17-16)65 厚木東

 

(スタメン)

4永野、8中崎、13中田、14横地、15井上

 

厚木東の監督の出身が田中先生と同じ国士舘大学ということで、12月に練習試合をしていて、その時も見に行ったのですが、厚木東はとにかくアグレッシブということばがぴったりのとても見ていて面白いチームだと思いました。

ミスもあるし、荒いなーと思う時もあるけど、とにかく前に進み続けるという気持ちが出ているプレーはとても好きです。きっとそれが厚木東のフィロソフィーなのかなと思います。

 

試合は序盤から積極的に仕掛けてくる厚木東に大濠が少し受けてしまうような形になり、出だしは競る展開になりますが、大濠もメンバーを変えながらファイトするようになり、厚木東の勢いを徐々に落としていきます。

中崎くんのスリーやステップインなどの得点が光り、1Qは33-16の18点リードで終えます。

点差は広がりましたが、ペースとしては厚木東のペースだったのかなと思います。

大濠はディフェンスでしっかり守って堅守速攻のチームですが、ここまでは大濠も攻め急ぐ場面が多く、個人能力の高さで点は取れていますが、決していい流れだったとはいえませんでした。

2Qからはディフェンスをしっかりして厚木東にやりたいプレーをやらせないようにしていました。

厚木東もメンバーを変えながら流れを変えようとするも、大濠は土家くんの2本連続速攻などペースを掴み、2Qは大濠28点リードで終えます。

 

後半に入ると厚木東がディフェンスのプレッシャーを強めて、試合前から原田先生が言われていた「ファールを恐れないディフェンス」を仕掛けてきました。

厚木東のこのディフェンスに大濠は嫌がってしまい、何度かミスが出てしまいます。

私個人的にはただ体をぶつけてくるだけのファールとかがあったので、怪我をしそうでちょっと危ないな〜とか思っていましたが、この気迫がまさにウインターカップなので、このディフェンスに嫌がって勢いが落ちてしまったことは改善点でした。

3Qが終わった時にも普段なら椅子に座って片峯先生の話を聞く選手達を、立たせたまま話をしていたので、ここは嫌がらずしっかりとプレーを、気持ちを出していこうという話だったと思います。

4Qは冷静さを取り戻した大濠は、選手を変えながらもリードを詰められることなく、98-65で勝利しました。

 

点差が離れても全く諦めることなく全力で挑んでくる厚木東はとてもいいチームでした。

 

(大濠の主な個人スタッツ)

#7 浅井 17得点 6reb

#8 中崎 17得点 8reb

#14 横地 12得点 8reb

#5 上塚 10得点

#12 土家 10得点 3ast

#15 井上 10得点 5reb

 

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そして、準決勝の相手は福岡第一との福岡対決になりました。

全国大会での福岡対決といえば、

片峯先生の現役時代の2005年のインターハイのこれまた準決勝で対戦していて、大接戦の末に大濠が勝っています。

しかし、ウインターカップでは初めての対戦だと思います。

ご存知の通り、福大大濠と福岡第一は同じ福岡県、そして中部ブロックから同じ地区なので、

中部ブロック大会→福岡県大会→九州大会と毎回決勝で戦ってきました。

そして、新チームになってからは新人戦→インターハイ予選→ウインターカップ予選と戦っているので、

ここまで7回対戦して、通算成績は大濠の3勝4敗でした。

そして最後の戦いがウインターカップの準決勝だなんて舞台が整い過ぎています。

 

直前の戦いであるウインターカップ予選の決勝では大濠が最後の最後で競り勝ちましたが、ウインターカップを通して福岡第一はとても勢いのあるチームになっていました。

その勢いをもたらしているのが、先発のPGに固定された河村くんの成長だと思います。

それまでの試合でもけっこう出場していたのですが、ウインター予選くらいから、ドライブとパスのバランスがかなり良くなり、ウインター予選の決勝でも大濠をかなり苦しめました。

このウインターカップの3回戦の土浦日大戦ではスリーにドライブにアクロバティックなアシストに縦横無尽のコートの中を駆け回っていました。この試合の得点の半分以上のきっかけを作ったのが河村くんなのではというほどの活躍でした。

 

これは予選で勝っている大濠が有利なんていうことは全くなく、

まさに最強で最高のライバルであるお互いの意地と意地がぶつかった熱い戦いになりました。

 

準決勝はまた更新します。

 

 

それでは。

 

ウインターカップが終わってもうすぐ1週間が経とうとしています。

遅くなりましたが、ウインターカップの大濠の結果を振り返りたいと思います。

 

結果はもう皆さんご存知だと思いますが、それを書くまでに振り返ることが多すぎますので、何回かに分けます。

 

【12/25:2回戦】

福大大濠 93(25-24,24-15,26-14,18-21)74 日本航空

 

(スタメン)

4永野、8中崎、13中田、14横地、15井上

 

大濠の初戦の相手は日本航空でした。

ここまで2年連続2回戦で敗退(2015年は初戦、2016年は2戦目)だったため、とても注目されていた試合でした。

試合は高さで上回る大濠がインサイドを中心に得点をあげるも、日本航空は#27神谷くんのスリーやミドルがことごとく決まり、リードを許しません。一進一退の展開になり1Qは25-24の大濠1点リードで終えます。

2Qに入ると大濠は井上くんのインサイドプレイが光り大濠がリードを奪います。前半は49-39と10点のリードで終えます。

3Qに入っても諦めない日本航空は#34ザン ズージェイくんの得点などで、1桁差に追い上げる粘りを見せますが、大濠は永野くんのスティールからの速攻や、井上くんのインサイドプレイなどで得点し差を広げます。

4Qは控え選手を使いながら、全員出場して93-74で大濠が勝利しました。

点差は開いてしまいましたが、日本航空も最後まで諦めることなく攻め続け、気持ちの籠ったゲームを見せてくれました。

 

(大濠個人成績)

#15井上 32得点 23reb

#4永野 14得点 6reb 3stl

#14横地 10得点 8reb

 

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【12/26:3回戦】

福大大濠 76(18-15,17-19,22-20,19-16)70 北陸学院

 

(スタメン)

4永野、8中崎、13中田、14横地、15井上

 

前半の山場となったのが、3回戦の北陸学院戦でした。

北陸学院といえばエースの大倉くんは世代を代表する選手ですし、その大倉くんを中心として清水くんや北方くんは3年前の全中優勝メンバーが揃っています。

今大会の1番の注目選手である大倉くんとスター軍団の大濠との対戦となったこの試合は、かなりの注目ゲームになりました。

 

ちなみに大濠の井上くん(梅丘中出身)は3年前の全中で大倉くん・清水くん・北方くんの布水中に敗れて引退しています。その代の梅丘中は明成高校に進んだ八村阿蓮くんや相原くん・塚本くんなどがいたチームでしたが、全中の予選リーグも含めて2度布水に敗れています。そのくらい中学時代の布水というは大倉くんは絶対的な選手でしたし、高校になり個人のスキルは格段に上がっていますし、何より土壇場での勝負強さは折り紙付きなので、決して侮れる相手ではありません。

 

1Qは北陸学院は大倉くんの個人技に合わせて、司令塔の清水くんのスリーなどで得点していきます。大濠は中田くんのスリーやミドルなどで応戦し、一進一退の展開になります。1Qは18-15の大濠3点リードで終えます。

北陸学院はセンターの森島くんが2Fで1Qの途中からベンチに下がったため、そこからディフェンスを変えてきます。2Qに入ると高さで上回る大濠はインサイドで攻めようとするも、北陸学院は大倉くんを真ん中に置いたゾーンディフェンスで上手くカバーしながら守り、なかなか点を与えさせません。

大濠は中崎くんがゾーンのスペースを突いてミドルを決めて得点していきますが、北陸学院も引き続き大倉くんのスリーやドライブ、清水くんの外角のシュートなどで応戦し、両チーム点差が離れないまま、35-34の大濠の1点リードで2Qを終えます。

 

前半を終わって大濠は中田くんが14得点。横地くんが9得点、中崎くんが6得点、井上くんが4得点。

北陸学院のセンターの森島くんがファールトラブルであまり出場時間がなかっただけに、井上くんのインサイドで得点を取りたいところでしたが、ゾーンディフェンスに攻めあぐみ、その分を中崎くんのミドルや中田くんのスリーなどで得点していきました。

後半に向けた課題としてた、違いが生まれる井上くんのところをどのように得点を伸ばしていくかということでした。

対する北陸学院の前半は大倉くんが16得点、清水くんが12得点、元田くんが6点でした。

大倉くんに個人技でやられるのはある程度想定の範囲内なのかなと思いますので、それ以外の選手をどう抑えるのかが後半の鍵だったのかなと思います。前半は3人目のキープレイヤー北方くんはしっかりと抑えていたので、それは良かったと思います。

あとは片峯先生の試合前のインタビューでもあったように清水くんをどう抑えるのかを重要だったのかなと思います。あとは大倉くんは試合の終盤に強いので、そこをどのように事前にケアしていくのか。試合終盤まで競った展開にしないことが重要だったと思います。

 

3Qに入ると清水くんを徹底マークし極力いい形ではボールをもらえないようにケアし、大倉くんに持たせるようにしていきます。それで大倉くんの得点は増え、このQだけで16点を取ってきますが、清水くんはこのQは0点に抑えます。大濠は井上くんのインサイドの高さを使っての得点が徐々に取れるようになり、このQはタフショットになった際に永野くんがそれをねじ込む場面が目立ちました。

点差こそ離れませんでしたが、4Qに向けて徐々に試合を組み立てている片峯先生の采配があったのではと思います。3Qは57-54と大濠リードで最終Qに。

4Qは引き続き清水くんのマークは厳しく、思うようにシュートを打たせません。大倉くんは徐々にシュートが落ち始めます。しかし、ここで北陸学院は北方くんのスリーなどで追い上げます。

しかし、大濠は横地くんのスリーや、中田くんの勝負所での連続スリーなどで点差を二桁に広げます。

ここでタイムアウトを取った北陸学院はスリー攻勢に出ます。ここでも北方くんのスリーが決まり、追い上げムードになりますが、落ちたシュートを大濠の横地くんが確実にリバウンドを取り、北陸学院にセカンドチャンスを与えません。76-70で大濠が勝利しました。

 

(大濠個人成績)

#13中田 23得点

#14横地 19得点 19reb

#15井上 16得点 13reb

#8中崎 10得点

 

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上にも書きましたが、この試合は前半はまさに一進一退の白熱のゲームでしたが、後半からの接戦になると読んだ大濠側の仕掛けが最後に効いた試合だったのではと思います。

大濠にとって最も嫌だったのは、大倉くんを抑えにいって、それをかわされて他の人を活かしながら接戦に持ち込まれ、最後の大事な時に大倉くんが決められるというパターンだったのかなと思います。

そのためにまずはキーマンである清水くんを思うようにプレイさせず、ある程度大倉くんを孤立させることが狙いで、後半はそれがある程度決まっていたのかなと。

でも、大倉という選手はそれでも50点60点を取ってくる選手ですが、そこは大濠がいろいろとディフェンスを変えながら30点台に「抑えた」のかなと思います。

 

大倉くん自身はインタビューで4Qで得点が止まったのは疲れではないと言っていますが、少しは疲れもあったのかなと思います。

でもそりゃそうですよ。1試合通してオフェンスで攻め続けるだけでも、かなりの体力が必要なのに、ディフェンスでは自分よりも10センチくらい高い相手を体を張って抑えて・飛んで、オフェンスにディフェンスに大車輪の活躍だったと思います。やはり個人の能力としては今年の代ではズバ抜けていますし、プレーに華のある選手なので今後の活躍が注目される選手ですね。

 

※ちなみに戦術等については直接話を聞いたわけではないので、あくまで私の個人的な見解です。なので、反論やクレームはご遠慮ください※

 

これで大濠はベスト8に残り、次の試合からはついにメインコートでの試合となりました。

大濠がメインコートで試合をするのは3年ぶりで、やはりメインコートで大濠が試合をするところを見たかったので、とても嬉しかったです。

ウインターカップは他の高校の試合とは、雰囲気が全く違いますし、今大会から選手権大会となり名実とも高校No1を決める大会になりましたが、その中でも男子は準々決勝から女子は準決勝からのメインコートは、これまた雰囲気が違います。

3年生は初めてのメインコートですので、これぞウインターカップという雰囲気を味わって、大いに楽しんでほしいと思います。

続きの結果はまた後日更新します。

 

 

それでは。

インカレ2017結果 〜2回戦まで〜はこちら

 

準決勝から現地で観戦できました。

 

○準決勝○

※大濠OBの4年生が出場した試合のみ

※スタッツは出場した大濠OBのみ

 

大東文化 79(24-11,26-14,21-19,8-26)70 白鴎大学

大東#0 葛原 33:09出場 7得点 7reb(スタメン)

 

準決勝の1試合目は大東vs白鴎。

大東は序盤からモッチ中心の攻撃で確実に得点を重ね、点差を広げていきます。

ガードの熊谷くんがゲームをよくコントロールしていて、白鴎の追い上げるタイミングをことごとく潰していきます。葛原くんも激しいディフェンスやリバウンドなどでチームに貢献していました。

モッチのオフェンスが手詰まりになったら、モッチに変わりビーくんが入ってきます。するとまた違ったチームになったかのような全員が動き回るチームになるのです。このように流れを変えながら相手に的を絞らせないのが、大東の強さだと思いました。

3Qまで確実に大東が点差を広げ、このまま勝負あったかと思いましたが、4Qに入るとあの男が目を覚まします。

白鴎のエースの野崎くんです。

野崎くんといえば、佐賀東高校時代に新人戦の九州大会の2回戦で杉浦くんや津山くんのいた大濠に勝利するという番狂わせを演じたチームのエースでした。大濠が九州大会の初日(1回戦・2回戦)で敗退したのは、後にも先にもこの大会しか知りません。それだけ衝撃的な敗戦でした。

そんな野崎くんの大爆発で、一時期約30点ほどあった点差が、ついに1桁となり会場は大盛り上がり。

しかし追いつくまでは至らず、最後はしっかりとゲームをコントロールした大東が決勝戦に進出しました。

 

 

拓殖大学 70(20-18,13-18,17-17,20-20)73 筑波大学

筑波#4 青木 35:04出場 5得点(スタメン)

筑波#11 増田 35:17出場 25得点 13reb(スタメン)

筑波#17 杉浦 36:22出場 19得点(スタメン)

筑波#88 牧 34:02出場 13得点 11reb 4ast(スタメン)

 

準決勝の2試合目は拓殖vs筑波になりました。

新人戦では筑波が圧倒的な強さで優勝しますが、その後馬場くんがBリーグに入り、代表活動でメンバーが揃わない事も多く、怪我人も出たりとリーグではなかなか勝ち切れず5位という結果になりました。

リーグで拓殖が優勝します。得点王や3Pになったドゥドゥと岡田の1年生コンビが注目されがちですが、このチームを支えていたのは4年の阿部くんだと思います。試合を見ると試合の流れ上、ここで1本ほしいという時は必ず阿部くんが繋いでいましたし、点の取り方は地味かもしれませんが、チームにはかなり効いていたと思います。

阿部くんがいなければこの成績がどうなっていたかわからないと思います。

 

さて試合は序盤からほとんど点差が離れない一進一退の展開でした。試合を通して5点差が付いている時間があったかなという印象です。それくらいずーっと接戦で、緊張感のあるゲームでした。

4Qの残り33秒で同点になります。ここで勝負を分けたのが、筑波の1年生の菅原くんでした。残り8秒でドライブのタフショットを決め、見事に筑波が勝利しました。

 

これで決勝戦は青木くん・杉浦くんの筑波vs葛原くんの大東という大濠BIG3の最後の直接対決になりました。

大濠の卒業式の日に大学に行って頑張ってほしいということと、大学4年のインカレの決勝で直接対決だね。と言っていたのですが、これが4年後に本当に現実になるとは。

ずっと想像はしてたことでしたが、実際に現実になると信じられないものですね。

とにかく最後の最後の舞台で最高の組み合わせになりました。

そして、この試合を現地で生で観れたことが本当に幸せなことでした。

 

 

○決勝○

筑波大学 68(19-20,19-22,19-18,11-27)87 大東文化

大東#0 葛原 28:24出場 9得点 6reb(スタメン)

筑波#4 青木 34:02出場 7得点(スタメン)

筑波#11 増田 31:51出場 16得点(スタメン)

筑波#17 杉浦 37:53出場 15得点(スタメン)

筑波#88 牧 26:58出場 11得点(スタメン)

 

決勝戦は筑波vs大東という大濠ファンにとってはこれ以上ない組み合わせとなりました。

両チーム合わせて5人の大濠OBがスタメンでした。

この5人は4年前のウインターカップの決勝戦に出た選手です。

ウインターカップの決勝戦で明成に敗れて、準優勝だった大会です。

あの悔しさを知っている選手が4年後全国大会の決勝戦で直接対決するって、やはり凄いことですね。

 

試合は序盤から大東はモッチの高さとゴール下の強さを活かして得点を重ね大東がペースを掴みますが、筑波は青木くんのスリーなどアウトサイドが決まりだし逆転します。

1Qは20-19で大東がリードで終了。

2Qに入っても大東はモッチや山岸くんなどのインサイドを中心に得点するも、筑波も牧くんや菅原くんのスリーなどアウトサイドが好調で5点差まで広げます。

ここでタイムアウトをとった大東は選手を変えてガードの熊谷くんや中村くんがしっかりコントロールをして、試合を落ち着かせ、再び流れは大東に傾きます。

2Qは42-38と大東が逆転して終了します。

 

3Qに入っても大東の流れは変わらず。筑波はディフェンスを変えて対抗しますが、変わりっぱなに事ごとくスリーを決められてしまいます。点差が二桁に広がり、筑波がタイムアウト。

しかしここから筑波は杉浦くんのスリーや増田くんのドライブインで5点ビハインドまで縮め、再度は杉浦くんのブザビスリーが決まり57-60と3点ビハインドまで追い上げて3Qを終了します。

4Qに入ると大東は熊谷くんがバスカンを決めて引き離そうとするも、筑波も負けじと牧くんがバスカンを決め返します。一進一退の白熱のゲームになりますが、残り7分のところで筑波は増田くんが4Fでベンチに下がります。

するとここで大東はこの試合で初めてディフェンスを変えてきます。ここで筑波はアジャストできず。リバウンドで上回る大東がセカンドチャンスを決めてジリジリと点差を広げていきます。

 

残り42秒で大東は葛原くんのバスカンで85-67の18点リード。ここで大東はこの日に何度も魂の籠ったリバウンドを見せた山岸くんやビーくん(共に4年生)がコートに入りますが、コートに入る時点ですでに涙。

ここで筑波のベンチでは吉田先生がベンチにいる4年生に話しかけていましたが、もうその時点で4年の子の目には涙がいっぱいで、おそらく吉田先生は「出れるか?」みたいな事を聞いていたのだと思います。

「出ます」と答えた筑波の4年生3人が交代でコートの中へ。変わりにコートを出る牧くんも涙涙。

これで筑波のメンバーは青木くん・杉浦くんを入れて全員が4年生になりました。

 

今まで喜びも苦しみも共に味わってきた4年生。

この大学バスケ界の最高の舞台であるインカレの決勝で、残り23秒を最後の最後を一緒にプレイします。

青木くんを中心にハドルを組みましたが、これで杉浦くんや青木くんの目からも涙が止まらなくなります。

それでも最期まで声を出し続ける青木くんはキャプテンとして本当に立派でした。

ボールを運ぶ青木くんにマッチアップするのは、高校時代3年間を共に過ごし、大学ではお互いを意識し合って切磋琢磨した葛原くんでした。最期に青木くんのスリーが入らず。87-68で大東文化大学がインカレを優勝しました。

 

やはり学生スポーツって最高だなぁと思いました。

学生スポーツはやっぱり最高学年。

コートに出ている全員が涙を流しながら、それでもあと1点を取ろうと必死になってプレイする姿には、心がはち切れそうになるくらい感動しました。

あの場面はこの先に忘れることはないと思います。

この大濠BIG3のインカレ決勝直接対決は、一生忘れないと思いますし、今後も永遠に語り続けられていくと思います。

そんな試合をこの目で見ることが出来て本当に幸せでした。

 

優勝した大東はガードの熊谷くんとセンターのモッチの安定感が他のチームとは群を抜いていたと思います。

モッチの支配力は元々イメージしていましたが、それ以上に熊谷くんの存在感が際立っていたなと思いました。

熊谷くんは前橋育英時代は点取り屋というイメージでしたが、大学ではその得点力を活かしつつ、見事に点の取れるガードに成長していて、かなりイメージが変わりました。

あとこの試合は途中から出てきた山岸くんの気迫のリバウンドが効いていて、モッチも含めたリバウンドの勝利でもあるのかなと思いました。

 

そしてキャプテンであり唯一のスタメンの4年生である葛原くんもチームのバランスを取り、泥臭いプレーでチームにはなくてはならない選手でした。

おそらくチームで1番替えのきかない選手だったのかなと思います。

高校の頃に葛原くんは、まだちょっとムラがあって良いときはいいけど、たまにミスもするという印象でしたが、大学に入って本当に安定感が増しましたよね。

直接数字に表れる選手ではなかったかもしれませんが、貢献度でいえばチームNO1だったのかなと思いますので、MVPの選出にも納得です。

これで去年の杉浦くんに続き大濠OBのインカレMVP獲得は2年連続です。

この場面にたどり着くまで、順風満帆だったわけではなく、とても険しい道だったと思います。

去年まで2部だったわけなので、それから最後の最後でここまでこれたのは本当に良かったと思います。

優勝おめでとうございます。

 

そして、4連覇のかかった筑波大学は準優勝という結果でした。

もちろん優勝を目指していたと思いますので、とても悔しい結果だと思います。

でも、春からスタメン2人が抜けたり、怪我人が出たり、代表合宿等でチーム力を上げるべき時期に上げきれなかったからなのかなと思いました。

やはりチームというのは1年かけて仕上げてくるものだと思うので、そういう意味では不運が重なったのかなと思います。

でもその中で決勝まで来たという事が本当に凄くて、特に準決勝の拓殖戦は今大会1番の激戦でしたし、あの試合を勝てたことは、意地以外の何物でもないと思います。

そして、決勝で大濠OBの葛原くんのチームと対戦するなんて、漫画としか考えられません。

こんなドラマッチックなことが現実世界で起こるなんて、やはりこのメンバーは「もっている」なと。

 

馬場くんの決勝戦後の「自分が決断した道。悔いてはいけない。けれども今だけ一瞬少しだけ」とツイートしました。

正直馬場くんが抜けたことは大きかったかもしれませんが、それを誰も言い訳にせず最後まで戦い抜きました。

これが結果的に馬場くんにとっても、杉浦くんや青木くん達にとっても、お互いを最大限に成長させることに繋がったと思います。

きっとあの時期の時点からで考えると、別々の道に進むことが最もお互いを成長させる形だったのかなと思います。一緒にいたよりも、間違いなく今の方がとてつもなく成長していると思います。

おそらくこの準優勝は「決勝での悔しさを糧にこの先ももっと成長してね」という神様からのプレゼントなんだと思います。

 

これからの次のステージでの活躍をより心待ちにしています。

4年間本当にお疲れさまでした。

最高の4年間でした。

ありがとうございました。