インカレ2017結果 〜2回戦まで〜はこちら
準決勝から現地で観戦できました。
○準決勝○
※大濠OBの4年生が出場した試合のみ
※スタッツは出場した大濠OBのみ
大東文化 79(24-11,26-14,21-19,8-26)70 白鴎大学
大東#0 葛原 33:09出場 7得点 7reb(スタメン)
準決勝の1試合目は大東vs白鴎。
大東は序盤からモッチ中心の攻撃で確実に得点を重ね、点差を広げていきます。
ガードの熊谷くんがゲームをよくコントロールしていて、白鴎の追い上げるタイミングをことごとく潰していきます。葛原くんも激しいディフェンスやリバウンドなどでチームに貢献していました。
モッチのオフェンスが手詰まりになったら、モッチに変わりビーくんが入ってきます。するとまた違ったチームになったかのような全員が動き回るチームになるのです。このように流れを変えながら相手に的を絞らせないのが、大東の強さだと思いました。
3Qまで確実に大東が点差を広げ、このまま勝負あったかと思いましたが、4Qに入るとあの男が目を覚まします。
白鴎のエースの野崎くんです。
野崎くんといえば、佐賀東高校時代に新人戦の九州大会の2回戦で杉浦くんや津山くんのいた大濠に勝利するという番狂わせを演じたチームのエースでした。大濠が九州大会の初日(1回戦・2回戦)で敗退したのは、後にも先にもこの大会しか知りません。それだけ衝撃的な敗戦でした。
そんな野崎くんの大爆発で、一時期約30点ほどあった点差が、ついに1桁となり会場は大盛り上がり。
しかし追いつくまでは至らず、最後はしっかりとゲームをコントロールした大東が決勝戦に進出しました。
拓殖大学 70(20-18,13-18,17-17,20-20)73 筑波大学
筑波#4 青木 35:04出場 5得点(スタメン)
筑波#11 増田 35:17出場 25得点 13reb(スタメン)
筑波#17 杉浦 36:22出場 19得点(スタメン)
筑波#88 牧 34:02出場 13得点 11reb 4ast(スタメン)
準決勝の2試合目は拓殖vs筑波になりました。
新人戦では筑波が圧倒的な強さで優勝しますが、その後馬場くんがBリーグに入り、代表活動でメンバーが揃わない事も多く、怪我人も出たりとリーグではなかなか勝ち切れず5位という結果になりました。
リーグで拓殖が優勝します。得点王や3Pになったドゥドゥと岡田の1年生コンビが注目されがちですが、このチームを支えていたのは4年の阿部くんだと思います。試合を見ると試合の流れ上、ここで1本ほしいという時は必ず阿部くんが繋いでいましたし、点の取り方は地味かもしれませんが、チームにはかなり効いていたと思います。
阿部くんがいなければこの成績がどうなっていたかわからないと思います。
さて試合は序盤からほとんど点差が離れない一進一退の展開でした。試合を通して5点差が付いている時間があったかなという印象です。それくらいずーっと接戦で、緊張感のあるゲームでした。
4Qの残り33秒で同点になります。ここで勝負を分けたのが、筑波の1年生の菅原くんでした。残り8秒でドライブのタフショットを決め、見事に筑波が勝利しました。
これで決勝戦は青木くん・杉浦くんの筑波vs葛原くんの大東という大濠BIG3の最後の直接対決になりました。
大濠の卒業式の日に大学に行って頑張ってほしいということと、大学4年のインカレの決勝で直接対決だね。と言っていたのですが、これが4年後に本当に現実になるとは。
ずっと想像はしてたことでしたが、実際に現実になると信じられないものですね。
とにかく最後の最後の舞台で最高の組み合わせになりました。
そして、この試合を現地で生で観れたことが本当に幸せなことでした。
○決勝○
筑波大学 68(19-20,19-22,19-18,11-27)87 大東文化
大東#0 葛原 28:24出場 9得点 6reb(スタメン)
筑波#4 青木 34:02出場 7得点(スタメン)
筑波#11 増田 31:51出場 16得点(スタメン)
筑波#17 杉浦 37:53出場 15得点(スタメン)
筑波#88 牧 26:58出場 11得点(スタメン)
決勝戦は筑波vs大東という大濠ファンにとってはこれ以上ない組み合わせとなりました。
両チーム合わせて5人の大濠OBがスタメンでした。
この5人は4年前のウインターカップの決勝戦に出た選手です。
ウインターカップの決勝戦で明成に敗れて、準優勝だった大会です。
あの悔しさを知っている選手が4年後全国大会の決勝戦で直接対決するって、やはり凄いことですね。
試合は序盤から大東はモッチの高さとゴール下の強さを活かして得点を重ね大東がペースを掴みますが、筑波は青木くんのスリーなどアウトサイドが決まりだし逆転します。
1Qは20-19で大東がリードで終了。
2Qに入っても大東はモッチや山岸くんなどのインサイドを中心に得点するも、筑波も牧くんや菅原くんのスリーなどアウトサイドが好調で5点差まで広げます。
ここでタイムアウトをとった大東は選手を変えてガードの熊谷くんや中村くんがしっかりコントロールをして、試合を落ち着かせ、再び流れは大東に傾きます。
2Qは42-38と大東が逆転して終了します。
3Qに入っても大東の流れは変わらず。筑波はディフェンスを変えて対抗しますが、変わりっぱなに事ごとくスリーを決められてしまいます。点差が二桁に広がり、筑波がタイムアウト。
しかしここから筑波は杉浦くんのスリーや増田くんのドライブインで5点ビハインドまで縮め、再度は杉浦くんのブザビスリーが決まり57-60と3点ビハインドまで追い上げて3Qを終了します。
4Qに入ると大東は熊谷くんがバスカンを決めて引き離そうとするも、筑波も負けじと牧くんがバスカンを決め返します。一進一退の白熱のゲームになりますが、残り7分のところで筑波は増田くんが4Fでベンチに下がります。
するとここで大東はこの試合で初めてディフェンスを変えてきます。ここで筑波はアジャストできず。リバウンドで上回る大東がセカンドチャンスを決めてジリジリと点差を広げていきます。
残り42秒で大東は葛原くんのバスカンで85-67の18点リード。ここで大東はこの日に何度も魂の籠ったリバウンドを見せた山岸くんやビーくん(共に4年生)がコートに入りますが、コートに入る時点ですでに涙。
ここで筑波のベンチでは吉田先生がベンチにいる4年生に話しかけていましたが、もうその時点で4年の子の目には涙がいっぱいで、おそらく吉田先生は「出れるか?」みたいな事を聞いていたのだと思います。
「出ます」と答えた筑波の4年生3人が交代でコートの中へ。変わりにコートを出る牧くんも涙涙。
これで筑波のメンバーは青木くん・杉浦くんを入れて全員が4年生になりました。
今まで喜びも苦しみも共に味わってきた4年生。
この大学バスケ界の最高の舞台であるインカレの決勝で、残り23秒を最後の最後を一緒にプレイします。
青木くんを中心にハドルを組みましたが、これで杉浦くんや青木くんの目からも涙が止まらなくなります。
それでも最期まで声を出し続ける青木くんはキャプテンとして本当に立派でした。
ボールを運ぶ青木くんにマッチアップするのは、高校時代3年間を共に過ごし、大学ではお互いを意識し合って切磋琢磨した葛原くんでした。最期に青木くんのスリーが入らず。87-68で大東文化大学がインカレを優勝しました。
やはり学生スポーツって最高だなぁと思いました。
学生スポーツはやっぱり最高学年。
コートに出ている全員が涙を流しながら、それでもあと1点を取ろうと必死になってプレイする姿には、心がはち切れそうになるくらい感動しました。
あの場面はこの先に忘れることはないと思います。
この大濠BIG3のインカレ決勝直接対決は、一生忘れないと思いますし、今後も永遠に語り続けられていくと思います。
そんな試合をこの目で見ることが出来て本当に幸せでした。
優勝した大東はガードの熊谷くんとセンターのモッチの安定感が他のチームとは群を抜いていたと思います。
モッチの支配力は元々イメージしていましたが、それ以上に熊谷くんの存在感が際立っていたなと思いました。
熊谷くんは前橋育英時代は点取り屋というイメージでしたが、大学ではその得点力を活かしつつ、見事に点の取れるガードに成長していて、かなりイメージが変わりました。
あとこの試合は途中から出てきた山岸くんの気迫のリバウンドが効いていて、モッチも含めたリバウンドの勝利でもあるのかなと思いました。
そしてキャプテンであり唯一のスタメンの4年生である葛原くんもチームのバランスを取り、泥臭いプレーでチームにはなくてはならない選手でした。
おそらくチームで1番替えのきかない選手だったのかなと思います。
高校の頃に葛原くんは、まだちょっとムラがあって良いときはいいけど、たまにミスもするという印象でしたが、大学に入って本当に安定感が増しましたよね。
直接数字に表れる選手ではなかったかもしれませんが、貢献度でいえばチームNO1だったのかなと思いますので、MVPの選出にも納得です。
これで去年の杉浦くんに続き大濠OBのインカレMVP獲得は2年連続です。
この場面にたどり着くまで、順風満帆だったわけではなく、とても険しい道だったと思います。
去年まで2部だったわけなので、それから最後の最後でここまでこれたのは本当に良かったと思います。
優勝おめでとうございます。
そして、4連覇のかかった筑波大学は準優勝という結果でした。
もちろん優勝を目指していたと思いますので、とても悔しい結果だと思います。
でも、春からスタメン2人が抜けたり、怪我人が出たり、代表合宿等でチーム力を上げるべき時期に上げきれなかったからなのかなと思いました。
やはりチームというのは1年かけて仕上げてくるものだと思うので、そういう意味では不運が重なったのかなと思います。
でもその中で決勝まで来たという事が本当に凄くて、特に準決勝の拓殖戦は今大会1番の激戦でしたし、あの試合を勝てたことは、意地以外の何物でもないと思います。
そして、決勝で大濠OBの葛原くんのチームと対戦するなんて、漫画としか考えられません。
こんなドラマッチックなことが現実世界で起こるなんて、やはりこのメンバーは「もっている」なと。
馬場くんの決勝戦後の「自分が決断した道。悔いてはいけない。けれども今だけ一瞬少しだけ」とツイートしました。
正直馬場くんが抜けたことは大きかったかもしれませんが、それを誰も言い訳にせず最後まで戦い抜きました。
これが結果的に馬場くんにとっても、杉浦くんや青木くん達にとっても、お互いを最大限に成長させることに繋がったと思います。
きっとあの時期の時点からで考えると、別々の道に進むことが最もお互いを成長させる形だったのかなと思います。一緒にいたよりも、間違いなく今の方がとてつもなく成長していると思います。
おそらくこの準優勝は「決勝での悔しさを糧にこの先ももっと成長してね」という神様からのプレゼントなんだと思います。
これからの次のステージでの活躍をより心待ちにしています。
4年間本当にお疲れさまでした。
最高の4年間でした。
ありがとうございました。