おれは マサキ。
地元じゃちょっと名の通ったおれ様は、毎週末、ここ『 Green★Fizz 』ってディスコで踊り明かす。
今夜もダチのカザマとフロアを沸かせて汗をかく。
「あ~、キモチいぃ~!」
フロアを見渡せるおれ様の特等席にどっかりと腰を下ろしてカザマとグラスを重ねると、いつものようにあの子が可愛いとかあの子がエロいとか言いながら眺めては下から投げられる熱い視線に軽く手を挙げたりして愉しむ。
「つうかさ、あの子達、ぜぇっ対アイバくんがドォ★イって言っても信じないよね。」
「バッ・・ッカ!おっ前、ソレゆぅなってマジでっ!!Shiiii!!」
・・・そーなの。
おれ。
すっげー モテるし、
すっげー チヤホヤされてんの、自覚あるんだよ。あるんだけどさ。
なんで??なんでだろ??
なんでかさ、ケーケンないの。
シたい気満々だし、今までいい感じの雰囲気になったことだって何回もあるんだって。
だけど、なんでかいつも、もうちょいってトコでオンナノコの方から尻込みしちゃって未だ未経験・・・、なんだよね。
絶対絶対、内緒にしたいおれ様のヒミツ。
「アイバくんさ、半径30センチに入っただけで妊娠しちゃうって噂あるらしいよ?」
ニヤニヤしながらカザマが言うけど、そんなこと言われてるからなんじゃないの?
「えいぎょーボウガイだよぉ~!誰だよそんなコトゆってんのぉ~」
丸いオシャレなテーブルに突っ伏して嘆くおれ。
「まぁまぁ!その時が来れば来るんだって!ね、そろそろ階下(した)行って踊ろ?かわい子ちゃんたちがディスコスターを待ってるよっ!ホラホラ、立って!ディスコスター様っ!」
カザマに促されてフロアに戻ると、ゴキゲンなサウンドに身を委ねる。
腰を振ればオンナノコ達が歓声をあげ、指を指せば両手を口元に当てて歓喜する。
そう、おれ様は『Green★Fizz』のディスコスター。