その日は東京で別件の会合があり、私は名古屋から離れていた。
白金高輪から待ち合わせ場所の新橋のホテルに向かっていた。
東京メトロ銀座線に、私は乗っていた。
車内はずいぶん混雑していたのでドア付近に立っていた。
なんとなく灰色の壁を見ながら、ぼーっとしていた。
虎ノ門から新橋のちょうど中間地点を走っているところだった。
iPhoneのバイブがポケットの中で震えた。
マネージャーからのメールだった。
「佐藤嘉洋を英雄伝説72kgの暫定王者と認定。
来週月曜日に中国側がリリースします。
我々が開示出来るのは月曜日の発表後でお願いします。」
【メールには王座獲得の認定証も添付されていた】
その瞬間、私はこみ上げるものを抑えることができなかった。
報われた。
報われた。
報われた!
試合が終わってから、私はなるべく人のためになるようなことを率先して行なってきた。
自分に運が回ってくることを願いながら。
これは偽善かもしれない。
なぜなら無償の施しではないからだ。
どこかで「超常的な何か」が作用して、自分に幸運が降ってくるように願っている自分がいた。
神様、頼む
と。
本当の「善」は見返りなど期待しないはずだ。
しかし、だから何だと言うのだ。
私は、自分が幸せであればそれでよい。
自分の幸せのために、他人に協力することが必要ならば、私はそれを全く厭わない。
何か人のために動いていると、「超常的な何か」が自分を助けてくれる「かもしれない」。
科学的な根拠は何もない。
100%の希望通りではないが、しかるべき結果が出て思ったことがある。
ひょっとしたらこの遠征記自体が写経だったのかもしれない、と。
ここで思いの丈のぶつけること、ここで表現すること、ここで祈ったこと。
文章にすることで自分の心を無にするというか、安定させていたというか……。
弱かったのだ。強くなればいい。
とかなんとか言える状況ではなかった。
今回の私は近年稀に見る強さだった。
正直リング上で敗北だと思ったときは本当にキツかった。
メンタルを振り切って感情が無くなってしまうほどだった。
だがしかし……やっと報われた。
努力がすべて報われるとは限らない。
でも努力をしていれば、報われる可能性は少しだけ高くなるんだ。
私は、英雄伝説の72kgの世界王者になりました(暫定だけど、それはまあいっか)。
これでキックボクシング世界4階級制覇を達成しました。
そして私は、これから中国という巨大市場において、男版「蒼井そら」を目指します。
【私は巨乳よりも美乳が好き】
偶然東京にいたこともあり、マネージャーと一緒だった私は
「どうします?
何か食いに行きます?」
と晩飯に誘った。
そして「じゃ、ダメもとで誘ってみよう」ということで、中国でお世話になった岩熊さん夫妻、隊長も誘い、みなが忙しい中駆けつけてくれた。
私はみんな一人ひとりと固い握手を交わし、六本木のイタリアンで祝杯をあげた。
岩熊さんは英雄伝説のジョーさんに対し交渉の場で、
「我々は10年以上の付き合いだ。
共に英雄伝説を作ってきた。
しかし、今回の対応いかんでは、非常に残念だが私はあなたとの縁を切ることになる」
と、ここまで言ってくれていたらしいのだ。
ビジネスだけでなく、互いの妻同士も仲良く付き合っている家族ぐるみの友人に対して、である。
また、
「一度出た結果は絶対に変わらない。
それが中国だ。」
と周りの中国人全員から言われていたそう。
が、そんなことは構わずに連日連夜交渉を続けてくれた。
岩熊さんは、
「佐藤くんや小森会長、浅田さん(マネージャー)には本当にご迷惑をおかけしました。
私は20年ほど中国とビジネスをしてきましたが、日中関係は今までで最悪の状態です。
しかし、こうやって中国側ができるだけの真摯な対応を見せ、佐藤くんをチャンピオンに認定したということは、
日本と中国のスポーツ史に残る記念すべき第一歩
になったと思います。
私も本当に嬉しいです」
【1試合で敗北と引分と勝利の全てを味わった一同。「小森会長とも祝杯をあげたい」とは岩熊さんの弁。会長、そうしましょう】
私の試合がようやく終わった。
いつもは3分3ラウンド、計9分で終わりなのに、今回は12日間という長い長い戦いだった。
ああ、生きてて良かったなあ。
自分のやっていることが、まったく正当に評価されないと人は絶望する。
しかし、それを覆すために身を削って動いてくれた人がいる。
真摯に受け止めて出来る限りの対応をしてくれた人がいる。
自分のためにここまでやってくれたこと自体が、幸せなこと以外の何者でもないと感じた日々だった。
本当にありがとうございました。
私はまたがんばれそうです。
そして、どのようなことがあったにせよ、私は中国に対してのイメージが変わった。
中国という国と日本という国の仲が悪いだけで、中国人と日本人の仲が悪いわけではない。
なにしろ中国の男はみんな「日本人の蒼井そら」が好きだ。
きっと「日本人の佐藤嘉洋」のことも好きになってくれるはずだ。
それに私は、何人かできた中国の友人をすでに好きになっている。
そして今度は「中国人のセクシー女優」のことを、中国の友人に教えてもらおう。
キックボクシングに国境ない
私は中国の地で、そう言い続けるだろう。
努力がすべて報われるとは限らない。
でも努力をしていれば、報われる可能性は少しだけ高くなるんだ。
【英雄伝説キャップを被った佐藤綜亮と世界4階級制覇した佐藤嘉洋】
明るく生こまい
佐藤嘉洋
2014年深セン遠征『英雄伝説』①
2014年深セン遠征『英雄伝説』⑫
2014年深セン遠征『英雄伝説』⑬
2014年深セン遠征『英雄伝説』⑭
2014年深セン遠征『英雄伝説』⑮
2014年深セン遠征『英雄伝説』エピローグ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
佐藤嘉洋の文章で何か感じてくれた人は
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