スコットランドに関する試験では

必ず出る問題なので

皆様にも覚えておいていただきたいのですが、

スコットランドの男性用民族衣装キルト

(タータン柄のスカート状の衣服)の下には

パンツなど着用しないのが正解です、いいですね。


以前そんなことを当ブログに書きましたとき

(過去の記事はこちら

思いのほか多くの皆様から

「いや、パンツははくだろう、常識的に考えて。

お前はスコットランド人に騙されているんだよ」

とのリアクションをいただいたのですが、

本当なんです、

下着の上からキルトを身に着けるなんて

そんな馬鹿な、ナンセンス!くらいの話らしいのです。


・・・こんなに寒い国なのに。


ある寒風吹きすさぶ冬の日

私はひとりのスコットランド人青年と

話をする機会がありました。

彼はその日お腹を壊しているというのに

根性でキルトを着用。

「・・・頼むからそのタータン柄スカートの下には

毛糸のパンツをはいていると言ってくれ」

「・・・馬鹿な、どれだけ体が弱っていても

キルトの下にパンツなんかはくわけがない!

僕はこれでもスコットランド男だ!」


殿方はちょっとくらい

強情なほうが可愛いものですが

彼は張るべき意地の方向を

少々見誤っているような気もします。


さて、キルトに関する試験で

日本の皆様の誤答が多くて有名なのが

「キルトはスコットランドの民族衣装であり

けっしてイングランドの民族衣装ではない」、

この、英国では六歳児でも知っている常識です。


わが同胞よ、あれはスコットランドの誇りなの!

いわばスコットランド男の専売特許、

イングランド男が喜んで着るものではないのよ!


ゆえにわが夫(イングランド出身)は

キルトを着たことがありません。

「僕のご先祖にはイタリア人とか

フランス人はいたらしいんだけど、

スコットランド人はいないんだよね」


おや、しかしちょっと待って、

私は英国王室の殿方たちが

キルトを着ている写真を観たことがあるぞ。

あれはいったいどういうことだ?

「だって王室一家には

スコットランドの血が流れているんだもん。

エリザベス女王のご母堂が

スコットランド出身なんだよ」

ほほう、そういうことだったんですか。


スコットランドに住んでいるというのに

夫のキルト姿が見られないというのは

ちょっと残念な気もするのですが

そういうことなら仕方がない。

あれでしょ?

出身地に対する忠誠みたいなもんが

多少からんでくるんでしょ?

わかるよ、貴方は

誇り高きイングランド人だものね!


・・・とか自分を納得させておりましたら

先日夫の友人のイングランド人男性が

キルト・デビューを果たしたことが明らかに。

彼はスコットランド人女性と結婚していて

その彼女の兄、つまり彼にとっての義兄が

このたび結婚することになり

披露宴における男性出席者の

ドレスコードがキルト限定だったのだそうです。


「君・・・自分の結婚式では

モーニングで通していたのに・・・」

「いやね・・・

だって妻が着ろ着ろって言うんだもん」


ちなみにキルト、

ものすごく着付けが難しかったらしいです。

「どの留め金がどこに来るべきかとか

全然わからなかった。

靴下の飾りとか靴紐の通し方とかさ、

妻の協力なしには着られなかったね」

「で、着てみた感想は」

「それがさ、びっくりするくらい着心地がいいの!

実は今、自分専用のキルトを

購入しちゃおうかなとか考えているところです」


配偶者がスコットランド出身だと

そういう宗旨替えが許されるわけですね。

うらやましい話だ!


「ついでにお尋ねしますが、

当日キルトの下にパンツははいていましたか?」

「いや、はかないのが正式っていうのは

重々承知はしていたけれど、

今回ははかせていただきました。

だって貸衣装だったんだもの!」


・・・あー、なるほど、

確かに貸衣装でノーパンってのは

ちょっときついですよね・・・


写真を見せてもらいましたが、

キルト姿の彼は

なかなか立派な風采をしておりました。



お願いします


↑キルト男の話をするたびに

「だから彼らはノーパンだ!」と力説している

自分自身の姿を客観的に眺めると

かなり痛々しいものがあるのですが・・・


祖国の皆様に真実をお伝えするためにも

わが身は犠牲にする所存、

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