PS4のグラフィック・アーキテクチャはPCゲームにも変革をもたらす | みらいマニアックス !

PS4のグラフィック・アーキテクチャはPCゲームにも変革をもたらす

GDDR5がグラフィックスカードで使用されているのは、高速だからだ。今日、ハイエンドGPUがDDR3を使用したならば性能不足になるだろう。PS4はGDDR5/8GBのRAMを持ち、これは印象的であり、GPUと共有されている。

RAMの共有はPS4のようなアーキテクチャでは問題ではなく、利点となる。これはCPUとGPUが断片的にメモリにアクセスしていたPS2やXBox時代におけるRAMの共有と同じではない。PS4の8GBは、両方のプロセッサから完全にアクセス可能だ。このことは、PCにおけるRAMとVRAM間のトラフィックを必要とするすべて、様々なリソースの重複が、PS4では全く必要となくなったことを意味している。

たとえば、PCでテクスチャをストリーミングすることを考えてみよう。まずVRAMのメモリが「ロック解除」される。これは同じだけのメモリ領域がRAM内に作成されることを意味している。

次いでテクスチャデータがHDDから読み出されRAMにコピーされる。その後テクスチャは「ロック」され、RAM上のテクスチャがPCIeバス経由でVRAMにコピーされる。これはPCの最も大きなボトルネックだが、PS4では完全に無くされている。データは共有メモリへ、HDDから直接かあるいはディスクからストリーミングされる。

あるいはPCゲームで破壊可能な環境を作りたいと考えてみよう。その場合、ひどく速いとは言えないCPU上で物理演算を実行し、それからグラフィックスメモリのジオメトリ・バッファを更新する必要がある。あるいは​​GPUで物理演算をすべて実行し、直接そこでジオメトリを変更することもできるが、そうするとAIがそれを使用できるようにRAM上にそのデータを引き出す方法を考えなくてはならない。

いずれにせよ、VRAMとRAMの両方のジオメトリを管理することになる。一本のPCIeバスを介して、常に両方のコピーを更新するわけだ。繰り返しになりるが、これは大きなボトルネックだ。

PS4ではジオメトリは1つだけであり、それは超高速のGDDR5メモリにおかれ、GPUとCPUの両方からアクセスされる。このためどちらのプロセッサも物理演算を実行することができる。これは処理させやすいほうにさせればよく、同じ1つのジオメトリに対して、GPUがグラフィックを処理しCPUがAIを処理することができる。

一部の人々は、CPUコアがおそらくAMDのジャガーをベースにしているためにそれほど高性能ではなく、1.6~1.8GHzという遅いクロック速度で動作すると主張している。それがどの程度のものなのかはそのうちに明らかになるだろう。

だがここでの要点は、CPUは本当に高性能でなければならないわけではないということだ。PS4のCPUはロジックを実行するためだけに存在する。AMDのアーキテクチャはこの目的のためであっても最高とは言えないが、間違いなく十分ではある。 PS4の全体を通じた特徴は、CPUとGPUが同じダイの上にあってメモ​​リを共有しているという事実から来ている。そしてAMDについては様々な評判があるとはいえ、彼らはこの種のデザインにおいて最も経験が豊富なのだ。

Unreal engineとHavokは、PS4のアーキテクチャにおいて物理演算処理を既にGPUに移している。PS4では非常に素晴らしい作品が登場することだだろう。

PS4は今後少なくとも2年は、PC市場に対して競争力をもつだろう。そして、PC市場ではこの種のパラダイムシフトが起こらなかったとしても、驚くことはない。GPUソケットを備え高速なRAMをサポートしたマザーボードを誰かがそのうちに製造するのでなければ、PC市場に少々失望する人もでてくるに違いない。


NS: Society and Religion  PS4 graphical monstrosity will help PC market