見舞金目当ての出走 | 馬体診断のプロ / 元・大山ヒルズ厩舎長の【極!一口馬主】

馬体診断のプロ / 元・大山ヒルズ厩舎長の【極!一口馬主】

一口馬主になる時、避けて通れないのが馬体の見方。
G1馬を多数手がけた経験を生かして、私なりのチェックポイントをお伝えしたいと思います。

栗東近くの育成牧場で働いていた時、こんなことがありました。

休養中のある馬が、やっと乗り出せるまでに回復してきました。これから乗り込んで状態を上向かせようという段に、いきなり入厩させたいと調教師から言われたのです。
当然、反対しました。今のままではまだレースに使える状態ではないこと、無理に使えば故障してもおかしくないこと、を伝えたのですが聞き入れられませんでした。

なぜなら調教師も、そんなことは分かっていたからです。真の目的は、見舞金をもらって、その馬を引退させることだったのです。それ以前、オーナーブリーダーで働いていた時は、すべての馬がその実力を出せるようにすることが常でした。その考えからすると、到底納得できる話ではありません。しかし、経済動物であるサラブレッドには、厳しい現実が待っていました。

みなさんの愛馬が、馬生を全うできることをお祈りします。



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