ことばを育てるには?(1) | 我が子の発達が気になる親御さんを支えたい 〜臨床発達心理士のつぶやき

我が子の発達が気になる親御さんを支えたい 〜臨床発達心理士のつぶやき

我が子の発達がちょっと気になる。でも、相談に行くのはなんだか怖い…。そんな方が安心して子育てできるようにと願いを込めてブログを書いています。

 
こんにちは、まるです  


私は保健センターで乳幼児健診時の心理相談も担当しています。

一歳半健診を迎えるにあたって、
ママ達が気にしていることのダントツ一位は、「言葉」です。

「言葉がまだ出ていない・・・」
「言葉が増えない・・・」

とても不安で相談に来るママも、
そのうち出てくるかな~とゆったり待っているママも、
本当は心配だけど怖くて相談できないママも。


全ての方に、私が伝えたいのは、次のことです。


「大事なのは、『ことばが出る』 ことではないのですよ



私は一歳半健診で相談に乗るとき、
言葉が出ているかどうかはあまり気にしていません。

では、何を見ているかというと、
言葉の土台となる部分がどれぐらい育っているかな?
ということです


言葉が出てくるための土台として大事なことは、
「人に何かを伝えたいという気持ち」です。

そして、その伝えたい気持ちの土台になるのは、
「人と関わりたいという気持ち」です


それを、おうちに例えてイメージするとこのようになります。
 

   
 
  

言葉は、人と関わりたい・伝えたいという気持ちでできたおうちの上に、
ちょこんと乗っかった屋根のようなものなのです

大切なのは、屋根があるかどうかではなく、
これから屋根を乗せるためのおうちの部分が
しっかりと建てられているかどうかです。


屋根はまだないけど、2階部分を建てている途中のおうち。
屋根まで完成したけど、1階も2階もまだちょっと弱くて補強が必要なおうち。
1階部分をじっくりと堅実に建てようとしているおうち。

みんなそれぞれ違ったペースで違ったおうちを建てていきます。


お子さんが一生懸命おうちを建てようとしているところを、
「見守る」 というさりげない応援ももちろんありです

でも、できることなら一緒に手伝ってあげませんか?

工事が手間取っているところがあれば手伝い、
弱い部分は補強してあげて、
一緒に立派なおうちを作り上げましょう 


これから数日間にわたって、
どうやって「ことばのおうち」を建てていくか、シリーズで書いていきたいと思います。

このテーマはとても壮大なので長くなりそうですが、
ご興味のある方はどうぞお付き合いいただければと思います