体操っておもしろいよな

体操っておもしろいよな

男子体操競技をメインにしているブログです。
今昔そしてワールドワイドに体操を紹介していきます。
少しでも体操に興味を持ってくれれば幸いです。

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どうも、翔です。

 

体操って、おもしろいですよね。

 

 

今回はスイスのオールラウンダー、エディ・ユソフのゆかを紹介します。

 

すみません。また十字倒立の話になります。

 

別に僕が特別十字倒立が好きというわけではないので許してください。

 

十字倒立というのは上に載せてる画像のように手を左右に広げている倒立のことですね。

 

 

ゆかの十字倒立には様々な持ち込み方があります。

 

倒立から手をずらす 立位から力倒立 後転からの十字倒立

 

 

これら3つの動きは一括りにされており、【B難度で扱われます。

 

立位から持ち込む形以外はあまり見ない持ち込み方なので参考映像もなかなか見つかりません。

 

 

後転十字倒立はなんとか見つけました。

 

 

 

そして今最もメジャーな持ち込み方が開脚座から力十字倒立

 

 

 

 

 

そして前回の記事で紹介した正面支持から力十字倒立

 

難度表には載っていませんが、実施例があり価値点が認められました。

 

 

 

そして、これらに加えて、2018年に十字倒立を使った新技が発表されました。

 

その名もリエク

 

オーストラリアのジャック・リエク選手が発表した新技で、

 

「前転開脚浮腰支持経過十字倒立」という【C難度】の技です。

 

どんな技なのか、まずは図で見てみましょう。

 

わかりますか?

 

似たような動きで前転開脚浮腰倒立【B】前転閉脚浮腰倒立【C】という技があります。

 

 

前転開脚浮腰倒立【B】

 

 

前転閉脚浮腰倒立【C】

 

 

 

この動きを十字倒立に応用させたのがリエクという技です。

 

その技をスイスのオールラウンダー、エディ・ユソフが演技に取り入れています。

 

後半に十字倒立を2本連続でやっていますが、そのひとつ目の技がそれです。

 

 

 

①前方抱え込み2回宙返りひねり【E】

②後方抱え込み2回宙返り2回ひねり【E】

③前方伸身宙返り2回ひねり【D】+④前方伸身宙返りひねり【B】+0.1・・・※1

⑤後方伸身宙返り1回半ひねり【C】+⑥前方伸身宙返り1回ひねり【C】

⑦リエク(前転開脚浮腰支持経過十字倒立)【C】

⑧開脚座から伸腕伸身力十字倒立【C】

⑨後方伸身宙返り2回ひねり【C】

⑩後方抱え込み2回宙返り1回ひねり【D】

 

Dスコア:5.6

 

※1:〔D難度以上の宙返り技〕と〔B難度もしくはC難度の宙返り技〕の連続技は0.1の加点

 

 

この技は2017年にもオーストリアのセヴェリン・クランツミュラー選手が新技申請していましたが、実施に失敗したため、名前がつかなかった技です。

 

 

先にも挙げたように、2017-2020ルールでは十字倒立でC難度が得られるのは、開脚座からの力十字倒立のみでした。

 

このリエクという技が誕生したことによって、十字倒立でC難度を2つ稼ぐことが可能になりました。

 

このユソフの演技はそれが可能になったことを示してくれているいい例になりますね。

 

 

 

 

 

ちなみに十字倒立の動画を探していたらこんな動画を見つけました。

 

 

ねー。

 

 

どうも、翔です。
 
 
2018年世界選手権では種目別つり輪で銅メダル
 
2019年世界選手権では種目別つり輪で銀メダルを獲得した
 
つり輪のスペシャリスト、イタリアのマルコ・ロダディオです。
 
つり輪の選手がやるゆかっていうのは何とも味わい深いものがありますが、
 
マルコのゆかでちょっと気になったことがあったので紹介します。
 

 

 

①前方屈身2回宙返り(E)
②前方抱え込み2回宙返りひねり(E)
③前方伸身宙返り2回ひねり(D)
④前方伸身宙返りひねり(B)+0.1
⑤後方伸身宙返り2回ひねり(C)
⑥後方伸身宙返り2回半ひねり(D)
⑦前方伸身宙返り1回ひねり(C)+0.1
⑧フェドルチェンコ(C)
⑨前方支持臥から伸腕屈身力十字倒立(C)
⑩後方伸身宙返り3回ひねり(D)
 
Dスコア:5.8

さすが脚の強い選手ですね。
 
ダブル系でも高さが出ていて着地もよくまとまっています。
 

さて、僕が気になったのは⑨の十字倒立です。
 

リオ五輪が終わった後のルール改正によって、ゆかの十字倒立についても処置が施されました。
 
立位からの十字倒立は難度が格下げされてB難度に、開脚座から十字倒立持ち上げることでC難度が獲得できるというものでした。
 
しかし、この動画のマルコの場合はどうでしょうか。
 
正面支持の姿勢から十字倒立に持ち込んでいます。
 
リオ以前も滅多に見なかった持ち込み方ですが、リオ後の試合でやってる選手は初めて見ました。
 
これは開脚座からの持ち込みではないのですが、どうやらC難度で認定されているようです。
 
もしかしたらどこかに記載があったのかもしれませんが、
 
これは新発見でした。
 
 
どうも、翔です。



2019年シュツットガルト世界選手権では、ロシアが団体総合で悲願の金メダルを獲得しました。

その主力として挙げられるのが、ニキータ・ナゴルニーとアルトゥール・ダラロヤンの2人。

ダラロヤンは2018年の個人総合世界チャンピオン。

ナゴルニーは翌2019年の個人総合世界チャンピオン。

今の体操界を牽引する2人と言ってもいいでしょう。


そんな2人ですが、

今回はそれぞれのつり輪の演技に注目してみます。


実はこの2人、2019年世界選手権時点でつり輪の演技構成がまったく同じなんです。

2019年シュツットガルト世界選手権の団体総合の2人のつり輪の演技を見てみましょう。

《ニキータ・ナゴルニー》


①後転中水平(F)
②後方け上がり中水平(E)
③ナカヤマ(D)
④ジョナサン(D)
⑤ヤマワキ(C)
⑥ホンマ十字(D)
⑦後ろ振り上がり開脚上水平支持(C)
⑧翻転倒立(C)
⑨後ろ振り倒立(C)
⑩後方抱え込み2回宙返り2回ひねり(E)

Dスコア6.0

《アルトゥール・ダラロヤン》


①後転中水平(F)
②後方け上がり中水平(E)
③ナカヤマ(D)
④ジョナサン(D)
⑤ヤマワキ(C)
⑥ホンマ十字(D)
⑦後ろ振り上がり開脚上水平支持(C)
⑧翻転倒立(C)
⑨後ろ振り倒立(C)
⑩後方抱え込み2回宙返り2回ひねり(E)

Dスコア6.0


サムネまで一緒ですね


この時の2人の得点は、
ナゴルニー…D:6.000 E:8.533 Total:14.533
ダラロヤン…D:6.000 E:8.666 Total:14.666

では同大会の個人総合のつり輪ではどうでしょうか
ナゴルニー…D:6.000 E:8.633 Total:14.633
ダラロヤン…D:6.000 E:8.433 Total:14.433

さらに予選はどうでしょうか。
ナゴルニー…D:6.000 E:8.400 Total:14.400
ダラロヤン…D:6.000 E:8.133 Total:14.133

この3つの得点を見ると、
同じ演技構成を持っていてもナゴルニーの方が安定しているように思えます。


それも当然といえば当然。
ナゴルニーは2017年からこの演技構成1本で戦い続けているのに対し、
ダラロヤンがこの演技構成になったのは2019年に入ってからなんですね。

ダラロヤンのつり輪は、
2018年には終末技が伸身ムーンサルトだったり、
2017年はホンマ十字をまだ取り入れていなかったりと、
年々アップデートしているような構成なんですよね。

ダラロヤンがつり輪でアップデートを重ねていくうちにナゴルニーの演技構成とたまたま同じになったのか、
もしくはそもそもナゴルニーの演技構成を目指していたのかはわかりません。

2017年の演技を見てみると、終末技に伸身新月面(F)を実施していることが確認できるので、
来年さらにアップデートするのかもしれませんね。

《ダラロヤン2017年のつり輪の演技》



どうも、
翔です。
 

2019年シュツットガルト世界選手権が終了しました。
今大会も胸が熱くなる展開が多く、大変楽しませてもらいました。
そんな熱かった大会を振り返るとともに、各国のユニフォームに焦点を当てて
世界の猛者たちを見てみようと思います。
そういうわけで今大会で各国選手が着用しているユニフォームをまとめました。

FIGのフォトギャラリー、インスタグラムやツイッターなどからかき集めました。
見つからないものも数ヶ国ありましたがご了承ください。
画像をすべて載せてしまうと西野カナくらい激重になってしまうのでリンクを貼っています。
暇つぶしにでもどうぞ。

 

 

●・・・男子

★・・・女子

 

【アルバニア】ALB
男子

 

【アルジェリア】ALG
男子
女子

 

【アルゼンチン】ARG
男子1
男子2
女子

 

【アルメニア】ARM
女子

 

【オーストラリア】AUS
男子1

男子2
女子1
女子2

 

【オーストリア】AUT
男子1
女子1

女子2


【アゼルバイジャン】AZE

男子

 

【ベルギー】BEL
男子
女子1
女子2

女子3

女子4

 

【ベラルーシ】BLR
男子
女子

 

【ボリビア】BOL

女子1

女子2

 

【ブラジル】BRA
男子1
男子2

男子3
女子1
女子2

女子3

 

【ブルガリア】BUL
男子

 

【カナダ】CAN
男子1
男子2
女子1
女子2
女子3

女子4

★★女子5,6

女子7

 

【ケイマン諸島】CAY
女子

 

【チリ】CHI
男子
女子1
女子2

 

【中国】CHN
男子
女子1

女子2

女子3

女子4

 

【コロンビア】COL
男子
女子

 

【コスタリカ】CRC
女子

 

【クロアチア】CRO
男子
女子

 

【キューバ】CUB
男子1
男子2

 

【キプロス】CYP
男子

 

【チェコ】CZE
男子
女子

 

【デンマーク】DEN
女子

 

【ドミニカ共和国】DOM
男子
女子

 

【エクアドル】ECU
女子

 

【エジプト】EGY
男子

女子

 

【エルサルバドル】ESA
女子

 

【スペイン】ESP
男子1
女子1
女子2

女子3

 

【フィンランド】FIN
男子1
男子2
女子1

 

【フランス】FRA
男子1

男子2

男子3
女子1
女子2

女子3

 

【イギリス】GBR

男子1

男子2

男子3
女子1
女子2

女子3

女子4

 

【ジョージア】GEO
男子
女子

 

【ドイツ】GER
男子
女子1
女子2

女子3

女子4

 

【ギリシャ】GRE
男子
女子

 

【グアテマラ】GUA

男子

 

【香港】HKG
男子1

男子2

男子3

 

【ハンガリー】HUN
男子
女子

 

【インドネシア】INA
女子

 

【インド】IND
女子

 

【イラン】IRI

 

【アイルランド】IRL
男子
女子

 

【アイスランド】ISL
男子
女子

 

【イスラエル】ISR
男子1

男子123

女子

 

【イタリア】ITA

男子
女子1
女子2

女子3

女子4

 

【ジャマイカ】JAM
男子
女子1
女子2

 

【ヨルダン】JOR

 

【日本】JPN
●★男子&女子

女子2

 

【カザフスタン】KAZ
男子1

男子2

 

【韓国】KOR
男子
女子

 

【クウェート】KUW
男子

 

【ラトビア】LAT
男子
女子

 

【リトアニア】LTU
男子
女子

 

【ルクセンブルク】LUX

女子

 

【マルタ】MAR
男子

 

【マレーシア】MAS
男子
女子1

女子2

 

【メキシコ】MEX
男子
女子

 

【モンゴル】MGL
男子

 

【モナコ】MON

男子

 

【オランダ】NED
男子
女子1
女子2

女子3

女子4

 

【ナイジェリア】NGR
男子

 

【ノルウェー】NOR
男子
女子

 

【ニュージーランド】NZL
男子
女子

 

【パナマ】PAN

 

【ペルー】PER
男子
女子

 

【フィリピン】PHI
男子1

男子2

 

【ポーランド】POL
男子
女子

 

【ポルトガル】POR
男子
女子

 

【北朝鮮】PRK
男子
女子

 

【プエルトリコ】PUR
男子
女子1
女子2

 

【カタール】QAT
男子

 

【ルーマニア】ROU
男子
女子

 

【南アフリカ】RSA
女子

 

【ロシア】RUS
男子1
男子2

男子3

男子4

男子5

女子1

女子2

女子3

女子4

女子5

女子6

女子7

 

【シンガポール】SGP

 

【スロベニア】SLO
男子
女子

 

【セルビア】SRB
男子
女子

 

【スリランカ】SRI
女子

 

【スイス】SUI
男子
女子1
女子2

女子3

 

【スロバキア】SVK

男子
女子1
女子2

 

【スウェーデン】SWE
男子
女子

 

【シリア】SYR
男子

 

【タイ】THA
男子

 

【台湾】TPE
男子1

男子2

男子3
女子

 

【トリニダード・トバゴ】TTO
男子

 

【チュニジア】TUN

 

【トルコ】TUR
男子1

男子2

男子3

男子4
女子

 

【ウクライナ】UKR
男子1
男子2

男子3

男子4

男子5
女子

女子2

 

【ウルグアイ】URU
男子

 

【アメリカ】USA
男子1
男子2

男子3

男子4

女子1
女子2

女子3

女子4

女子5

女子6

 

【ウズベキスタン】UZB
男子

女子

 

【ベネズエラ】VEN

 

【ベトナム】VIE
男子1

男子2

 

どうも、
 
翔です。
 
 
ウクライナのペトロ・パフニュク選手
 
もともとウクライナの選手でしたが、2014年からはアゼルバイジャンに移籍、リオ五輪を経て、2017年から再びウクライナに移籍、現在はウクライナ国籍です。
 
そんなパフニュク は、ワールドカップなどでは常連の選手。
 
ゆか、あん馬、平行棒と複数種目で決勝に進む実力者です。
 
その中でも特に得意とするのが平行棒
 
今年2019年のヨーロッパ選手権では種目別平行棒で銀メダルも獲っています。
 
そんなパフニュク も、得意な平行棒をさらに伸ばそうと試みています。
 
その試みとして取り組んでいるのが【バウマン】という技。
 

2017年に発表され、スイスクリスチャン・バウマンの名前がついた【F難度】の技です。
 
どんな技かというと、【懸垂前振り片腕支持3/4ひねり単棒倒立経過、軸手を換えて3/4ひねり支持】です。
 
 
わかりませんね。
 
 
要は「車輪マクーツ」という技なのですが、
 
まずマクーツという技を見てみましょうか。
 
マクーツ前振り片腕支持3/4ひねり単棒倒立経過、軸手を換えて片腕支持3/4ひねり支持という【E難度】の技です。
 
 
このマクーツを色々な入り方と組み合わせる技というのがいくつか存在します。
 
単純なマクーツはご覧の通り、倒立から振り下ろして行いますが、
 
 
これを腕支持から行うと【G難度】ツォラキディス(前振り上がり(腕支持から)片腕支持3/4ひねり単棒横向き倒立経過、軸手を換えて後ろ振り片腕支持3/4ひねり支持
 
 
 
逆懸垂から行っても同じく【G難度】ヤマムロ(棒下宙返り3/4ひねり単棒倒立経過、軸手を換えて3/4ひねり支持
 
 
 
そして懸垂から行うと【F難度】「バウマン(懸垂前振り片腕支持3/4ひねり単棒倒立経過、軸手を換えて3/4ひねり支持)」になるのです。
 
バウマン【F】が発表されてから実際に演技構成に取り入れる選手はほとんどいません。
 
【F難度】という価値点の高さのメリットに比べて、
 
車輪の動きから片腕支持へ、さらに中向き単棒倒立の形に収める必要があるという難しさと姿勢欠点、また大過失へのリスクが大きいのでしょう。
 
よほど熟練した選手でないと使いこなすのは難しそうです。
 
車輪、ディアミドフ、ヒーリー、車輪ディアミドフ、マクーツ・・・
 
これらの要素が組み合わさった複雑な技なので、スペシャリストでないと習得は難しそうです。
 
それをパフニュク は美しく、スマートに決めてみせます。
 
マクーツもやってるよ。

 

 

①バウマン(懸垂前振り片腕支持3/4ひねり単棒倒立経過、軸手を換えて3/4ひねり支持)【F】
②マクーツ(前振り片腕支持3/4ひねり単棒倒立経過、軸手を換えて片腕支持3/4ひねり支持)【E】
③棒下宙返りひねり倒立【E】
④後方車輪倒立【C】
⑤棒下宙返り倒立【D】
⑥ホンマ(後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持)【D】
⑦前方開脚5/4宙返り腕支持【D】
⑧ヒーリー(後ろ振り倒立経過1回ひねり支持)【D】
⑨ビロゼルチェフ(前振り1/4ひねり単棒横向き倒立)【D】
⑩前方抱え込み2回宙返りひねり【F】

 

Dスコア:6.5

 

 

リオ五輪の平行棒チャンピオン、オレグ・ベルニャエフ もかつてはこの技を実施していましたが、現在はまったくやらなくなりました。
 
本家本元であるバウマン も、この技を発表してからは一度も実施しているところを見たことがありません。
 

しかし、日本国内では2017年以前からバウマン(=車輪マクーツ)の構想は出来上がっており、大会で実施する選手もいたのは確かです。
 
国際試合で初めて実施したのがバウマン だったため、名前がバウマンになったということですね。
 
国内の現役トップ選手だとコナミの横山聖 選手が実施するので、ぜひ今後注目してみてください。