宮原奨伍オフィシャルブログ「叩けば誇りの出る身体」Powered by Ameba -2ページ目

大人の麦茶ラストオーダーのこと


劇団とは
なんだろう

2024年
4月10日~21日
下北沢ザ・スズナリにて
ラストオーダー
という名の
活動休止前最後の公演を終えて
ちょうど一週間

僕が演劇に触れた頃は
どこかの劇団に入って経験を積む
という形は
ひとつの役者の道を志すものとして
大きく存在していたように思う

2008年にオトムギこと大人の麦茶
という劇団に出逢い
そこからすべての本公演に出演
(ネムレナイトを除く)
し続けて
2011年11月3日に
劇団員となったわけで
2024年までの13年と5ヶ月
経ったのが今であります

ネムレナイトを除く
というのがまた不思議です
後からお聞きしたお話ですが
僕が初めて出演したのは14杯めの公演
『美女木ジャンクション』
その次が
『ネムレナイト』
だったのだけれど、ボンタロウを宮原くんに
というお話もあったそう
結局はその時は出演せず
お手伝いをしました

その
『ネムレナイト』をラストオーダーで
やることになろうとは

しかも
二転三転したキャスティングの中で
最終的には、ボンタロウを奨伍に
というご縁

あれ、スタスタ坊主をやってましたがな
となるわけですが…

つづきの前に
写真を一枚
オトムギの季節は
ザ・スズナリに賑やかな幟が立ちます
これがとっても誇らしく好きでした

ここで
なぞかけを

大人の麦茶とかけまして
朝の小田急線とときます
そのこころは
どちらもノボリが賑やかでしょう

(ごーちゃんこと俊吾くん作)





大人の麦茶
名前にちなんで
大組、人組、の組、麦組、茶組
という五種類の組み合わせがありました

今回
大人の麦茶の劇団員は
全員ダブルキャストでお送りした公演
大盛況の裏には
この事ももしかしたら起因しているのかも
そうならばたいへん嬉しい

大組の集合



麦組の集合


本当に本当に
奇跡的なキャスティングだなぁ…
夢みたい


さて
話は戻りまして
演劇をこれまで続けてきた中で
僕は目に見えないものの力を
なんだか導かれているような感覚を
信じ続けられていて

演劇を通して仲が深くなった方の死
というものが
今回の宮坂悦生をやるに至った理由だったりします

毎月行く墓参りも一年を過ぎた今年
いつものように
お墓の掃除をしていたら
悦生
という墓石に刻まれた文字が飛び込んできまして
これまでも見ていたんでしょうが
飛び込んでくることもなく、覚えてもおらず
だったので驚きました

そして、その頃
難航していたキャスティングもあり
導かれるように
泰造さんに
僕が宮坂悦生をやるというのはどうですか
とお伝えしてみました

え?
それ、新しい

って言ってくれたのを覚えてます

本当にこの役を出来たこと誇りに思っております

我が人生で
髪の毛を剃髪したのは初めて
えもいわれぬ氣持ちの良い体験でしたし
日々心が清まっていくような
そんな感覚もあったり


これは
生演奏の瑤祠が
本番中に撮ってくれていた舞台の奥からの一枚
妹の椿を亡霊どもから護るシーン
見えている手は
椿を演じる浅田光さん



もう、今回で大人の麦茶は八杯目
という劇団員のように
いつも献身的で芝居に情熱を燃やし
意識高く稽古場を今回いつにも増して引っ張ってくれた
オトムギの一時代を共にした戦友であり
同志
僕がリクエストして
スズナリの客席を背に撮ってもらいました

ありがとう




下の写真は
ご贔屓の方からの
手作りのお赤飯
本当に美味しく座組の皆さんへと
コロナがあけて
久々にこしらえて来てくださり
本当に嬉しく氣があがりましたっ

稔さんが楽屋で言った言葉が沁みました

こうして手間をかけて作ってくれたものは
あったかいし本当に沁みるよな
有難い

その通りです

赤飯といえば
序盤でお赤飯を悦生が運んでくるシーンで使っていた
小道具のお赤飯
これはもう何年来になるだろう
朝劇下北沢からのご縁で
すべせんにぃ~会のオリジナルgoodsも
創ってくれた
ピッコポッコさんが
食品サンプルなどを手掛けてもいたりするのを
思い出しお願いしたところ
快諾さてくださったという温かいお話もあったり

あ、5/26(日)に
朝劇下北沢が!!!
明日、御予約開始に!!
まぁ、それは置いておきまして




兎に角
毎日が幸せと思い遣りに満ち溢れていた
劇場での時間でした



前説のことを少し書いてみようと

僕は記憶が定かであれば
オトムギがこのザ・スズナリに進出した年から
前説をやらせて頂き始め
毎年この季節には
お客様を劇場内でお出迎えし
開場から開演までの間
前説として
板の上に立たせて頂いてきました

本当に有難いことです

前説が必要か否か
賛否あるとおもいます
考えてみれば
劇団の公演には前説があることがあるけど
それ以外はあまりなかったり
場内アナウンス程度でとどめていたり
ですが

初めて劇場にいらっしゃる方にも
まだあまり慣れていない方にも
良く劇場にいらっしゃる方にも
どんな方にも
出来るだけ分かりやすく
氣持ちよく安心して観劇をしてもらいたい
少しでも心を和らげて頂きたい
その一心で
やってきたように思います

いつだったか
瑤祠が、なぞかけとか、やればいいじゃん
と言ってくれて一緒に考えてくれたのも
嬉しかったなぁ

ここでひとつ

大人の麦茶とかけまして
笑っていいともとときます
そのこころは
どちらもショウゴで始まります
(瑤祠作)




坊主withなぞかけ


大学生時代に憧れだった劇場で
毎年前説を出来る幸せも
改めて噛み締めることができました

もう書きたいことたちが山ほど頭を駆け巡っております
色んな機会に
またお目にかかりお話させて頂げけますよう





大千穐楽のカーテンコール
鳴り止まなかった拍手
僕は右から二番目
もう着替えてきちゃってます
凄い拍手だった
本当に
柳のように
頭があがりません

左から
心意気男の魂 杉本凌士さん
たおやかな男らしさ 髙﨑俊吾さん
愛すべき演劇の人 浅田光さん
強き信念の人 山岸理子さん
誰からも愛される主役 奥谷知弘さん
辻久三
塩田泰造
池田稔
並木秀介
岩田有弘
宮原奨伍
透明ピュアで男前な人 山村絋未さん
石澤瑤祠
客席に 輝くドングリ眼 菊地賢太

集まってくださった皆さんに心からの感謝と
共に出来たことの喜びをここに



劇団員
左から

並木秀介
池田稔
辻久三
塩田泰造
宮原奨伍
岩田有弘

上手奥に演奏中の
石澤瑤祠

ここに
制作 岩間麻衣子
活動休止中だった ヒョギ



これは
今年1月に退団したばかりの
今川宇宙が送ってくれたので



うん



稽古中に桜が咲き始め
本番明けた頃満開
そして葉桜へ



お客様を待つ客席



連日、補助席の出る
満員御礼の連続の日々
大人の麦茶のラストオーダーに相応しい
と思える温かい温かい思いに想いに溢れた
公演でございました



稽古場での一枚をここに




打ち上げは
たくあんさん
いつもこのすし桶に
を描いてくれる
この彩り飯
最後に相応しく
お赤飯でした




春風に
華々しく散る
大人の麦茶

奥谷知弘が
打ち上げで一句
嬉しかった


最後に
塩田泰造さん
そして
緒先輩方

この劇団を作ってくださり
ありがとうございました

活動休止期間になにができるか
なにをするのか

でも
みんなが生きていて
それがいい

本当にそうおもう

そして
死してなお人の心には生き続けられる
そういう劇団だと信じています

劇団とは
幾重にも重なる愛の結晶


ありがとうございました
大人の麦茶
宮原奨伍





次は
『熱海殺人事件』
木村伝兵衛部長刑事になる
6月12(水)~16(日)
公演情報の公開は
明日の19時です
ご期待くださいませ