川谷絵音の歌詞の話。

秋に発売された曲は秋にたくさん聴きたくなる。その時の空気をそのまま思い返せるから。


indigo la Endの切ない歌詞をたくさん聞くにつけ思うのは、人間はつくづく破滅願望がある生き物なんだろうなってこと。


だけど結局は自分が壊れるほどの事など出来ない。生きているから。人間は文化を作り他を愛す事が他の動物と大きく違う点だなんて誇ってみても最後はそこに帰着する。


誰かを好きになって、それが身を滅ぼすとしても貫きたいとか、まぁ映画にもよくあるテーマだけど、それに感動するのは実際の人間が「自身を壊すほど誰かを愛す事」は出来ないからであって、アバケアネの「壊れる勇気もなかった」に身につまされる思いがするのは結局そういうことなんじゃないかと。


川谷さんが描くのはいつだってリアルで、世にある感動する恋愛ものの「自分が壊れたとしても愛す」が作り物な事を分かってるからあえてそうは書かないんだと思う。そんな川谷絵音が好きだ。