そば屋は一日にしてならず

そば屋は一日にしてならず

福岡市中央区六本松・梅光園地区の江戸そば”蕎麦切り かんべえ”のブログです。

そばの事、店の事、料理の事、音楽の事、日常の事…その中で感じた事を綴りたいと思います。

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先日月曜の貸し切り営業なんとか無事に乗り越えました。
なんと昼、夜参加の強者なお客様(主催の方)がいらっしゃったものですから
その方を狙い撃ちで昼、夜のそば以外のメニューをほとんど違うメニューに変更しました
昼、夜、同じメニューにすれば楽なのですが
そこに甘んじる僕ではありません
期待してないでしょうが、相手の想像の上を行くのが漢というもの。
主催のお客様も大変喜んで頂けて、貸し切り指名された当店としても大変嬉しく、尚且つ自分に課した厳しい状況を乗り越えれた喜びを頂戴しました。
それと今まで卵焼きや天ぷらがないと自分的にはコースを組み立てれなかったんですが
それが無くてもお客様は満足してくださる、という事に気づけたのが大いなる収穫でした
ここが一番でかい今回のイベントでした
ありがとうございます😊

明日は昼・夜営業共に貸し切りなので店休日ですが仕込みをしてきました。
明日朝行って仕込みしてもとても間に合わないですからね💦
提供するそばは全部で六種類の予定
産地とか熟成物じゃないです六種類のそばを打つのです
産地や熟成違いのそば食べたとこで自分的にはよくわかりませんし全く興味がありません
産地や熟成とか、それが悪いとかでないので勘違いしないで下さいね
考え方の違いです
誰が食べてもハッキリわかる形でそばを楽しんで頂くのがかんべえのお任せコースだと思ってます
例え鼻が詰まっててもです(笑)
だってそばの香りや味なんて微妙でしょ?言われないとわかんないですもん、多分
ちなみに明日は昼と夜はコースの内容を変えます
なにせ主催の方が両方参加されるものですから(笑)
提供するそばは同じですがその他の蕎麦料理を変えます
うちは色んな料理が出て〆にそば、とかそんな簡単などこにでもあるようなコースではありません
コースの合間合間にそばが出てきます
ちゃんとそばの特色を考え料理の順番を計算して提供します
そして〆のそばでお客様を無言にさせる、これがうちのコースです
日本でもそんな感じでそばのコースを提供してる店は師匠の店とうちぐらいだそうです
さぁ明日はお客様のどんな「美味しい!」と笑顔が見れますでしょうか?
自分自身楽しみです。





たまに食事へ行くと「この何々は何処何処産の何々というブランドの野菜で何℃で何時間蒸してどうの…何℃で何時間焼いてどうの…」というのを耳にします
実は僕あれが苦手なんです(笑)
確かに店側としては一つ一つ説明して色んな事を想像させて食べて頂いたら美味しさも倍増するのだろう、とは思いますし、それは多分企業努力なのだと思いますし、説明する事は全然悪い事だとも思いません
じゃどんな理由で苦手なのかというと、俺は頭で飯食ってんじゃねぇ!と思うんです
ご飯は身体で食べるものだと僕は思うからです
何言ってんだよ?お前SNSで色々説明してるやん!も言われそうですが
実はかんべえ店内では説明もしませんし、そば粉の産地すら聞かれなければ説明しませんしメニューにも何も書いてません
油にしても調味料、その他諸々にしてもです。
SNSは新規のお客様に興味を持ってもらったり、知ってもらう為にやってます
店では身体や味覚や感覚で料理を頂いて欲しいので余計な情報は遮断しております
オープンキッチンの一蘭みたいなもんです(笑)
そういう説明をやめた理由の一つで、以前こんな事がありました
東京へ蕎麦行脚へ行った時
とあるそば屋で蕎麦懐石を頂きました
そして〆に店主の説明付きで数種類のそばが提供されたのですが
その中の一つに「これは何処何処産の何年もののそばで1日熟成です」と提供された時飲んでた日本酒を吹き出しそうになりました
1日熟成ってただ単に昨日のそばですよね?
物は言いようですね
結構酔ってまして笑いを堪えるのに大変でした
それ以来僕の店内に何かの説明を入れるのは一切やめました。
料理は頭で食べるのではなく、身体で感じながら食べるのが一番だと思います




本日17:30より2019年蕎麦切り かんべえ始動します。
午前中は仕入れへ行き
午後は仕込みでした
毎年毎年、正月明けは長期のお休みを頂きますので
そばを打つ感覚を取り戻すのに凄く緊張しちゃいますね💦
かんべえでは通常4種類のそばを提供してまして
4種が4種共それぞれ打ち方が違いますので一つが大丈夫なら全部大丈夫!という訳にはいきません
1種類1種類感覚を取り戻す感じで探り探りそばを打たねばなりません
三日もすれば全ての感覚は元に戻るのですが、明日、明後日まではまだまだ油断できないそば打ちをしなければなりません
なのでまだそば打ちが楽しい♬という感覚にはなれませんね
早く感覚を取り戻さなければ❗️
そして明日からはランチもスタートします
無農薬のお米、原材料から全て無添加の油や調味料、そして全て手作りの料理
このランチが千円からなので食に敏感な方から見たら破格だと思います
五年前にかんべえをスタートさせたコンセプトは「来店してくれたお客様の身体が喜ぶ料理を提供する」というコンセプトは一ミリもずれるどころか
月日の経過と共に更に精度を上げております
かんべえにインスタ映えするような派手な料理は一つもありませんが、身体が喜ぶ料理はあります
飲食店を経営するにあたって世間の流れには逆流してるとは思いますが、本物に近道無し!でございます。
そんな感じで商売下手で口下手な店主ですが2019もよろしくお願いします。




新年明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします
久々の更新ですが相変わらずそば道をしっかり進んでおるつもりでおります
昨年はそれこそ、この五年間で色々と試行錯誤したものが随分形になってきたように思えるような一年でした。
経営難に陥らない限り飽きるまで使っていきたいと思わせてくれるそば粉(二八、十割共に)に出会う事が出来ました。

世間では自家栽培や自家製粉がもてはやされております
その風潮はわからんでもないのですが
自分的にはやはりそば屋はそばを上手く打つのが仕事だと思っております
なので餅は餅屋ではないですがそば粉はそば粉屋…製粉会社から買わせて頂いてます
ではそのそばを打つ技術をどうやって上げるのか?という事に関しては
年間を通して同じそば粉を使い続ける、という結論に達しました。
確かにその時々で状態の良い産地のそば粉を使えば良いそばを打てるのだとは思いますが
僕はそれでは面白くもなんともありません
年間を通して同じ産地のそば粉をどんな状態であろうと常に同じ状態まで持っていけるのが技術だと思うからです
僕はそこを目指したい!手を替え品を替え素材に頼るではなく、技術を持ってして素材を引き上げたいのです
なのでかんべえでは十割は群馬産、二八は福井産とずっと同じそば粉を使い続ける事にしました
でないと自分のそば…かんべえのそばというものがいつまでたっても完成されないように思います。
その為のこの五年間はそば粉選びの期間だったと思います。
特に二八に関しては僕の技術が上がれば更に美味くなる!と直感したそば粉を使わせて頂いてます
今まで全国各地のそば粉を使わせて頂きましたがそう直感できたそば粉は今使ってる二八のそば粉だけです。
仕入れ値は他所のそば屋さんに怒られる程高価です(笑)でも出会ってしまったので仕方ありませんから
店が潰れないよう工夫するしかないです。
いつかわかってもらえる事を信じて2019もやせ我慢の日々を送りたいと思ってます
そんな感じの年始の決意表明です
こちらのブログもたまには更新するよう頑張ります
近頃はインスタばかりで(笑)
そんなこんなで情熱だけでここまで続いておりますが
続けてこれたのは皆様の応援の賜物であります
僕からの恩返しは「美味いそばを打つ!」以外今のところ見つからないので今後も高みだけを目指して頑張らせて頂きたいと思います。
そんなこんなで今年もよろしくお願いします。