ツイッターのTLにDQNネームとして下記の宇宙と云う名前が流れてきました。

宇宙(てら)
宇宙(たから)
宇宙(なさ)
宇宙(あーす)
宇宙(すかい)
宇宙(あとむ)
宇宙(うみ)
宇宙(こすも)
宇宙(こすもす)
宇宙(たかおき)
宇宙(おおぞら)
宇宙(そら)
宇宙(かなた)

酷いもんですね。
こういった名前は巷ではDQNネームやキラキラネームと呼ばれ非難の的になっています。
非難する理由は読めないからというものが多く、人名として相応しくないと云った意見は少数のようです。

しかし名前とは難しいもので読めない名前があるのは当たり前です。
我々日本人は一字一音が原則の漢字に訓読みと言うものを発明し一つの字に複数の読みがあるものとしてしまいました。
複数の読みがある以上それをどう読むかは書いた人以外には分からないといった状態が出来てしまいます。
例えば川端康成の『雪国』における「国境の長いトンネルを…」の国境を「コッキョウ」と読むか「くにざかい」と読むかと云ったことです。
名前はその最たるものではないでしょうか。

「人名の漢字の読み方の制限はない」と思われてますが厳密に言えばそれは間違いです。
正しくは「人名の漢字は当用漢字音訓表の制限はない」ということです。
現在、当用漢字は廃止され実用漢字に替わっていますがそれの話は別の機会にしたいと思います。
ともかく読まないものは読まないのです。
本当に読み方が無制限であれば最早文字としての機能を失してることになってしまいます。

本来は市役所で間違った読みの出生届けを不受理にすべきなのですが漢字学者ではない窓口の担当者が読みが正しいか間違っているかを判断するのは困難です。
ですので機械的に受理するのが通常になってしまっています。
昔は可愛い我が子の名前を間違った読みで届ける人なぞいなかったのでそれでも良かったのです。

ところが最近は理解不能な読みをさせる名前を平気で届ける人が増えてきてしまって機械的に受理するわけにはいかなくなってきています。
しかし役所は従来のやり方を変えない、まさにお役所仕事ですね。

宇宙(てら)や宇宙(あとむ)は明らかに間違っています。
市役所の担当者もそれくらいの判断は出来るはずです。

問題なのは宇宙(たかおき)です。
これは殆どの人は読めないのではないでしょうか?
私は読めませんでした。

結論から言うと宇宙(たかおき)はちゃんとした、いえ寧ろ立派な名前でした。

漢和辞典を引くと

宇の人名の読み方は、
 お・くに・たか・たかし・ね・ひさ・ひろ

宙の人名の読み方は
 おき・たかし・ひろ・ひろし・みち

よって宇宙(たかおき)はそういう読みが出来る名前と云うことになります。

おそらく親御さんは愛する子供の為に辞書を引き真剣に検討されてこの名前を選ばれたのだと思います。

読むのが難しいという理由で他のDQNネームと一緒に並べられるのは不当な扱いと言わざるを得ません。


さてそれはともかく斯様に名前の読みと云うものは難しいものなのです。