以前、「タッチ・ケア」によって別名「幸せホルモン」とも呼ばれるオキシトシンホルモンが脳内に分泌されると言う記事を投稿しました。
   その中で、タッチ・ケアは認知症の治療にも効果があると述べました。
   実は、認知症の治療法として「まるで魔法のよう」と形容される画期的な「ユマニチュード」という技法がフランスから導入されています。その考案者のイブ・ジネストさんによれば、「ユマニチュードは人と人との“絆”をつくる技術」であり、私はあなたの友人ですよ。仲間ですよ。」ということを患者に分かってもらうことが大切だとされています。ちなみに「ユマニチュード」とは、「人として接する」という意味だそうです。認知症の患者さんは「言うことを聞かない困った患者さんだ」と思う看護師の言動に敏感に反応するので、ますます反抗的な態度をとるようです。そのため、「困った人」という先入観を捨てて、一人の人として尊重して対応するための技法として開発されたのがこの「ユマニチュード」です。YouTubeでも以下の通り紹介されています。ご参照ください。
ユマニチュード / 認知症ケア 優しさを伝える技術

   このことは、以前投稿した、母親と子どもとの間に“愛の絆”をつくる愛着形成と同じ考え方です。子どもは母親に対して「この人が私のお世話をしてくれる味方だ」という母親への“信頼感”を抱いているのです。
   ちなみに、認知症患者との“絆”や“信頼感”をつくる「ユマニチュード」の技法は以下の4つがあるとされています。
見る(患者の視界に入る)
②話す(優しく、ケアの実況をするように)
③触れる(優しく) 
④立つように促す
つまり、「ユマニチュード」の考え方からすると、患者のストレスを緩和する技法は、「タッチ(触れる)」だけでなく、「見る」「話す」もあると言うことができます。

   上記の動画を見ると分かるのですが、「ユマニチュード」の開発者のイブ・ジネストさんや、この技法を学んだ看護師の患者に接する様子を見ていると、「見る」「話す」「触れる」の他にも、「微笑む」や「褒める」も実践しています。つまり、この「ユマニチュード」の技法は、人の脳に「安心ホルモン」と呼ばれる「セロトニン」を分泌させる「セロトニン5」の支援の一部であると考えることができます。なお「セロトニン5」については、以下の投稿のURLをタップして参照ください。
全ての子どもの気持ちを安定させるスーパー支援法「セロトニン5」②