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WHO精神保健ケアに関する法:基本10 原則

自分で決める薬を飲む飲まないキャンペーンがなぜ必要かを説明するのに非常に役に立つ。

我々がサードオピニオン会で提供しているのもこの自己決定の為の情報である。

まずは読んでいただきたい。

 

引用元(赤字は筆者が加筆):

WHO 精神保健・依存症予防部門
Division of Mental Health and Prevention of Substance Abuse, World Health Organization.
GENEVA, 1996
木村朋子訳

 

5.自己決定
●主旨:いかなる形態の介入であれ、事前に本人の同意を求めることが要請される。
●内容:
1)介入とは次のものを含む。
(a)例えば、薬剤、電気ショック、不可逆的外科手術の使用を伴う診断や医学的治療など、その人のもともとの身体的・精神的な状態への侵襲。
(b)例えば、強制入院のような自由の束縛。
2)同意は以下のようでなければならない。
(a)それぞれの文化に従い、伝統的なものごとの決定単位(例えば、家族、親族、職場)から助言を受けた後、当事者によってなされなければならない
(b)(不当な圧力から)自由でなければならない。
(c)決定を下すために十分な情報(例えば、その治療法で得られる利益と不利益、危険性、他の手段、予想される結果、副作用など)が正確にわかりやすく知らされなければならない。
(d)同意の詳細は、微細な介入を除き、患者のカルテに記載されなければならない。
3) 精神障害者に同意能力がないと判断された場合、それが一時的なものであれば、患者のために最善の利益を決定する権限をもった代理の決定者(親族、友人、公務員等)を指名しなければならない。未成年の場合、両親または保護者が同意を与える。
●指針:この原則の推進に役立つ行動は、
1)患者は、自己決定能力がないとの証明がない限り、自ら決定を下すことができるとみなされる。
2)精神保健ケアの場で、患者は自分で決定できないと一律にみなした処遇がないことを保障する。
3) 患者が1つのことがらについて自己決定能力がないと判定されたことをもって、自動的に他の多くのことについても自己決定能力がないとみなしてはならない。例えば、強制入院の承認は自動的に強制治療の承認とはならない。特に、その治療が侵襲的な場合はなおさらである。
4) 患者に、治療についての情報を、その人が理解できる言葉で口頭と文書によって提供する。字の読めない患者には特に詳細に口頭で説明する。
5) 患者の意見は、その人の同意能力にかかわらず求めるべきであり、その意見は、その人の本来の状態や自由に影響を及ぼす行動を開始するに先だって、注意深く考慮されなければならない。判断能力がないとみなされている人に、意見の理由を説明するよう求めてみると筋の通った懸念が明らかになることがあり、また自己決定を行うことの促進にもなる。
6)同意ができないとされる以前に、患者が希望したことはすべて尊重する。
6.自己決定の過程を援助される権利
●主旨:患者が、自己決定するという事態を受け入れることに困難を覚えているのみで、できないわけではない場合、その人にとって知識のある第三者機関の援助は有効である*19。
●内容:困難の理由はさまざまなものが考えられるが、以下を含む。
1)一般的知識
2)言語能力
3)病気に起因する障害
●指針:この原則のさらなる尊重のために役立つ行動は、
1)患者が援助を必要とするまさにそのときに、この権利*20 があることを患者に告げる。
2)法律家、ソーシャルワーカーなど、実際に援助してくれる可能性がある人は誰かをアドバイ
スする。
3)無料の援助機関を設けるなど、援助者の関与を促進する。
4)オンブズマンや患者自治会のような、精神科患者に援助を提供する仕組みを構築する。

 

これはWHOが指針として出したもので、各国にこれに沿った精神保健ケアを実施するように要請しているもの。従わないからと言って罰則があるわけではないが、世界の常識がどのようになっているかの参考にはなる。

 

当たり前だが、薬を飲む飲まない、治療を受ける受けないは患者本人が選択するということです。また特に注意して読んで頂きたいのが指針の部分。

 

同意は、不当な圧力から自由でなければならないとされているが、この不当な圧力とは、

・医者の処方した薬はきちんと飲まなければならない

・精神疾患患者は薬を飲まなければならない

といった言説に従った周りの人間の圧力も含まれるということだ。

 

精神疾患の診断を受けているからと言って、自己決定能力がないとされたり、

強制入院(医療保護入院、措置入院)であっても、治療を受ける受けないの権利は患者にあるとしている。強制入院が承認されたことが、強制治療も承認することにはならないと言っているのである。

 

また同意能力がないと思われる場合でも同意は求めるべきとしている。以前、師匠の野田先生が、コミュニケーションの難しい事例でも、「飲みたくなかったら飲まなくて良いんだよ」と声を掛けていたことを思い出した。

 

これを読んで、精神保健従事者はどう思うのだろう。

私は、この国の精神保健の現場では、この基本原則など全く無視していると思うが、精神保健従事者の多くはこうした文章を読んでも、まるで自分たちは対応できているように振る舞う。

 

時々、こちらの文章読解力がおかしいのかと錯覚しそうになる。

 

服薬に対しても、患者本人の同意が必要で、それを記録せよとも書いてある。

服薬の正当性の説明、副作用の説明、代替手段の提示の上、それを同意したとの記録をすること。これを厳密に遵守させる法律を作ると良いかもしれない。

 

 

 

 

 

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