北朝鮮のエネルギー危機は国家そのものの危機につながる。
 川島東大院准教授がIEA(国際エネルギー機関)のデータを引用してJBpressに北朝鮮のエネルギー事情を投稿した。
 現在、1990年と比較してエネルギー消費量が約1/3に、石炭の生産は2/3になり、その生産から輸出に回すことにより国内消費量は1/5以下になっている。そして、森林が急減している。

(IEAの元資料では、一次エネルギー供給量が金日成時代の1985年に比べて、2015年は約22%となっている。)

川島先生10月16日投稿記事より

 

IEA国別統計「北朝鮮」 Total primary energy supply

 

川島先生10月16日投稿記事より

 

川島先生9月18日投稿記事より

 

 このような社会は、農業や工業の生産が落ち込み、人々の生活がますます貧困になり、死滅の道を進むだろう。
 工業生産が落ちていることは、エネルギー関連設備の整備や新設も出来ないと思われる。ロイターが北朝鮮の兵器開発のためのCNC装置(数値制御工作機械)の情報を紹介しているが、それだけでは、大型のボイラーや発電設備の部品加工が出来ない。製鉄所などの素材製造も困難と思われる。さらに、制裁によりこのような技術や製品の輸入も出来ない。

 

 石油を止め、さらに制裁を強めれば、北朝鮮は石器時代に戻るだろう。

 

 総選挙、臨時国会首班指名、組閣を終え、トランプ大統領の11月5日~14日のアジア歴訪後に、北朝鮮に対する制裁が本格化すると予想される。

 

JBpress
急速に減少している北朝鮮のエネルギー消費量
工業部門は壊滅的な状況か
2017.10.16(月) 川島 博之
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51293

ミサイル開発の一方で、暗くて寒い北朝鮮の暮らし
統計データから見えてくる北朝鮮のエネルギー事情
2017.9.18(月) 川島 博之
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51075

ロイター 10月14日
焦点:北朝鮮が自賛する「国産装置」、兵器開発の立役者に
https://jp.reuters.com/article/north-korea-weapon-cnc-idJPKBN1CI0UD

 

IEA統計(北朝鮮)

https://www.iea.org/statistics/statisticssearch/report/?country=KOREADPR&product=balances&year=2015