何度か引き返そうか心が迷ったが、目の前に現地人カップルが薄暗い道を歩いていくのをみた。


この先の道に何かあるのだろうとか思い怪しまれない程度に存在感を削りながらついて行った。

ボクの勘は的中した。

そこには象山の小高い丘の頂上へと続く最初の傾斜の高い階段があった。
誰にも見つからないようにひっそりと佇むように。

原付にまたがってやってくるカップルが沢山いた。
どうやら恋人同士が愛を高め合うための人気のデートスポットだとボクは考えた。



少しずつ、物事は良い方向に進み始めた。



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確実な睡眠をとっていない体に1日中台北市内を歩き続け、さらにこんな急な階段を登るという試練が待っていた。

台湾の湿度は高い。


身体中の水分が渇望していった。
だけど、ボクには目的があったので前に進むしか道はなかった。

後ろには何も残っていない。
あるのはノスタルジーだけだ。



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諦めないで良かった。
頂上では恋人同士が愛を語り合っていた。

何度か



『Are you chinese?』

と話しかけてくる。
日本人だよ、というのを伝えると



『Can you take a photo??』

と先の読める質問がやってくる。

パリやマルタ、イングランドを訪れた時もいつも写真を撮ってもらえるかどうか尋ねられる。

話しかけやすいのだろう。


ボクはいつも快く写真を撮ってあげる。
いつも右手に一眼レフのカメラを紐を巻きつけて持っているので、この人なら写真を任せても大丈夫だろうと思われているかもしれない。

何にせよ、ボクはよく写真を撮ってもらえるように頼まれる。


1組の写真を撮ってあげるとダムが決壊したかのように、次から次へとカップルがボクに写真を撮ってもらえるようにお願いしてくる。


ただ、シャッターを押すだけの作業。
筆者体は気にしない。






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帰りの電車は音もなく、沈黙の多い時間帯なのだろう。

疲れ切った身体を休ませるために、まっすぐホテルのある駅に向かった。


最寄りの駅で下車し、ホテルまでの途中の道のりにあったコンビニに立ち寄った。

お茶を買いたかった。


台湾式のお茶は甘い。

それが疲れきった身体には優しく感じた。




地中海・マルタ共和国編
http://s.ameblo.jp/suizenjigengorou/theme-10074042137.html


英国・イングランド編