目覚まし時計は必要ではなかった。
朝の太陽の日差しがボクの顔を照りつけた。
どうやらカーテンを開けたまま寝ていたらしい。
身体がいつものように動かない。
昨日の疲れを引きずっていた。
それでも休むことなくホテルで適度な朝食を済ませて、スグに街歩きをはじめた。
観光にはうってつけの日。
台湾は晴れが似合う。
日本と比べると気候は凄く湿気が高い。
殺人的な暑さもある。
大阪に帰って来た時は涼しく感じた。
本当に偶然出くわしたので、シャッターをきった。
途中暑さに耐えきれずに地下鉄に引き返して休憩した。
なかなか面白い。
目の前で日本人観光ギャル客が切符の買い方に戸惑っていた。
ボクは下心丸出しで彼女らを助けようと近づいた。
『どうかしました?』
とボクは尋ねた。彼女らは重たい荷物を持っていた。多分、今日が初日なんだろう。台湾の地下鉄には慣れたボクは何を聞かれても大丈夫な知識と経験があった。
『ここの駅に行きたいんですけど・・・』
ボクは丁寧にゆっくりと教えてあげた。
下心丸出しで。
彼女らを喜んでくれた。
そして、こうお礼を言ってくれた。
『ありがとうございます!シェイシェイ!
日本語上手ですね!』
うん?
日本語上手ですね???
はい、現地人と勘違いされました。
理由は3つあると推測する。
その1
服装がラフすぎる。
白のTシャツに短パン。おまけに手ぶらでサングラス。
なかなか観光客がする格好でもなく、現地の人もしない格好。お金はポケットに入れていた事。
その2
現地人の中途半端に日本語が話せる人と絡んだ結果、あっちの日本語力に合わせて話したのでカタコトの日本語で話す癖がとれずに話してしまった事。
その3
日本人男子が1人で来るはずがないと思われている事。
以上3つの条件を完璧にこなした結果、帰り際の
『謝謝!!』
と言われる結末に。
『本当に台湾の人達って優しいねー。』
彼女らは改札機に向かう途中でこんな会話をしているかもしれない。
そうなると、台湾側に善意を行った事になる。
『まぁ、それはそれで良いか。』
何人に間違えられようと、結局自分は自分である。
地中海・マルタ共和国編
英国・イングランド編