と炎天下の中待ち続けた台湾最終日の午前。
10時過ぎに店が開き、中で台湾式のお茶を頂いた。
説明してくれたけど、あまり分からなかったので早く飲もうとしたら
『サキニ、カオリヲタノシンデクダサイ。』
と言われたので、皇族の人達のように優雅に香りを楽しんだ。
正直、香りの違いは分からなかったが美味しいのはわかった。
『量多い!あま!』
と1人で興奮し周りを見渡すと、全員女子だった。
ガイドブックを右手に、左手にはスプーンでかき氷を食べ、これからどこに行くのか話し合っていた。
男1人でこんな甘いもの食べていたのできっと皆はボクの事を甘いモノ好きのホモ野郎と思っていただろう。
よほど男1人で来るのが珍しいのかよく話しかけられる。
日本語ではなく英語で話しかけられた。
『From Japan?』
大体最初の質問は日本から来たかどうか尋ねられる。
あとはお決まりの
・どのぐらい滞在するの?
・台湾は楽しんでる?
・どうやってこのお店を見つけたの?
こういった質問が定型文のように質問される。
ボクの流暢なジャパニーズイングリッシュで話を盛りながら返す。
散策を終えて、台北駅から空港に向かう。
だけど行き方がわからない。
こういう時マルタで知り合ったキムならこう言うだろう、
誰かに尋ねろ!って事だ。
駅の職員さんに尋ねて足早にバスターミナルに向かい、チケットを買ってバスに乗り込んだ。
バスの中で日本人はボク1人だけだった。
空港につきチケットの予約確認の紙を無くしたことに気付く。
少し焦ったが冷静になりカウンターの所に向かい、携帯で航空券予約確認の画面を見せて
『紙を無くしたけども、予約はしているよ。』
と、必死に英語で伝えたら
『Okay!Okay!』
と言ってくれた。
機内の席は窓側だった。
久しぶりに窓側に座ったので、ただ何も考えずに外の風景を眺めていた。
太陽が西に沈んで行くのが見えた。
誰も約束なんかしてないのに、今日も太陽は西に沈む。
写真に収めようと思ったが、機内アナウンスで
『台湾上空での撮影はご遠慮下さい。』
と大人の事情が絡む理由で撮影は出来ないので、ボクは静かにカメラをなおして、目を閉じ、浅い眠りについた。
台湾はこの日も快晴だった。