仁川空港から飛びたった飛行機は13時間のフライトを終えて、ジョン・F・ケネディ空港に降り立った。


13時間。



1日の半分以上だ。


長時間フライトの間何をすべきかは心得ていたので、何一つ問題はなかった。


ボクはポータブルBlu-rayプレイヤーを持ち運び、機内で“バッファロー'66” と“ダークナイト”を鑑賞していた。
斜め前に座った人がアシアナ航空の機内で観れる映画で“メイズランナー”を鑑賞し、前席の人は“チャッピー”を鑑賞していた。

ボクは思わずメイズランナーの方に興味が湧き、ダークナイトを途中で止め(ジョーカーが鉛筆を消すマジックを披露するシーンの所)、オレンジジュースを飲みながらメイズランナーを鑑賞していた。

所々眠気が襲ってきたので仮眠をとったりもした。

そして、到着したわけだ。

アメリカの入国審査は恐ろしく長い。

だが、今回は運良くスグに終わった。
ボクを担当してくれた入国審査官はとても気さくな人で、終始笑顔で対応してくれた。
入国審査に関係のない世間話なんかもした。

 
審査を終えて荷物をピックアップし、イエローキャブでグランドセントラルターミナルに向かった。
お店の場所が

「グランドセントラル駅から徒歩10分」

という少ない情報しか与えられていなかったので、予めグーグルマップで確認していた。
ニューヨークの街は大阪の街の作りと一緒なので、すごく簡単なんだ。


マンハッタンに近づくにつれてビルの摩天楼が姿を現した。

「あっ、クライスラービル発見!」

とワクワクしながら車内から街の様子を眺めた。
マンハッタンに上陸するとまず初めに聞く音は車のクラクションだ。
時折聞こえるパトカーのサイレンの音もある。


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今ボクはニューヨークにいる。
イエローキャブ、摩天楼、人種のるつぼ。

全てを感じることができる。