この日は7月4日。
1776年7月4日にアメリカ独立宣言を公布した歴史的な日。
なので、お店は休みでボクは1日自由な時間を過ごす事ができた。
自由を突然与えられると何をして過ごせばいいのか迷うかもしれないが、ここはニューヨーク。
おもちゃ箱をひっくり返したような街だ。
ボクは平和的な願いを込めて、まず初めにグランドゼロ(ワールドトレードセンター跡地)に足を運んだ。
テロの被害にあった人達の名前が並んでいた。
その上にはアメリカ国旗がある。
このテロを機にアメリカはアフガニスタンに侵攻しイラクに戦争を仕掛けた。
イラン・イラク戦争の時はフセイン政権を支持していたのにもかかわらず、その後の湾岸戦争はイラクに空爆を仕掛けた。
本当にアメリカの外交は無責任にもほどがある。
そしてイラク戦争でフセインを捕らえて死刑を執行した。
湾岸戦争を仕掛けた大統領がジョージ・ブッシュでイラク戦争を仕掛けたのがその息子ジョージ・W・ブッシュ。
父親が成し遂げることができなかった打倒フセイン政権を、バカ息子がやり遂げたのだ。
だが、大量破壊兵器を所有しているのを理由にイラクに攻め込んだが結局見つからなかった。
死んだ兵士達の大義が無駄に終わった。
「テロを仕掛ける奴らは卑怯者だ!」
とアメリカ国民は高らかに叫んだ。
だが、空爆ばかり仕掛けるアメリカ軍の方が卑怯者ではないのか?
ウォール街。
世界の経済の中心。
雨が降っていたが、その雨がより雰囲気を際立たせる。
そこでボクは階段に座り込み屋台で買ったホットドッグを食べた。
たいして美味しくはないホットドッグだが、味のことなんてどうでも良かった。
ここでホットドッグを食べるから満足なんだ。
雨の中のウォール街でホットドッグを食べながら色んなことを考えた。
別に考えなくてもいいことを考えた。
今までたくさんの出来事が目の前を通り過ぎた。
ほとんど思い出したくもない思い出達だが、その思い出達は役に立ったのか?
自らの経験だけに頼るのは愚かな行為だ。
経験論だけしか話さないのはバカでも出来る。
自らの経験だけではなく他人の経験を記した歴史を学ぶべきだ。
歴史は壁を越える最大の武器になるからだ。
今すぐ役に立つ情報や技術はスグに役に立たなくなる。
それが文明だ。
今は役に立たなくても必ず何処かで役に立つ。
それが文化だ。
雨の中、異国の地にいるのは普段考えないような事を考える事ができる。
ボクは腰を上げて次の目的地であるBrooklyn bridgeに向かった。
黄昏、日本編