そんなに遠くないある日、このような会話をした。
まずは状況を説明しよう。

ボクがアメリカ人の子供をカットしていた時だ。
そのアメリカ人の子供はいかにもカートゥーンネットワークが好きそうでポップコーンとアイスクリームの両方をたいらげそうな、髪の毛がクルクルカールな少年だった(カット超難しかった)

年齢は9歳。
全然笑わない子供だった。

お母さんが離れる時に


『カット中は良い子にしているのよ!あなたはビッグボーイなんだから、はしゃいだりしないでね!』


といかにもアメリカのホームドラマの一場面を見ているかのようだった。

その少年は

『もうわかっているよ!ママ!』


と言っていた。

ボクは子供とコミュケーションをとろうと色々話しかけたが、あまり会話にならなかった。
なぜなら、ボクの英語がほとんど通じていなかったからだ。
トイストーリーの話をしたがキャラクターの名前の発音が違いすぎて少年に発音を教えてもらっていた。



『ところで、ポケモン好き?』


とボクは聞いてみた。
ついでに最初はポケモンの発音が通じなくて何度も言い直した。



『好きじゃないね。だって、boring(退屈)だもん。』



と日本人のボクが質問をしたのに全く気をつかうこと無く素直に答えやがった。
任天堂のゲームはやったことないし、興味がない。
とも、言っていた。



ボクはこの少年が気に入ったので、最後に





『Good Boy!!』



と褒めてやったが、全然笑いもしなかった。

最後にお母さんがボクを褒めてくれた。

これでウチの子供の髪型がスッキリしたよ!っという感じの英語だったと思う。


『私はこの近くで働いているのよ!』

と帰り際に言っていた。
同時に15ドルのチップをもらった。





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学校の帰り道に立ち寄った。
チェルシー地区。
アートやファッションが詰まった街。
観光客とニューヨーカーが混じり合っていた。




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ハドソン川沿いにある廃線になった鉄道が歩道スペースになっている。
ニューヨーカー達の憩いの場所であり散歩にも使われている。



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線路から覗くマンハッタンのビルとビルとの間には冷たさがある。
人種のるつぼであるこの街には数え切ることのできないドラマがある。
熱気のあるニューヨークに夢を掴むためにやってくる人達(年齢、国籍、性別問わず)はどのような思いで生活しているのだろうか?


夢を勝ち取った者がいれば、敗れて去った者もいる。



ボクはどっちに転ぶのか?


たとえ周りの環境がどうにもならなくても、毎日が同じ事の繰り返しだとしても、神がボクの運命のサイコロをふったとしても、結局は自分に全ての決定権がある。



それなら大いに楽しんでやろうじゃないか!






っと思ってはいますが、





『ニューヨークに来て心から笑った事がない。』



と年下のアシスタントの女の子に言うと




『それ、やばいっすね。』



と言われて、本当にやばい気がして少し笑った。