よく道に迷う方か?
と聞かれたら

『迷うことはない。』

といつも答える。
頭の中に地図があるわけではなく、ただ直感的にこの道が正しいというのがわかるからだ。

だが、常に正しい直感が働くわけでもない。
右往左往してしまうこともある。





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女性と待ち合わせをしていた。
ギャラリーで開催されるショー(前回のブログ参照)に向かうためである。
ボクが彼女をピックアップしてメトロに乗り継ぎ会場へと向かう段取りだった。

だけど、ボクは常にトラブルの神様がまとわりつく。
今回はボクが蒔いた種だ。


まず第一にボクは遅刻してしまった。
理由は簡単。
集合場所の途中にドクターマーチンのお店があったので立ち寄ったのだ。
そこでかなりの時間を潰してしまった。

『ごめんなさい、遅れました。』


『・・・』


やべぇ、怒ってる。
しかもかなり怒っている。
何かの雑誌でデートで遅れてくる男はクズ野郎だと書いてある記事があったのを思い出した。


『今まで何していたんですか?』


女がボクに質問をする。


『いやぁー、ここに来る途中でドクターマーチンのお店があったので立ち寄ったんだよねー^_^』

とボクは気色の悪い笑顔で答えた。


『はぁ?ありえなーい!』


ボクは肩を殴られた。
年下の女の打撃力をみくびっていた。

ボク達は黙って歩き続けた。



『怒ってる?』



『・・・』


返事がない。
完璧に怒っている。
これはヤバイ。



『会場の最寄の駅は何ですか?』



と質問されたので



『えーっとね、バワ・・バウワ・・・  バワリ・・?』


『はい、もういーです。』
女は激怒した。
静かに激怒した。

そして、また歩き続ける。



『いっこうに駅に着きませんが、いつ着きますか?』

と女はボクに質問した。


『うーん、フィーリングかな。なんとなく歩いてたら着くでしょ。』



この発言のあと女は文字通り激怒した。





『はぁ?マジで役立たず!!』





ボク達は黙ってタクシーに乗り込んだ。
ボクは明後日の方向を見ながら何も考えずに時間を過ごした。
時折ニューヨークの高層ビルからこぼれる夕日の光が僕の顔を差し込む。
環境が変わっても本質的なものは変わることはなかった。