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不沈艦とは沈まない船という意味だが、ボクはアルコールにより沈んでしまい決して浮かび上がってくることはなかった。


これは一つの事件である。
事件というには大げさかもしれないが、ボクの頭の中の記憶が消しゴムで消されたかのようだった。



過去28年間でそれなりに飲み過ぎでおかしくなる場面をつくってしまったことがあったが、ここはニューヨークなので地に足をつけて帰らないと追い剥ぎにあうと思い強い心で構えながら家路に着いた。


後半はカラオケに行ったがボクはずーーっと深い眠りについていた。
誰かが起こすことなく、静かに深い眠りについていたのだ。
なので、記憶はない。



ニューヨークに来て4ヶ月目を迎えた。
仕事は夜6時に終わるので家に帰っても6時半過ぎ。
やることないから毎日遊んでいた時期もあった(9月は毎日休みなしで遊んでた気がする)
その反動でここ最近は大人しくなっている。
金が無いのだ。

日本のように誰かが仕事をしていたら残って待たなければならない環境はなく、自分の仕事が終われば直ぐに家路につく。
余りまくる時間をボクは本を読んだり、映画を鑑賞したり、自宅でサングリアを皆んなで呑んだりして時間を潰した。


ニューヨークは皆んなが思っているよりもアメージングではなくエキサイティングでもなく、ボーリングな場所だ。
だけど、ここには世界中から人が集まる。
そこが、おもしろい。
ニューヨークそのものがおもしろいのではなく、そこに集まる人がおもしろいのだ。

何か偉大なる目標を持ってきた人、仕事でイヤイヤきた人、何となくきた人(ボクはここにあてはまる)色んな人がいて面白い。


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こいつがニューヨークに来やがった。
ニューヨークらしい所に連れて行く気はさらさらないので、ラーメン屋に連れて行ってやった。
それじゃあ、可哀想なのでしゃーなしでブルックリンブリッジに連れて行ってやった。

しゃーなしで写真も撮ってやった。

店で髪を切ってあげた。

そこで小さな奇跡が起こる。

ボクが働いているお店のスタッフと専門学校の同級生であることが判明した。

その同級生と飯を食べに行ってTimes Squareで日本人女性に逆ナンされたらしい。


二日連続で飯を食いに行ったらしい。


ボクはその時色々ややこしい問題を抱え込んでいた。




彼はニューヨークで良い思いをした。


日本に帰ったら即刻絞首刑に命ずる。
これは正義の鉄槌である。