芸術と同義語とは何か。
芸術に別の名を与えるなら何か。
チェ・ゲバラという20世紀で最も完璧な人間がいた。
彼はカストロと共にゲリラ兵士12人から始まった革命軍を引き連れ、2万人にもおよぶバチスタ政権率いる政府軍との長い戦闘の末に倒した。
そして、キューバに革命が訪れた。
あとは、歴史を見てもらえばわかる。
ボリビアで39歳で人生を終えたチェ・ゲバラは革命のアイコンとなった。
そして、Tシャツやステッカーに彼の肖像画が使われるようになった。
革命が"ファッション"に成り下がったのだ。
いつしかそれを"アート"として扱う人物が現れた。
アンディ・ウォーホルだ。
彼はチェ・ゲバラが成し遂げた"革命"を"アート"で表現した。
「あっ、そういえばアンディ・ウォーホルのキャンベルスープ缶の絵をまだ見に行ってないな。」
という事に気付きMOMA(ニューヨーク近代美術館)に足を運んだ。
前フリが長くなった。
ゴッホの好きな名言で
「美しい景色を探すのではなく、景色の中の美しさを探せ。」
みたいな事を言ってた気がする。
星月夜か自画像か向日葵の絵しかゴッホを知らないので、あまり語れない。
「これ自分でも書けるんじゃねぇ?」
と思ってしまったら負けなのである。
なぜなら、この絵を書いて表現した人が第一人者であり後に続くものは後釜でしかない。
「青色で塗っただけですやん!」
と思ってしまったら再び負けである。
もし仮にボクが絵を書いて表現しようとするならば、間違いなく一色で塗りつぶすという発想は出てこないのである。
ここに、芸術の核がある。
芸術というのは絵の上手さだけを表現するのではなく、思想や経験論、哲学や発想力の総合点なのだ。
この青一色で描いた作者は
「何やかんや言うて、一色だけ塗りつぶすやつおらんやん。」
と気づいて書いたのだろう。
これはボクの推測である。
答えの出しようがないので、自己完結させた。
モネの睡蓮やピカソの書いた絵(タイトル知らん)、ボロックのアクションペイティングをダイジェストで見てきた。
ボクがここに来た理由はアンディ・ウォーホルのキャンベルスープ缶とマリリン・モンローの絵を見るために来たので、ボクは足早に美術館を見て回った。
しかし、一向に目的の絵が見つからない。
2周したが気配すらない。
どうやら、今の時期は展示していないらしい。
年末に行った人は見たらしいが、ボクが行った時はタイミングが悪く"ピカソの特別展"を行っていて見れなかった。
ボクはいつだって目的通りにはいかないのだ。
外に出た。
駅に向かって歩き始めた。
ボクのイヤホンからはDavid Bowieの"The Man Who Sold The World"が流れていた。
いつもの帰り道には、いつものホームレスがダンボールに書いたメッセージを見せながらボクの顔をじっと見る。
芸術とは反対の生活を送っている。
ところで芸術の対義語は何だ?
黄昏、日本編
英国・イングランド編
地中海・マルタ共和国編