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ドアに挟まれた封筒を見て、ボクは嫌な予感がしていた。
いまだかつてボクは自分の部屋のドアに封筒が挟まれていたことなんか経験したことなく生きてきたので、先の展開は予想できなかった。

この日の星占いは、どっちかと言えば凶よりの運勢だった。


ドアに挟まれた封筒を手に取り、送り主を確認した。

そこには


"immigration office (移民局)"




確実に悪い予感がする。

すぐに部屋に入り、封筒を破り、手紙を取り出した。

専門用語が多かったので、翻訳しにくかったが要するに




13 May 


までにアメリカから出国せよとのことだった。

なぜ、そうなったのか?



この事情は説明することはできるが、ここでは書かない。
このことは法律に関わってくるので、専門家ではないボクはうまく説明できない。



ここで書きたいことは



全て、Universal English Center の"あゆみ"という全く仕事の内容を理解してない女のせいなのだ。
奴が起こした出来事ではないけども、奴の言ったことを信じて段取り良く進めていたのに最後の最後で予定が狂わされてしまった。


悔しいことに活字で説明することができない。
文字にすると安っぽくなってしまう気がするからだ。



急いでフライトチケットを予約した。
エアカナダでボクは日本に帰る。

ラガーディア空港からトロントの空港まで飛び、そこから羽田空港に向かう。
そして、伊丹空港へと向かってひとまずゴールだ。




ボクはillegal (不法移民)になる気はない。
まぁ、最初はillegalでも良いと思ったけども皆んなからの大人の意見を聞いて、素直に従うことにした。


確かに2度とアメリカに入国できないとなると不便なことしかない。



もちろん隣国カナダもダメになると思うし(カナダに入国するためには、なぜかアメリカの入国審査をカナダでする)
アメリカ経由で中南米や、南米諸国に行くことが出来なくなる。



それは、"世界のTAKUMA."と名乗っている限り避けたいことである。



もし、この世に"神"という存在がいるのであれば、存在証明をどのようにすれば良いのか?
ボクは神学者でも倫理学者でも哲学者でもないので証明はできない。



ただ"神"を信じるという事の意味は説明できる。




毎日の出来事を当たり前と思うか。

それとも、

毎日の出来事を奇跡だと思うか。





後者が、"神"を信じるという意味である。