モモと一緒に風邪をひきながら、

ゴールデンウィークに幕張メッセで開催される「9条世界会議」 の準備にテンテコマイです。



あたまの中は、モモのこと半分、憲法9条のこと半分。

大悟やサーフィンやその他の大好きなこともろもろは、脳みそから若干はみ出してパンク寸前!



9条世界会議については、ターップリ、書きたいことだらけなのですが、

今日はケネディさんのことばだけ紹介。




kyuto




戦争のない世界について考えるとき、

いつも最後には「幸せとは何か」というお題にぶつかる。


そして、「世界第2位の経済大国」である日本に住む自分が、

果たして本当に「豊か」な生活を送っているのかどうか、考え込んでしまう。




人類はこれまでの数百年、

経済が成長すればすべてが解決するかのように 「もっと多く、もっと早く」を目指してきた。



失業率が高まれば、雇用を創出できるのは経済成長だけだと考え、

学校や病院の予算が足りなければ、経済成長で予算を増額できると言い、

貧困が広がれば、経済が底上げされれば貧しい人が救われると訴え、

環境破壊についても、経済成長で資金を投入すれば解決できると信じてきた。



その結果、

先進国に住む私たちは地球の再生速度を25%も超えるスピードで

地球の資源を食いつぶすライフスタイルを確立した。



そして今、ようやく

「まずい。あと10年このままの生活が続くと、どうも地球が壊れてしまうらしい」と気づいたところ。



みんなが崇拝していた「経済成長」には陰りが見えてきた。

だから、今度の新しい合言葉は「持続可能な経済成長」に変わった。




「持続可能な」経済成長?? って、なに??




アインシュタインは言った。


One cannot alter a condition with the same mind set that created it in the first place.

ある問題を引き起こしたのと同じマインドセットのままで、 その問題を解決することはできない。





そう。

経済成長という神話を超えることなしに世界の平和と幸せについて話をしても、きっと何も変わらない。


経済成長の「信仰」こそが、

今地球が抱えているたくさんの問題を作り出した張本人のマインドセットなんだから。



そんなことを考えていた折、 尊敬する辻信一さんから以下のことばが届いた。




* * *

GNP、GDPとは何か。

ロバート・ケネディのことば

(1968年3月18日、大統領選に向けてのキャンペーンスピーチより)




あまりにも長い間、

私たちは人格や共同体の重要さよりも、

物質的な富を蓄積することをはるかに優先させてきた。


今や8千億ドルを超えたアメリカのGNPだが、

その中には、空気汚染や、タバコの広告や、

ハイウェイでの多数の事故死者を運ぶ救急車が含まれている。


家を守るための特殊な鍵、

それを破って侵入する犯罪者たちを収容するための牢屋もGNPのうちだ。


巨木の立ち並ぶレッドウッド原生林の破壊、

美しい自然を呑み込んでゆく都市化の波も、GNPを押しあげる。


戦争で使われるナパーム弾も、 核弾頭も、街頭のデモ隊を蹴散らす警察の装甲車も。


ウィットマン社製のライフルもスペック社製のナイフも、

子どもたちにおもちゃを売るために暴力を礼賛するテレビ番組も。



しかし、そのGNPの中には、

子どもたちの健康も、教育の質も、遊びの楽しさも含まれていない。


そこには詩の美しさも、夫婦の絆の強さも、

政治における知的な議論も、役人たちの誠実さも、勘定されない。


私たちの機知も勇気も、知識も、学びも。

私たち一人ひとりの慈悲深さも、国への献身的な態度も。



要するにこういうことだ。

国の富を測るはずのGNPからは、 私たちの生きがいのすべてがすっぽり抜け落ちている。

GNPはアメリカという国について物語っている。 ただし、私たちが誇りに思っていることを除いて。



robertkennedy


ロバート・フランシス・「ボビー」・ケネディ Robert Francis "Bobby" Kennedy, RFK,

(1925年11月20日 - 1968年6月6日)は、第35代アメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディの実弟。

兄の任命により同政権の司法長官(1961年-1964年)を務めた。 1963年にケネディ大統領が暗殺された後、ニューヨーク州の上院議員選に出馬して11月に勝利したが、1968年に、民主党の大統領候補指名選のキャンペーン中に暗殺された。兄のジョン・F・ケネディと共に『ジャック&ボビー』の愛称で親しまれた。




* * *



かつて、

アメリカの大統領選キャンペーンの中で

GDP、GNPという経済指標にこんなに正面から疑問が呈された時代があった。



そしてロバートの実の兄、

第35代アメリカ合衆国大統領のジョン・F・ケネディはまた、こんな演説をしている。





* * *



平和のための戦略(THE STRATEGY OF PEACE)

ジョン・F・ケネディのことば
(キューバ危機が去った1963年6月10日、アメリカン大学の卒業式にて)



私の言う平和とは何か?

我々が求める平和とは何か?

それはアメリカの戦争兵器によって世界に強制される『パックス・アメリカーナ』ではない。

そして墓場の平和でもなければ奴隷の安全性でもない。


(中略) 

我々のもっとも基本的なつながりは、

我々全てがこの小さな惑星に住んでいることである。

我々はみな同じ空気を呼吸している。

我々はみな子供たちの将来を案じている。

そして我々はみな死すべき運命にある。


(中略) 

我々の基本的、長期的なジュネーブでの関心は全面的かつ完全な軍縮である。

この軍縮は段階的に行われるよう計画され、

平行した政治的な進展が兵器に取って代わる新たな平和機構を設立することを可能にする。



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ジョン・フィッツジェラルド・ケネディ John Fitzgerald Kennedy , JFK

(1917年 5月29日 - 1963年 11月22日)は第35代アメリカ合衆国大統領 。

キューバ危機 を回避。ベトナム戦争 早期撤退を計画。一般的には清新なイメージのリベラル派 とされ、アメリカ国民からの期待も高かった若き大統領であったが、任期半ばの1963年にダラス にて暗殺 される。暗殺の真相は未解明であり、様々な陰謀説 が流れている。ケネディの暗殺は現在に於いてもアメリカ社会に暗い影を投げ掛けている。



* * *

この演説はノーカットでソ連の新聞やラジオで伝えられた。


その後、1963年7月25日、

当時冷戦下だった米英ソの間で部分的核実験禁止条約(PTBT)を締結することになる。





2008年である今年は、

ちょうどジョン・F・ケネディの死後、45年。

ロバート・ケネディの死後、40年。

今、経済も、平和も、環境も、すべて地球規模のものになった。

経済「だけ」、平和「だけ」、環境「だけ」話し合っていても、何も解決しない時代がきた。



経済成長という神話を超え、

パックス・エコノミカという幻想を超えた場所にある、私たちの本当の「幸せ」ってなんだろう。



ケネディ兄弟が今の地球を見たら、なんて言うんだろう。




ゴールデンウィークは、千葉・幕張メッセで

世界中からの100人のゲスト、そして7000人の参加者が

その知力と想像力を総結集する「9条世界会議」が開催される。


私も、辻さんと一緒に5日の「環境」シンポジウムを担当している。

9条の話ってカタそうだけど、「会議のための会議」にだけは絶対したくない。

みんなで考えて、本当の変化を発信できるような、そういう大切な機会にしたい。



だから、ゴールデンウィークにお時間がある人は、ぜひ幕張メッセに来てください。




9条世界会議 分科会4

「環境と平和をつなぐ ~人間中心主義からすべての生命の安全保障へ」


●日時・場所

5月5日 13時~15時半

幕張メッセ 国際会議室


●概要


グローバル化する経済、寄港の変化と生態系の異変、

そして劣悪化した自然環境に残されたミズや石油などの資源をめぐる紛争…。

経済・環境・平和が互いに影響しあう中、人間中心主義を超えて命を大切にする態度が求められている。

9条を「守る」という現状維持を超えて、世界とともに9条を「選び直す」ことで、

軍事をも容認して経済成長を選んできた近代社会システムをリセットし、

真に持続可能な地球のありかたを探りたい。


●コーディネーター


辻信一(明治学院大学、ナマケモノ倶楽部)

    「経済システムの転換 ~本当の豊かさとは何か~」

小野寺愛 (ピースボート共同代表)

    「すべての生命の安全保障への転換 ~平和立国への覚悟~」


●パネリスト


アウキ・ティトゥアニャ(エクアドル・コタカチ知事)

    「民主主義の転換 ~コタカチ方式の参加型政治モデル~」

アリス・スレーター(核時代平和財団)

    「エネルギーと平和 ~軍拡経済時代の環境と平和~」

星川 淳(グリーンピース・ジャパン事務局長/作家・翻訳家)

   「エネルギー構造の大転換――エネルギー[r]eボリューションの提案」





* * *


5月5日朝、加筆:


イギリスは、今度の選挙で少し変わるかもしれないですね。


保守党のデイビッド・キャメロン党首が

It's time we admitted that there's more to life than money

(そろそろ、人生にはお金よりも大切なことがたくさんあるとみんなで認めようじゃないか)

という発言をしているし。

彼の発言だから、

there's more to life than moneyといっても、個人的な幸福論のことじゃない。

国の在り方として、GDPのような経済向上だけを目指すのではなく、

もっと広い意味での「幸福な状態」(GWB - General Well-Being)を目指すのも大切だ、といって

その指標作りをしている。すごい!


以下、彼の発言内容:
http://www.conservatives.com/tile.do?def=news.story.page&obj_id=129957&speeches=1



アメリカもきっと少しずつ変わるのに、日本だけが逆行中。
経済成長のためには改憲もいたしかたないって、どういうこと?


武器を作って輸出してまで、経済成長しなくちゃいけない国なんて、どこかおかしい。



今週はじめのニュースで、「9条を守る」派が66%で、9条改憲派の23%を上回りました。

昨日の「9条世界会議」初日にも、幕張メッセ7千人会場に人が入りきらなくて、

ぎりぎりまで入ってもらっても3千人オーバー!


たくさんの人に帰ってもらわなくちゃいけなくなるという嬉しい悲鳴でした。


今日はいよいよ環境シンポジウム。

着物で行ってきます。