忙しい家庭の食卓を彩る、NY発最強ビジネス | N.Y.に恋して☆

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大学時代から恋焦がれたNYへ30代を目前にして移住。
NYを愛する読者へ向けて、ニューヨーカーの暮らし、
仕事、価値観や、NYの楽しみ方からビザまで、
現地で暮らしてこそ分かる等身大のNY生活を
綴っています。

かつてはベンチャー企業といえば、シリコンバレー(サンノゼ)というイメージが強かったと思います。
今でも、グーグル、フェイスブック、アップル、アマゾンといった名だたる会社の本社はシリコンバレーにあります。

しかし、ここ数年、その様相が少し変化しているのを感じます。
NY発のベンチャー企業が増えているのです。
誰もが知っているような名だたる会社は、サンノゼに本拠地を置いているケースが多いですが、もっと小粒の、しかし、鋭い市場分析とユニークな発想で、キラリと光るセンスあるスタートアップ企業が本社を構え始めているのが、ここニューヨークなのです。

それは、世界の中心と言われるNYには、優秀な人材が集まりやすく、また、NYで成功すれば、他の都市でも成功すると言われているほどに、「NYでの成功」というステータスが大きいこと、そして、ビジネスセンスに長けた前ブルームバーグ市長が、NYにベンチャー企業を誘致するために、"Made in NY"というプロジェクトを推進(Made in NYについては、こちらからどうぞ)したことも、大きく影響しているかもしれません。
イスラエル人の同僚によると、イスラエルはここ10年ほどの間にハイテク産業がとても盛んになり、そうしたイスラエルのテック企業が、アメリカ市場進出の足がかりとして、NYに子会社を設けているケースも多いようです。

流行に敏感なニューヨークでは、街の変化が早く、それだけ仕事のスピードも早いため、「忙しい」が常に代名詞となるほどにニューヨーカーの暮らしは、日々あくせくしていますが、そんな忙しいニューヨーカーの食卓を助ける最強のビジネスが話題を呼んでいます。

それは、"Blue Apron"という会社。

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Blue Apronの会社HP。献立はプロのシェフが考え、地元の農家から新鮮な食材を調達。


この会社は、日々の生活に追われている人々に、新鮮な食材で、美味しく、簡単に作れる食事を提供することをモットーとしていて、インターネットで注文すると、レシピとともに、調味料を含む材料が宅配され、家庭で、簡単に美味しい夕食を作ることができるのです。

アメリカに旅行したり、住んだことがある方は、日本の高い食事レベルとの差に歴然とした経験があるかもしれませんが、アメリカ人の食のレベルは一般的に、日本人よりもはるかに低く、私の同僚のアメリカ人も、夜ごはんもハンバーガーやピザで大満足、という人がかなりいました。
また、アメリカの会社では、ちょっとした社内イベントでお昼が出るときには、色々な種類のピザとサラダだけ、なんていうことは、ごくごく普通にあり、最初はとてもカルチャーショックを受けました。

そんな食レベルに日々の忙しさ、夫婦共働きという事情が加わり、アメリカ人に夕食にどんなものを食べているの?と聞いて、まともな答えが返ってきたことはありません。
また、女性が料理を作る、という固定観念も日本ほどに強いわけではないので、旦那さんが夕食を作っている、という家庭も多くあります。

美味しい食事を食べたいけれど時間がない、面倒くさい、という人々のニーズに応えたのが、このBlue Apronのビジネスなのです。
料理を作り慣れていないと、どんなものを作ったらよいのか分からなかったり、食材を買いに行くのが面倒だったり、結局食材が余って無駄が発生してしまったり、調理に予想以上に時間がかかってしまったり、作ってみてもあまり美味しくなかったり、といったことが難点だと思いますが、Blue Apronは、その全てをクリアしている、素晴らしいサービスです。
2人用、ファミリー用のパッケージがあり、1食一人あたり約9ドル(900円)という手頃な値段設定も、このサービスが爆発的にヒットしている理由だと思います。

3年前に3人の共同創業者とウェブ開発者たちから始まったビジネスは、たった3年の間に2500人もの従業員、全米4都市にオフィスを構えるまでのビジネスに成長しました。

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会社HPより。まだ30代という若さで大成功を収めた共同創業者。


私は、家での夕食は絶対に和食派なので、実はまだこのサービスを利用したことはありませんが、パートナーがアメリカ人の私の友人は、随分前からBlue Apronを愛用しているようです。

日本の場合、充実したデパ地下(驚くべきことに、アメリカにはデパ地下という概念がありません!NYの老舗ホテル、プラザホテルの地下に数年前にオープンした地下のおしゃれなフードコートは、日本のデパ地下にヒントを得たと言われています。)、生協のようなサービス、コンビニ、夜遅くまで営業している居酒屋やラーメン屋があるので、こうしたサービスはあまり必要ないのかもしれませんが、アメリカ人の生活環境にぴったりとマッチしたBlue Apronの事業拡大には、今後も目が離せません。

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