心屋塾マスターコース48期生すわこです。

マスターコースが始まる前に、青木千景さんとお話する中でみつけた、
私が今一番向き合いたい課題。


そのうちの一つ。
絵本「愛をうけとった日」を母に渡す。




これがどうなったか、書いておこうと思います。



私の母は、感情で子どもをコントロールするタイプの、いわゆる毒親でした。
(毒親っていう概念も気づくと段々変わる。けど、とりあえず。)
突然イライラしだし、躊躇無く引っ叩き、気分によって無視をする。

子どもの私に残された選択肢は、
親の顔色に反応して、媚びるか媚びないか。

私は精一杯突っ張って、媚びない方を選んでしまったので、
母から優しい言葉をかけてもらう機会も、
抱きしめてもらうチャンスもとても少なかった。

だから私は、母から愛情を貰えない子だと思っていました。



今でこそ、それでも母は母なりに、
どうしようもないイライラを抱えながら、
子どもを自分の思い通りに育て上げようと必死だったのだ。
そう思えるようになってきたけれど、まだまだその程度。


だから私は、
いつの日かあんな子育てをしてきた母を許そう、
それが私の最終目標、そう思っていた。


いつの日か母に、生んでくれてありがとう。
いつの日か母に、私はあなたを選んで生まれてきた。
遠い先の未来のいつか、そう思える日がくればいい。

そんな事を薄ぼんやりと考えていた矢先。



千景さんから、

「これ、今渡しちゃいましょう。なんか、その方がいい気がする。」



それはもう、きっぱりと爽やかに。


えええええええ!!!!

私、詳しい話、まだ全然してませんけどっ!!!!!



千景さん、エスパーでいらっしゃいますか?



ちなみに、
母親との良好な関係を築けている方にとっては、
愛の溢れるこの本を渡す事など、なんの抵抗もない話でしょう。
ちょっと頬を赤らめるくらいのいい話。(知らんけど。)


けども!!!!

我々(母に恨みつらみをたっぷり抱えた、妖怪可哀想タイプ)には、
激辛ミッションなんです!!!!



ううううう。



っと、悶絶した後。


気持ちがまだまだ、全然追いついていっていないけれど、最終的にはそう思いたい。

こういう気持ちを、思いを伝えたいと思っていた事は事実だったので、
だったらいつ来るかわからない覚悟を待って機を逃すくらいなら、
今下さったチャンスを活かそう、そう思いました。


マスターが始まる数日前。
鞄に本を入れて実家に行きました。

母はそのとき、丁度台所仕事をしていたので、今だと思いました。
面と向かって膝を突き合わせてたら、とてもじゃないけれど話せない。
2人とも目線の合わない今なら言える。


「これ、母の日の追加のプレゼント。」

「何だそれ?」

「先日、この作家さんに会ってね。話してて思ったんだよ。
親が生きているうちしか、こういう気持ちも伝えられないって。」

「ふーん。」

「じゃぁ、これ、仏壇に置いておくから。」

「はいよ。」



そう言って平静を装って、
絵本を仏壇前に置いて、2歳児を小脇に抱えてダッシュで帰った。

我ながら冷静に渡せた方だと思った。


それから数日後。
実家に行くも、この事について聞けない。
母もノーコメント。


昨日も実家に行くも、別の事でイライラしてしまい、聞けない。
(ちなみに汗だくの娘に長袖を着せようとする、
バアバの謎な愛に怒り炸裂という、しょうもない私です。)


こっそり、仏壇のある客間を覗いてみた。
本は無い。

こっそり、母の寝室を覗いてみた。
サイドテーブルに置いてあった。


そのサイドテーブルは、母のお気に入りのものが置かれているテーブルで。
母の大好きな母(私の祖母)の写真。
母の自分が死んだ時に使ってほしいと言っている遺影用の写真。
そしてその脇に、そっと置かれていた。


読んだんだ。
なんだか嬉しかった。


それから、
母は自分の母(私の祖母)にも届けたかったのかな、なんてちょっと思った。



私は、愛を受け取れないと思っていた小さな頃、
愛をくれくれと拗ねていたのだけれど、
拗ねがだいぶなくなった今でも、
違う形で愛をくれくれと言いたいんだと気づいた。

心を開いた私にも、同じ見返りが欲しくてしかたがない。
愛を届けたのだから、愛を受け取りたい。

くれくれ星人がジタバタする。



でも本当は、
私は私が届けたかったらのだから、この本を渡した。
それだけでいいのかもしれない。


伝えたのならもう、それでおしまい。
意外と素直に渡せた自分を認めてあげて、それでおしまい。

今回は、そうしてみようと思った。


生きているうちに、思いを届ける事ができて、よかった。
その先の事は、知らん。



いずれしようと思っている事は、今しとこう。



こんな機会を作ってくださって、千景さん、ありがとう。