※初めての方は最初 からお読みください。


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次に、計測値を元に、階段の傾斜をグラフ化してみた。それが下図だ。



グラフ1

x軸が階段の傾斜(角度)、y軸が件数である。


これを見ると、24度から39度まで幅広い分布になることが分かる。しかし、あまり均等に分布しておらず、このままではあまり参考にならない。


そこで、私は測定場所と角度の相関を見直してみることにした。すると、ある一つの傾向が見られたのである。

それを示すために、上記のグラフに色を付けてみた。それが下の図だ。


グラフ2

このように3色に色分けしてみた。これらを順を追って説明しよう。


まず、赤い部分。このように緩やかな角度には駅や歩道橋が集中している。グラフ13点中9点が駅(連絡通路含む)、歩道橋なのである。


次に、青い部分。この領域には大型のビルなどの階段が集中している。例えば百貨店、駅ビル、ショッピングセンターなど。グラフ28点中16点がそのような大型ビルの階段なのだ。


そして、緑色の部分。このように角度が急な階段は、階段の設置場所が狭いところに多い。

つまり、敷地面積が限られている小型のビル(テナントビル)やアパートなどがこれにあたる。グラフ20点中、実に15点が美容院や飲食店などのテナントとアパートなのである。


これらのデータを元に、「緩やかな(駅周辺)」、「急な(飲食店など)」といった具合に、階段をパターン分別してみたいと思う。

ところで、階段とは別に今回はエスカレータの長さも7箇所ほど調査したのだが、その7箇所ともが全て高さ21cm、幅40cmであった。

おそらくエスカレータはこの寸法で規格が統一されているのだろう。

これも上記パターンに付け加えておきたいと思う。


<続く>