椿まつり・・ | 呑気な頼さん

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私の暮らす磐余の里は桜井市の南西部一帯の古き地名。日本書紀・古事記・万葉集などに数多く登場し十二代もの宮都が置かれた町です。大物主の鎮座する神山「三輪山」の麓には日本最古の市である「海柘榴市(つばいち)」や「仏教天来の地」、日本最古の道「山の辺の道」が通じてます。

 

玉列のつらつら椿『椿まつり』・・
明日2023年3月26日、日本最古の大神神社(三輪明神)摂社、玉列神社(たまつらじんじゃ)では「椿まつり」が午前11時より執り行われます。昔から「玉椿大明神(たまつばきだいみょうじん)」と称する玉列神社は、名前の通り境内に二百種約五百本の椿が植えられ「玉列のつらつら椿」として有名です。椿が供えられる祭典のほか、髪に椿の花を付けた巫女による神楽「浦安の舞」の奉奏が行われます。椿饅頭の販売や椿煮麺(にゅうめん)の振る舞いも今年はありそうですが・・。

 


玉列神社は鳥居から本殿背後に三輪山を仰ぐ形式で鎮座します。この神社は延喜式神名帳に「大和国城上郡玉列神社」とある式内社で、大神神社の境外摂社となります。大神神社から山の辺(へ)の道を南へ初瀬街道に沿う慈恩寺集落の小高い丘の上に鎮座します。「玉列」は玉を貫ねるという意味で「魂貫(たまつら)」、魂を延々と受け継ぐ意味合いがありそうです。

 


一説に雄略天皇の泊瀬朝倉宮(はせあさくらのみや)伝承地の間近(三輪山南部)に鎮座する事から王権による三輪山祭祀の南礼拝所として創祀されたと伝わります。祭神は玉列王子神(たまつらおうじ)で、大物主の御子神(みこがみ)と伝えられます。配祀として天照大御神、春日大御神が鎮まります。初瀬谷に於ける最古の神社でもあり、江戸時代より玉椿大明神(たまつばきだいみょうじん)として地元の皆さんに親しまれます。神の名に相応しく、神社境内には200種約500本の椿が植えられ昔より「玉列のつらつら椿」として有名な神社で遠く京阪神、東海地方に至るまで厚い信仰を集めてます。また同じく「金色のお砂」は招福のしるしとして尊ばれています。

 


境内には末社「金山彦神社(かなやまひこじんじゃ)、猿田彦神社(さるたひこじんじゃ)、愛宕社(あたごしゃ)」が拝殿右(東側)に鎮座します。金山彦社の祭神は金山彦神(かなやまひこのかみ)、鉱山・金属・鍛冶などを司る神。猿田彦社の祭神は佐田毘古神(さるたひこのかみ)、道案内の神(塞神・道祖神)、交通安全の神。愛宕社の祭神は火産霊神(ほふむすびのかみ)、火を司る神で「かまど神」ともよばれます。この三神は「かまど三柱大神」と信仰されている事から「火」を扱う人々=製鉄に携わるタタラ民が関係ありそうです。