お子さんが高熱になりあわてて夜間救急に駆け込むママが後を絶ちません。
僕など基本的に1歳未満の乳児には解熱剤は一切処方しません。
そうすると必ず聞かれる質問がこれ。
「熱で頭がバカになっちゃいませんか？」
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なりません！
熱くらいで頭がバカになるんだったら、街中バカだらけになっちゃいますよ。
熱で脳がやられる、というのは都市伝説です。
そもそも何故熱が出るのかを考えてみましょう。
風邪などのウィルスに感染すると、ウィルスは体内で増殖して悪さをしだします。
そこで脳の体温中枢は体に指令を出して、体温を平熱より高く上げさせます。
すると平熱では増殖し放題だったウィルスが、熱が上がってしまったために増殖ができなくなります。
ウィルスというのは決まった温度じゃないと増殖できなくて、1℃でも違うとダメなのです。
なので平熱より2～3℃程度体温を上げることで、ウィルスを死滅させる訳です。
つまり、感染した病原体を焼き殺すためにあえて脳が指令を出して体温を上げているわけです。
感染した病原体が何なのか脳は知ってます。
例えば強力なインフルエンザなどの場合は、より高温にしなければならないので体温を40℃くらいまで上げて焼き殺します。
逆に弱いウィルスだったら、37℃程度で充分だと判断します。
このように、脳が分かってて自ら体温を上げる指令を出しているわけなので、熱で脳がおかしくなるというのがナンセンスであることがお分かりでしょう。
ちなみに脳にダメージを与える体温は43℃以上です。
ですが普通の状態ではここまで熱が上がることはありえません。
大半の風邪の原因はウィルスです。
ウィルスには抗生剤が効きません。
自分の熱で焼き殺すしかないのです。
なのでむやみに解熱剤で熱を下げようとするよりも、熱があった方が実は治りが早いんです。
なので解熱剤は極力使わないというのが、回復への一番の早道なのです。
解熱剤を使わなかったからといって悪化することは一切ないのです。
これは覚えておきましょう。
解熱剤は風邪を治す薬ではないのです。
では何故解熱剤を出すかと言えば、例えば我々大人などは熱があると体が辛いですよね？
その辛さを緩和するために使うのです。
本来なら使わない方が早く治ります。
乳児などは高熱があっても意外にケロっとしているので、解熱剤は不要なのです。
お分かりいただいたでしょうか？
熱は体が病原体を焼き殺すために必要な武器です。
恐くありません！