この時期になると咳を主訴としたお子さんが非常に多く来院されます。
ほとんどは風邪です。
でも中にはマイコプラズマやRSが隠れているので注意しながらの診療です。
(もっともRSは治療法がないので検査はしませんが・・・)
10月くらいから長引く咳に悩まされるママが多く来られます。
そんな咳を「喘息かもね」と簡単に診断され、オノンやキプレスを処方されちゃっている方もおられます。
当然ながら(喘息じゃないので)咳は治まるわけがありません。
そもそも喘息なんて、そんなに簡単に診断できねえっての!
オノンやキプレス(僕などはシングレアを好んで使いますが)は、喘息の治療薬であって、長期的に使用するものです。
それを風邪薬と一緒に3日分だけどかしか処方しない医者には気をつけましょう。
これらは風邪薬ではありません。
ちゃんと喘息と診断されたお子さんにたいして、しかるべき期間継続するものなのです。
さて、喘息じゃないとしたら何故この時期に咳が長引くんでしょうか。
やはり風邪なんです。
9~11月の季節の変わり目ってのは、様々な風邪ウィルスが流行します。
保育園や幼稚園に通っているお子さんとなれば、下手すると毎週のように次から次へと新しい風邪をもらいます。
「もう1カ月以上風邪が続いているんですが、なにか病気では?」
という質問をよく受けますが、そうではありません。
単一の風邪が1カ月続くのではなく、次から次に新たな風邪を連鎖的にひいているだけなのです。
そういったケースは心配いりませんね。
こりゃあ保育園などに行っている以上、仕方ないことです。
あとこの時期重要なのは加湿です!
当院に受診された方には口酸っぱく言ってますが、加湿が重要です。
「夜になると咳が増える」
といったお子さんが多いですが、これは喘息の咳の特徴である一方で、気温と湿度が一気にさがる夜間は乾燥によって咳が増える時間帯なんですね。
実際、ただの乾燥で咳しているお子さんは非常に多いです。
でもって例によってそれを「喘息だ」などと言われてしまっている方の多い事・・・
ここ数日などとっても空気が乾燥してますから、お部屋をガンガン加湿しましょう。
夜などは窓やフローリングが結露するくらい加湿して結構です。
ただし、必ず翌朝には換気しましょう。カビが生えますから。
加湿は風邪の予防にもなります。
乾燥すると、例えばインフルエンザなどのウィルスは空気中を舞います。
加湿するとウィルスに水がついて床に落下します。
朝、換気しながら床を拭けば、落下したウィルスが拭きとられるので感染予防にもつながりますね。
とにかく長引く咳で悩んでいるお子さんがいたら、まず加湿をガシガシかけてみましょう。
そして喘息だと言われているのが本当なのかどうか、検証する必要があります。
ここで注意。
この記事を読んで、急いで押入れから加湿器を出してきて、すぐ使わないように!
しまってあった加湿器には様々な汚れやカビがついています。
いきなり使うと、これらが空中を舞ってしまいます。
まず内部を洗って、ベランダで2時間ほど試運転しましょう。