非常によくいただく相談、
「卵を食べたら口の周りが赤くなってしまいました」
「これはアレルギーでしょうか??」
多くの場合、僕の答えは「NO」ですね。
食物アレルギーとは、口から接種したアレルゲンが腸から吸収されて起こるものであって、したがって理論上は全身に反応がでるはずです。
口の周りだけに限定して湿疹がでるというのは食物アレルギーでない可能性が極めて高いです。
じゃあ何か?
ただの「かぶれ」です。
健康な我々だって、口の周りに生卵を塗ってごらんなさいよ。
肌が弱ければ炎症を起こして赤く痒くなりますよね?
では、それって食物アレルギーなの?除去します??
違いますよね。
「かぶれ」と言いましたが、正式に名称をつけるとするならば「接触性皮膚炎」でしょう。
生卵とか桃の汁とか、刺激の強い物質が皮膚を刺激して起こる皮膚炎のことです。
スタイをつけていると出来るのもそうです。
おむつかぶれも一種の接触性皮膚炎です。
排泄物に肌が刺激されておこる皮膚炎です。でもそれを見て「アレルギーだ」と思う人(医者)はだれもいないでしょ?それと一緒ですよ。
離乳食で口の周りをベチャベチャにしながら食べるお子さんの場合、口の周りの皮膚炎はつきものです。
でもって、ちょっと人一倍肌が敏感なお子さんは、卵などの刺激に強い物質が付着することによって口の周りに接触性皮膚炎を起こします。
なので、僕の所に「○○を食べて口の周りに湿疹が」という相談に来られた方には、
「それはアレルギーじゃないので、口の周りを清潔に保ちながら食べ続けましょう。当然ながら検査も必要ないし、除去する必要もまったくありません」
と指導します。
そしてそのお子さんは何事もなく経過していくわけです。
「こんな医者はダメだよ」シリーズ。
卵を食べたら口の周りに湿疹が出た
↓
アレルギーかもしれないから検査をしましょう
↓
卵に少し反応がでました
↓
卵は除去しましょう
さてここでいきなり始まりました、「クイズSkywalker!」
この一連の流れには、3つも間違いがあります。それはなんでしょうか?
ブログを熟読されている方ならわかりますかね?
間違い① 口の周りの湿疹をアレルギーだと考えた事
間違い② 明らかに不必要な検査をして子供に痛い思いをさせた事
間違い③ 卵アレルギーが原因であるという結論、そして除去という間違った判断
こういった相談をされるとすぐに検査をする医者がいます。
まあ百歩譲って検査をすることは間違いでないとしましょう。
が、大事なことは検査の数値ではなく、実際目の前にいる子供に起こっていることが本当にアレルギーなのかってことを判断できるかどうかです。
前にも書いたように「数値が高い=アレルギー」ではないんです!
数値が高くても食べて平気な子もいれば、数値が陰性でも食べて症状が出る子もいます。
(こちらを参照。 )
万が一仮に、口の周りに出た湿疹が卵アレルギーだったとしても、除去する必要はありません。
以前から書いてきたように、全身でない湿疹が出る程度であれば、食べることによりアレルギーを克服しなければなりません。
アレルギーは食べて治すのが今の主流です。除去は古いんです!
食物アレルギーの治療に関しては以下を参照されてください。
卵を食べたら口の周りが赤くなった・・・
それは多くの場合アレルギーではありません。
(まれにアレルギーである場合があるため、まともな小児科医に判断してもらいましょう)
ただの接触性皮膚炎ですので、気にせず食べさせていきましょう!!
口周囲の湿疹を見て食物アレルギーの検査を始めようとする医者には気をつけましょう。
そして検査を断ってください。